NFTアーティストが急増中!これからNFTを始めたい人が知っておくべきこと

絵画 NFT

可愛いイラストを見つけたから、自分のSNSプロフィール写真に使おうと思ってNFTを購入するという人もいます。
または、これから値上がりするだろうと思えるようなNFTを見つけて、資産として購入する人もいるでしょう。
美術・芸術の取引は、以前は専門的な知識を持つ画商やバイヤーしかできませんでした。
しかしNFTであれば、今は誰でも簡単に取引できる時代に。
でもまだ「わざわざNFTにする意味ある?」という人も多いかもしれませんね。
今回は改めてNFTって何なのか、何のために存在しているのかをまとめてみたいと思います。

NFTとは?

NFTは、「Non-Fungible Token(代替不可能なトークン)」の略称です。
トークンとは仮想通貨のように、一定の価値を持つもののことを表しています。
・・・と言ってもなんのことやらさっぱりという人が多いと思います(^_^;)
簡単に言えば、デジタルデータに「この世にたった一つ」という価値を付けたものがNFTです。
例えばピンクのお花の絵を描いただけだと、コピーすれば何枚でも同じ絵を増やせます。
でも最初に描いた絵にオリジナル・本物であるという価値を付ければ、コピーと区別がつきますよね。
これがNFTの仕組みです。
今NFTとして存在しているのはデジタルデータであり、本物であるという価値は「ブロックチェーン」という技術によって付与されています。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは、簡単に言うと取引が記録された台帳です。
NFTのほか、仮想通貨でもブロックチェーン技術が使われています。
ネット上で取引されたNFTや仮想通貨について、全ての取引内容が記録される仕組みです。
取引内容は一定期間ごとにブロックに納められ、スタートから最新取引まで鎖のようにつながっています。
このことから、ブロックチェーンと呼ばれるようになりました。
もしブロックの中の一つの取引を改ざんしようとすると、前後の取引とつながって保管されているため難しいでしょう。
そこだけ改ざんできたとしても、必ずつじつまが合わなくなります。
ブロックチェーンは「分散型」台帳と呼ばれていることもあり、基本的にユーザー同士が取引内容をチェックするものです。
おかしなところがあればすぐに分かるので、わざわざ改ざんしようとする者はほとんどいないでしょう。
そのため、ブロックチェーン技術によって保護されているNFTは偽物を作ることができないとされています。

本物であることの意味

NFTは、ただのデジタルデータとは一線を画すものです。
どんなに芸術的な作品を作って、それが数億円もの価値が付いたとしても、贋作が作られてしまう可能性があります。
イタリアの国立美術館で展示されている絵画と同じものが、中国の富裕層の住宅に飾られているかもしれません。
公認レプリカとして作られ、それなりの値段で取引されているなら良いのですが、「本物ですよ」と嘘をついてオリジナルと同じ価格で売買していたら・・・。
芸術、そしてオリジナルの作者を冒涜する行為です。
物質的に描かれた絵画の場合、高い技術を持った者が贋作を作ろうと思えば簡単にできてしまいます。
本物と見紛うばかりの絵画を作製し、何億円も荒稼ぎしている詐欺師もいますよね。
何十年も本物だと信じられていた・・・ということもザラです。
しかし、NFTではそうはいきません。
デジタルデータに本物の証明を付けたNFTは、コピーすること自体は簡単です。
ボタン一つで、何万枚も同じデジタル画像を作り出すことができます。
そのコピーにブロックチェーンをくっつけてNFTとして売り出すのも、造作もないことです。
ただし、オリジナルとコピーはブロックチェーンを見れば一目瞭然!
全く同じ見た目でも、NFTを構成しているブロックチェーンアドレスが違います。
オリジナルNFTが製造された時間と、コピーをNFTとして生成した時間を見比べればどちらが本物か証明できるでしょう。
もちろんNFT作成記録も含む全ての取引内容がブロックチェーンに格納されているので、改ざんすることも不可能です。
なぜNFTにするかというと、誰にも変えられない「本物である」という価値が必要だからだと思います。
ただし、本物でなければならないという理由は
「芸術を守るため」
「著作者の権利保護のため」
「公正な取引のため」
など、人によってさまざまです。
「別に本物である必要はない」という人がいるのも事実で、そういう人はNFTの価値が見いだせないのは仕方がないことだと思います。
しかし、NFTの技術によって救われたアーティスト、投資家もいるでしょう。
今後もNFTの広がりによって、新人アーティストとして輝ける人が増えるかもしれません。

NFT

誰でも有名芸術家になれる!?

NFTが国内でも少しずつ認知されるようになったきっかけは、日本の小学生が作ったNFTコレクションでしょう。
当時9歳の少年は、デジタルアーティストの母の力を借りてNFTを作成しました。
割とシンプルなドット絵ですが、なんと当時のレートで約80万円の高値をつけ落札されたのです。
これを知った人が「自分にもできそう!」と思ったことにより、新規参入NFTアーティストが続々誕生していきます。
「うちの子にもやらせよう!」と考えた親も多いようで、NFTマーケットを見ると「小学生の女の子が描いてます♪」というコレクションもいくつかありました。
また、自閉症や発達障害の子どもに絵を描かせて、その子が感じている独自の世界観をNFTで表現したいという親も・・・。
売り上げは児童福祉関連施設に寄付したいというプロジェクトがあって、支援の輪を広げたいという目的もあるのではないかと思いました。
NFTを芸術作品と見るか、それとも投機商品と見るか、または気軽にチャリティ募金ができる新しいビジネスと見るか・・・。
それぞれの立場によって賛否両論あるでしょうが、なかなか面白いプロジェクトがあるなと感じています。

オリジナル作者には二次流通報酬も

これまでのアート取引は、「売ってしまったら終わり」の世界でした。
例えばアーティストが作成した絵画を画商が1万円で買い取り、アーティストは代金を受け取ります。
その後、画商が絵を欲しがっている人へ10万円で売ったとしましょう。
画商は絵画の仕入れ代1万円に対し、10万円の売り上げとなります。
つまり、9万円の利益です。
しかしその絵を作成したアーティストには、たった1万円しか入らないことになります。
若い頃は絵の才能が認められず、二束三文で作品を売っているアーティストも多くいました。
どんなに描いて売っても生活が苦しく、アーティストとして生きていくのを諦めてしまう人も・・・。
しかしNFTの場合は、転売されることによってもアーティストに報酬が入る仕組みになっています。
先ほどの例で言えば、画商が購入者へ売った時に、アーティストへ利益の一部が還元される仕組みです。
NFTプラットフォームによって違いますが、取引額の数%がクリエイターの報酬として入金されます。
この取り分はクリエイター自らが決められるプラットフォームもあり、アーティストが自分で自分の価値を決められる時代になったと歓迎されているでしょう。

NFTはイラスト以外もOK

今NFTマーケットで売ることができるのはデジタルイラストのほか、写真や音楽、動画です。
プラットフォームによっては、ツイートや現実世界の商品の受け取り券などもNFTとして販売されています。
これからはメタバースに限らず現実世界の土地、住宅、服、エステやアクティビティの利用券などもNFTとして取引される時代になるかもしれません。
クリエイターやプロジェクト発案者の自由な発想が、他と差をつけるでしょう。

 

あらゆるものをNFTにすることは簡単ですが、何でもNFTにしてしまえば良いというわけではありません。
NFTにする意味があるのか、NFTじゃなければダメなのか、プロジェクトの運営者は冷静に考える必要がありそうですね。

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