いくつかの仮想通貨は、運営者や管理者がいません。
国が発行する法定通貨とは違い、仮想通貨は取引するユーザーによって管理するべきという考え方があります。
それが仮想通貨やDeFiの基本理念でもあり、多くの仮想通貨ではユーザー同士で自由な取引をしています。
DeFiについても、銀行と違ってユーザー同士の直接的な取引によって成り立っているでしょう。
非中央集権的な仮想通貨では、プロジェクト自体もユーザーの意見をもとに決まっていきます。
国や大企業に掌握させず、「ユーザーである自分たちで情報を管理しよう」というのがWeb3.0の世界です。
しかし、全ての仮想通貨が非中央集権的であるとは限りません。
今回は、運営団体が存在する「ステラルーメン」という通貨について勉強していきましょう。
ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨と何が違うのか、特徴をご紹介します。
マイニングがない!?開発・運営団体がある
「ステラルーメン(XLM)」は、非営利団体のステラ財団によって開発された通貨です。
「ステラ」というブロックチェーンを使用しており、ステラ財団が発行しています。
ビットコインと大きく違うのは、マイニングのシステムがないということです。
すでに全量がステラ財団によって発行されており、マイニングで報酬を得ることはできません。
また、ステラ財団がプロジェクトを一括運営しているため、取引データが分散化されない「中央集権的」仮想通貨です。
しかし、運営しているのが非営利団体のため、利益を出すような活動は禁止されています。
中央集権的なプロジェクトですが、特定の団体だけが儲けるというわけでもないので透明性が高い通貨だといわれています。
新興国のために・・・銀行口座の代わりになる
ステラルーメンは、仮想通貨リップルを開発したメンバーの一人によって作られました。
インドや南アフリカなどの新興国と呼ばれる国では、未だ銀行口座を持っていない人も多いといいます。
そのような人々のために作られたのがステラルーメンです。
法定通貨や銀行に頼らず、個人間の取引を円滑に行うことを目指して仮想通貨が作られています。
ステラルーメンが初めて上場されたのも新興国であるブラジルで、先進国の人々に先駆けて取引されるようになりました。
「ブリッジ通貨」って?送金コスパが良い!
ステラルーメンは、2つの通貨を交換する時の橋渡しをする役割があります。
例えばドルを円にしたい時、
①ドルをステラルーメンに
②ステラルーメンを円に
という手順で換金する方法があります。
わざわざステラルーメンを介さなくても、直接ドルと円を交換すれば良いのではないかと考える人も多いでしょうが…
実はステラルーメンを通した場合、直接ドルと円の交換をするよりも速く・安く送金することが可能なのです。
このような橋渡し役の通貨のことを「ブリッジ通貨」と呼びます。
ステラルーメンは、単体での価値というよりブリッジ通貨としての需要が高まっています。
ステラルーメンはバーンも経験済み!希少価値が上がる
仮想通貨では、運営側によって数量を減らすことがあります。
これを「バーン(焼却)」といい、数量を減らして希少価値を上げようという狙いがあります。
ステラ財団も2019年にバーンを行なっており、ステラルーメンの数は500億にまで減りました。
これにより価格も発行当時より高騰しています。
価格はどう動いてる?ステラルーメンの歴史を調べてみた
ステラルーメンが上場されたのは、ブラジルに初めて作られた仮想通貨取引所でした。
その時の価格は0.0003ドル、日本円だと0.03円くらいです。(1ドル=101円)
ほとんど無価値のまま、4年間くらいは動きがありませんでした。
ところがアメリカの大手コンピューター企業が自社の国際送金システムにステラブロックチェーンを採用すると、事態は一変します。
ステラルーメンにも注目が集まり、一時は上場時の300倍近く高騰しました。
しかし急騰後は相場の反転が起こり、下降トレンドが続くことになります。
そのあとはステラ財団のCEOが新しくなり、新CEOディクソン氏への期待感から一時的な高騰もありました。
さらに先ほど解説した2019年のバーンにより、希少価値が高まったため価格も25%アップになっています。
今はどのくらい残ってる?運営団体も保有
バーン後のステラルーメンの数量は、500億になりました。
そのうち200億は市場に流通しており、私たち一般投資家も購入可能です。
残りの300億は運営側であるステラ財団が保有しており、これから数年かけて市場へ戻っていくとされています。
2022年11月現在の価格は12.74円で、それほど高くはありません。
これまでの推移を見てみると10円に満たなかったり、100円に手が届きそうで届かなかったりと、大きく動いています。
高い時と比べれば現在は下落傾向にありますが、これは他の仮想通貨でも大体同じです。
ステラルーメンだけが特別苦戦しているとか、あまり将来性がないというわけではないと思います。
ステラルーメンを予想するなら「リップル」にも注目
リップル社が運営する「リップル(XRP)」も、ステラルーメンと同じように決済や送金に特化した通貨です。
2021年にリップル社で大規模なイベントが開催され、リップルの価格が高騰したことがありました。
その時ステラルーメンも同じく高騰し、49.26円の高値を更新したそうです。
リップルとステラルーメンは同じ目的で使われることが多い通貨なので、相場も連動する可能性があります。
ステラルーメンのチャートやステラ財団の情報だけで判断できない場合は、リップルの動きについても調べてみると良いでしょう。
今後はどうなる?ステラ財団の計画は?
ステラルーメンを新興国での取引に使ってもらいたい!
ステラ財団は、さらに東南アジアやイスラム圏諸国での需要拡大を目指しています。
タイではスタートアップしたばかりの企業がステラブロックチェーンを使った決済システムの立ち上げを発表しました。
アラブ首長国連邦・サウジアラビア・バーレーンの国では、企業と連携した巨大市場を計画しています。
また、アフリカのセネガルでは、仮想通貨で全ての金融取引が可能になる「エイコンシティ」の計画があるそうです。
そこでもステラブロックチェーンを使う予定があります。
先進国はビットコインやイーサリアムが当たり前の時代になっていますが、新興国ではステラルーメンが台頭してくるのかも!
どのコイン、どのブロックチェーンが世界を獲るかワクワクしますね!
日本の仮想通貨取引所にもある!ステラルーメンが狙い目かも
ステラルーメンは、コインチェックやビットフライヤーなどの国内仮想通貨取引所でも購入できます。
仮想通貨は海外取引所でしか購入できないものも多いので、ステラルーメンは比較的手に入れやすい通貨でしょう。
今からビットコインやイーサリアムを入手しようとすると結構高いので、これから期待できそうなステラルーメンの方がお得かもしれません。
先進国がさらに発展するのは大変だし、発展途上国が貧困や紛争から抜け出すのも時間がかかりそう・・・。
それなら成長途中の新興国ビジネスに期待する方が早い!
私はそんな風に感じました。
みなさんはどうお考えですか?
まだまだ知らない仮想通貨がたくさんありそうですね!
管理・運営団体がなくて自由度の高いプロジェクトも魅力的ですが、しっかりした計画のもと運営されているプロジェクトの方が安心かもしれません。
なんだか私もだんだん投資家っぽくなってきたかも!?( *´艸`)
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