仮想通貨投資の落とし穴!「LUNA」の失敗から学んでみよう

仮想通貨

Twitterを見ていたら、
「LUNAが消えた!」
「LUNAのせいで終わった・・・!」
という投稿が出てきてビックリしました。
最近私が調べていたトークンの1つだったので・・・(^_^;)
価格が安定していて、信頼できる仮想通貨だという認識でした。
一体何が起こっているのか、調べてみることにしましょう。
LUNAに関連する「Terra」や「UST」についても注目です。

LUNAとは?

お隣韓国のTerraform Labsという会社が開発したステーブルコイン「UST」プロジェクトに使用される「ガバナンストークン」です。
ちなみにガバナンストークンとは、「DAO」というコミュニティ運営に参加するために必要なトークンのことです。
つまり、投票券みたいなものと言えば良いのかな?
また、LUNAはUSTの供給量を調整する役目も果たしています。

Terraとは?

LUNAについて調べていくと、「Terra/LUNA」と出てきます。
Terraは、ステーブルコインのプロジェクトで、仮想通貨の名称でもあります。
TerraのシンボルがLUNAなので、Terra=LUNAとも言えますね。
ただし、LUNA単体で使うならガバナンストークンの意味になるみたいです。

他にも発行している?Terraが発行するステーブルコイン

Terraプロジェクトでは、ドルに連動する「UST」、ウォンに連動する「KRT」、モンゴルの”トゥグルグ”に連動する「MNT」が発行されています。
様々な国の通貨と連動させることで、よりTerraのプロジェクトが広まるようになりました。

USTってどんなコイン?

Terraプロジェクトのステーブルコイン「UST」は、無担保型です。
法定通貨や他の仮想通貨と連動させるのではなく、USTを発行しているTerra独自のLUNAトークンと連動させています。
具体的には、USTの価格が上がり過ぎた時にLUNAを焼却し、USTの供給量を増加させ、結果的に価格が下がるように調節します。
反対に、価格が下がり過ぎた時はLUNAを発行し、USTの供給量を減らして価格が上がるように調節します。
USTはLUNAトークンによって安定的な価格を実現しているのです。

ステーブルコインでは珍しい?分散型のUST

仮想通貨は全てのユーザーがデータを持ち、ユーザー同士で運用していくのが基本です。
これは「分散型」の金融であり、「非中央集権的」なプロジェクトです。
ところがステーブルコインは、この仮想通貨の考え方とは少し違う性質を持っています。
まず発行者(企業など)がおり、その発行者が持つ資産によって価値が担保されています。
ユーザー同士で管理するものというよりは、発行者によって提供された価値をユーザーが受け取るという意味合いが強いです。
管理する企業の一存で発行が停止されることもあり得るでしょう。
しかし、Terraが発行するUSTの場合は、そのステーブルコインの特徴ともまた違ったものを持っています。
USTは分散型であり、ビットコインなどと同じようにユーザー同士で管理・運用する形を取っているコインです。
つまり仮想通貨の本来の姿である「非中央集権的」な金融ができるステーブルコインだということです。
ユーザーにとって本当の利益になることは何か、ユーザーが自ら考えて決定することができます。

USTが大量売却!大暴落が起きる

USTの人気もあり、Terraのプロジェクトは瞬く間に広まっていきます。
Terraが発行するトークンLUNAも話題となり、Twitterなどでも「今買うならLUNA」と言い出す人が増えました。
ところが2021年末頃になると、USTは他の仮想通貨とともに下落相場へ・・・。
2022年の5月には、時価総額29,000億円だったのが85億円まで大暴落してしまったのです。
原因として考えられているのが、USTの大口出金です。
なんと14億ドルものUSTが引き出されました。
これは通常の取引で見られる額の6倍とも言われています。
また、続いて翌日には2億8500万ドルが売りに出され、2%のデペック(連動している通貨との乖離)が起こってしまったのです。
ドルと連動するはずのUSTが、ドルと関係ない方向へ価格推移してしまったら・・・。
ドルより上がれば良かったのかもしれませんが、下がってしまったことで手放す人が多くなってしまいました。

あれ?LUNAが調節してくれるはずじゃ・・・

先ほど説明した通り、USTの価格はLUNAによって調節されます。
USTが下落した場合、LUNAの発行数を増やせばUSTの価格を上げられる・・・はずでした。
ところがUSTが急激に下がってしまったため、今度はLUNAの発行数が多くなりすぎてしまったのです。
すると、LUNA1つに対しての価格が安くなってしまい、LUNA自体の価値も下がっていくことになりました。

LUNAはUSTの担保だから・・・

LUNAの価値が下がるとどういうことが起こるのでしょうか。
そもそもLUNAは、USTの担保としての性質を持っているトークンです。
担保であるLUNAの価格が下がるということは、USTの信頼度が下がるということですよね。
LUNAを持っていた人は「下がっていくトークンを持っていてもしょうがない」と売りに出します。
するとLUNAの価格はさらに下がり、LUNAが下がったらUSTの価値は保証できないと考えた人がUSTを売ります。
お互いを持ち上げるために作られたUSTとLUNAですが、下落すればお互いの足を引っ張り合う関係になってしまうのです。
さらにLUNAの下落が進み、USTの価格を下回るほどになると、市場は騒然とします。
ステーブルコインの仕組みを根底から覆すような事態に、仮想通貨取引所は「USTとLUNAの出金停止」という厳しい処置を決定しました。

LUNAの価格推移を見てみよう

大暴落が起こった2022年5月7日、LUNAはこれまでの10%の価格になってしまいました。
翌日には1LUNA=10,000円に、さらにUSTの価格を下回った5月10日時点では1LUNA=4,400円になっています。
その後発行者であるTerraform Labs社が対策チームを設立、資金調達など様々な対策を取りましたが、結果は表れず・・・。
5月12日には1LUNA=2円に、翌日5月13日には1LUNA=0.006円にまで落ち込みました。
ここまできたら、もうほとんど価値は0ですね。

LUNAに全財産を賭けていた人も・・・

Twitterには、
「退職金を全てLUNAにしたのに・・・。老後の資金がなくなってしまった」
「夫婦で貯めたお金を全てLUNAに投資していた・・・。妻になんて説明しよう」
という嘆きの投稿がありました。
分散して投資するのが基本ですから、全財産を仮想通貨にしてしまうのもどうかと思いますが・・・。
それほどLUNAやUSTに大きな期待をしていたということなのでしょうか。
確かに、プロジェクトの内容によっては「この先絶対流行る!」とか「今後はこのトークンを持っているのが当たり前になる!」と思うようなものもたくさんありますよね。
しかし、未来のことは誰にも断定できません。
私も仮想通貨やNFTのことを勉強し始めて、WEB3.0時代に大きな期待はしているけれど・・・。
NFTや仮想通貨投資だけで、全てうまくいくとは思わない方が良いかもしれません。
これからはむしろ仮想の世界を疑い、本物と偽物を見分ける能力が必要になってくるのではないでしょうか。
現実世界の投資、つまり法定通貨や株、不動産での投資についても同じことが言えますよね。
リスクを回避するには、分散投資が絶対不可欠!
これを肝に銘じて勉強を続けていきたいと思います。

 

LUNAについて調べていくと、ステーブルコインも安全ではないなと気付かされます。
どんなに魅力的な仮想通貨やトークンでも、失敗する可能性は0ではありません。
今回ご紹介したUSTとLUNAのような事例から、仮想通貨投資のリスクについて考えてみましょう。

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