最近SNSやWebサイトでもよく見るようになった「スマートコントラクト」。
今まで何となくスルーしていた単語だけど、これからの世界では結構重要になってくる気がしています。
今回は、web3.0のサービスや分散型アプリケーションのシステムに重要な意味を持つ「スマートコントラクト」について勉強してみましょう。
イーサリアムは「スマートコントラクト」があるからスゴイ?
暗号資産界隈では、よく「スマートコントラクトがイーサリアムの最大のメリットだよね」と言われているとか。
大丈夫ですよ、私も意味が分かりません(笑)
名前を聞いたことがあるという人も、具体的にどんなものなのか理解していないかもしれませんね。
一緒に仕組みを覚えて、息を吐くように自然にスマートコントラクトの単語が出てくるまでに成長しましょう(^^)
スマートコントラクトとは
イーサリアムの考案者が開発したスマートコントラクト。
もちろん元になっているのはブロックチェーン技術です。
簡単に言うと、人の手を使わずにあらかじめ契約していた内容に沿って実行するというシステムのこと。
つまり、プログラミングした通りに処理してくれるという便利な仕組みですね。
例えば、イーサリアムを売買する時のイメージをしてみましょう。
1ETHを売りに出す、買い手が購入の意思を示す、売り手が承認する、買い手が代金を支払う、売り手が代金を受け取る、売り手から買い手に1ETHが移動する・・・という手順が発生しますね。
この売買が毎日数百回行われるとなると、相当面倒くさいことになりませんか?(^_^;)
「洗濯していたらいつの間にか注文が入っていたわ・・・」
「すぐに買いたいのに、売り手から全然返事が来ない!」
という場合も想定されます。
既存の契約には必ず当事者双方がサインするなど、どうしても人の手が必要でした。
いちいち契約書を発行し、売り手と買い手の間でやり取りするのは大変です。
ネットで完結する契約も増えましたが、もっとスムーズに自動的にできないかということでスマートコントラクトが開発されました。
あらかじめ「毎月1日に1ETHを売買する」とプログラミングしておけば、当日パソコンの前で待機している必要はありません。
スマートコントラクトにより、あらゆる契約がスピーディーに自動的に行われるようになりました。
スマートコントラクトのメリットは?
ただの契約自動約定システムであれば、これほど期待されていなかったでしょう。
web3.0以前から、オートマティックなシステムは私たちの世界で当たり前でした。
例えば、ドリンクなどの自動販売機も、スマートコントラクトといえばスマートコントラクトです。
イーサリアムのスマートコントラクトは何がそんなにスゴイのかというと、ブロックチェーンによって構築されている点です。
つまり、契約内容が改ざんされるリスクが極めて低いということですね。
実際に取引された結果だけでなく、これから約定される契約内容までもがブロックチェーンに刻まれています。
プログラミングした契約内容は誰にも変えられず、最初の取り決めに従って自動的に実行されるのがイーサリアムのスマートコントラクトです。
これが紙の契約書だったら、誰かが偽物の契約書にすり替えて・・・ということもあり得ます。
私が最近観たサスペンスドラマでも、資産家が書いた遺言状が愛人の手によって改ざんされていました。
しかもそれには銀行の営業課長が共犯に加わっていたのです!
もしその遺言状がスマートコントラクトだったら、愛人や第三者の手が加わることなく自動的に遺産は愛娘の口座へ・・・。
スマートコントラクトによって約定される契約は、取引時間の短縮と人件費の削減が期待できるでしょう。
銀行に応用したら年間200億ドルが節約できる!?
スマートコントラクトによる契約が増えれば、私たちの世界はガラッと変わるかもしれません。
特に大きく変化するのは金融界や不動産業界、そして公的機関です。
今は貯金を下ろすのにも、いちいち銀行へ行ったりATMへ行ったりしなければなりません。
私と貯金の間には、銀行窓口のお姉さんやATM機器があります。
彼女たちが働いてくれなければ、私は自分のお金を取り出すこともできないのです。
しかし、スマートコントラクトのシステムを使えば、第三者を介さずにさまざまな取引が可能に!
銀行の場合、コストがかかるサーバーの設置が削減でき、人件費もかからなくなるので年間約200億ドルが浮くという試算になるそうです。
不動産取引もスピーディーに、大家さんのハンコをもらいに仲介業者が動かなくても良くなりますね。
私が最も期待しているのは市役所などの公的機関です。
住民票を取るためにわざわざ会社を休むなんて、本当にもったいないなといつも思っていたので(^_^;)
全てが自動化されれば、交付金の申請などがもっとスムーズになるのではないかと思います。
スマートコントラクトには使用手数料が必要
私たちの暮らしを便利にしてくれるスマートコントラクトですが、「ガス代」という厄介なものがあります。
まず、スマートコントラクトを使用するためには手数料の支払いが必要です。
これはイーサリアムの送金手数料とは別にかかり、両方合わせてガス代と呼ばれています。
よく「イーサリアムはガス代が高くて大変・・・」と言われるのは、スマートコントラクトの使用手数料が高くなっているという意味ですね。
スマートコントラクトのシステムに集められたデータが多くなるほど手数料の相場が高騰するため、イーサリアムはガス代が高くなりがちです。
スマートコントラクトの使い道は?
現在のスマートコントラクトは、主にweb3.0の世界で使われています。
実例を見てみましょう。
・DeFi
分散型金融と呼ばれる新サービスですね。
ブロックチェーンにより第三者を介さない金融取引が可能になりました。
これはスマートコントラクトによる決済が使われています。
・NFTゲームのアイテム売買
「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」というブロックチェーンゲームでは、ユーザー同士でアイテムの売買が可能です。
これにもスマートコントラクトが使われており、売り手と買い手が安全に直接売買できるようになりました。
・分散型保険サービス
「Etherisc(イーサリスク)」という保険プラットフォームでは、スマートコントラクトを利用したサービスが受けられます。
保険金支払い可否の判定から保険金の支払い処理まで、全てが自動化されました。
保険会社は人件費を削減でき、加入者はリーズナブルな手数料で保険サービスの利用が可能です。
スマートコントラクトの課題は?
便利なスマートコントラクトにも、欠点があります。
あらかじめプログラミングした内容に沿って取引を実行する仕組みになっているので、セキュリティ的には申し分ないのですが・・・。
それは「柔軟な対応ができない」と言い換えることもできます。
スマートコントラクトが導入されたサービスでは、ユーザー本人や開発者が希望したとしても途中で取引内容を変更できません。
もし、プログラミングした内容が間違っていたら、そのサービスを使っている以上永遠に間違った内容で取引が繰り返されてしまうということですね。
もともとのシステムに脆弱性が発見され、それを悪用した第三者によって多額の被害を出した事例もあります。
セキュリティの強化があだとなる場合もあり、まだまだ慎重さが必要な技術でしょう。
スマートコントラクトは便利なシステムですが、人の命に関わるような医療、防衛などにはまだ導入できない技術だと思います。
スマートコントラクトに限らず、システムのバグやセキュリティ面での脆弱性をいち早く見つけ、改良を重ねながらみんなが安心して使えるサービスにしなければなりませんね。
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