最近、ニュースでリップルが勝訴したとかなんとか言っていますね。
リップルってどっかで聞いたような・・・と思っていたら暗号資産のことでした。
暗号資産プロジェクトの運営実態によっては、当局や公的機関などから提訴される可能性があります。
法令に違反しているとか、規制に引っかかる取引だと主張され、裁判になるとプロジェクトの存続に影響を及ぼすでしょう。
今回はリップルの事例から、暗号資産業界が今後も成長していくためには何が必要なのか考えてみました。
リップルとは
暗号資産「リップル(XRP)」は、銀行間送金サービスを提供するアメリカの会社リップルが開発しました。
管理・運営団体がいるプロジェクトということで、中央集権型暗号資産といえます。
すでに上限いっぱいまで発行されており、そのうち過半数以上を発行団体であるリップル社が保有しています。
リップル(XRP)は、送金ネットワーク「リップルネット」で使用する暗号資産であり、新たな国際送金方法として確立されることを目指しているプロジェクトです。
リップル(XRP)のメリットは?
XRPは、送金がスピーディーなこと、手数料が安いことが大きなメリットです。
現在の主流は「SWIFT」という国際送金システムですが、安全性が高いものの送金にかかる時間が長くて手数料が高くなっています。
XRPは、SWIFTの課題を解決するために開発された新しいシステムで、将来的には多くの取引で使用される国際送金手段になる可能性があるでしょう。
また、BTCやETHの分散型暗号資産に対し、XRPは中央集権型なのでより高速な処理実行が可能になりました。
国内外問わず多くの暗号資産取引所で取り扱いがあるため、投資銘柄としても選ばれやすいと思います。
リップル(XRP)のランキングは?
2023年8月現在の時価総額で見ると、XRPはテザー(USDT)に次ぐ4位にランキングしています。
24時間の取引高ランキングでは5位につけていますね。
今後はもっと上位に食い込めるようになるかもしれません。
暗号資産の将来性について解説している取引所や投資家のサイトでは、XRPの評価がかなり高くなっています。
私が調べた限りですが、BTCとETH、そしてXRPはほとんどのサイトで「おすすめ銘柄」として紹介されていました。
その理由はやはり送金ネットワークで、今後もっと多くの取引場面で使用されることになると期待している声が多いです。
XRPは中央集権型の暗号資産なので、ある日突然プロジェクトが消えてしまうという可能性も低いでしょう。
「これから投資するならXRPだ」という意見には、私も納得しています。
リップル(XRP)のブロックチェーンは?
暗号資産を語る上で忘れてはいけないのが、どんなブロックチェーンを使っているかということです。
BTCなら「PoW(プルーフオブワーク)」、ETHなら「PoS(プルーフオブステーク)」のブロックチェーンが使われていますが、XRPは「PoC(プルーフオブコンセンサス)」になります。
これは事前に取引を承認する者を決めておき、その承認者からブロックチェーンに記録するデータのチェックをしてもらうという方法です。
承認者はリップル社が選出し、個人マイナーは取引承認ができません。
承認者が限定されることで瞬時に送金でき、第三者が関与しないので金融機関の国際送金にも使える安全性が高いシステムです。
また、この方法はコスト面でも大きなメリットとなります。
リップルネットワークを使った送金は、法定通貨だけでなく他の暗号資産と比べても低い手数料を実現しています。

リップル(XRP)はブリッジ通貨でもある
「ブリッジ通貨」とは、2種類の通貨の間に入って交換できる通貨のことをいいます。
XRPは、ブリッジ通貨としても利用されている暗号資産です。
例えば、日本円を米ドルに換えたい場合、両者を直接交換するよりXRPを間に挟んだ方が送金時間・手数料を削減することができます。
具体的に言うと、
①日本円をXRPに交換
②XRPを米ドルに交換
という手順になり、日本円と米ドルを直接交換するより一つ手間が増えます。
しかし、結果的にはXRPを経由した方が速く・安く交換できるという仕組みです。
なんだか不思議な話ですが、これにはシステム上の理由があります。
深く考えると難しくなってしまうので、とりあえずここではそれだけリップルネットワークが優秀なんだと理解しておきましょう(^_^;)
リップル(XRP)に何があったの?
順調に運営を続けてきたリップル社ですが、2020年12月に米証券取引委員会(SEC)に提訴されてしまいます。
SECの訴えによると、XRPは「有価証券」なのにリップル社は無登録で販売しているとのこと。
無登録の有価証券は販売しちゃいけないって言われちゃったんですね。
これに対しリップル社は、いやいやXRPは有価証券ではなく「通貨」ですよと反論しています。
国際送金のために開発された通貨の一種なので、株式や小切手のような有価証券とは違うというのがリップル社の言い分です。
裁判は思ったより長引いてしまい、2年以上経過しても判決が出されることはありませんでした。
その間にアメリカの大手暗号資産交換業者コインベースはXRPの取引を停止し、XRPの価格は大きく下落してしまいます。
ところが今年7月、事態は大きく動くことに!
米連邦地方裁判所は、リップル社が取り扱ってきたXRPのうち、個人向け販売については「有価証券ではない」と判決を下しました。
ただし、機関投資家向けが購入した分は、リップル社への期待を込めて投資した「有価証券」であると判断しています。
判決を受けてコインベースはXRPの取引を再開し、XRPの価格は前の日に比べて約2倍に高騰しました。
この判決は、今後の暗号資産取引についての法令・規制に大きな影響を及ぼすと考えられています。
世界が暗号資産の規制強化or規制緩和のどちらに動くか、これからの流れを決める一手になったかもしれませんね。
リップル(XRP)に続け!暗号資産の未来
XRPがある程度の成功を収めているのは、プロジェクトの内容が私たち一般人にもメリットがあることだからだと思います。
現在、海外に送金しようとすると時間とコストがかかるのが当たり前です。
暗号資産を扱っていると、別の通貨に交換するのって簡単なような気がしますが・・・。
現実的には、「米ドルがちょっと欲しいのよね」と思ってもすぐに調達することはできません。
日本国内で日本円を米ドルに換える場合、銀行窓口か外貨宅配サービス、金券ショップなどを利用する方法があります。
しかし、大手銀行でも窓口で外貨と交換してくれるサービスはほとんどありません。
外貨を家まで配達してくれるサービスは申し込み日に受け取れるわけではないため、急ぎの場合は困りますね。
金券ショップは近くにないことも多いでしょう。
暗号資産なら、ネット上で交換できます。
手元に現金を用意する必要もなく、スマホ一つで決済が可能です。
海外送金もネットワークを介して安全・スピーディーにできるため、今後は法定通貨より暗号資産でのやり取りが一般的になると考えられています。
XRPのネットワークなら、他の暗号資産と比べてもより高速な処理、リーズナブルな手数料が実現可能です。
このシステムは、グローバル化が進む世界の大きな力になるでしょう。
暗号資産の運営から見れば、これからの世界で生き残れる暗号資産を作るには「現在から未来まで役立つプロジェクト」が必要です。
では、私たち投資家は何をすれば良いか。
それはプロジェクトの実用性・将来性から暗号資産を評価することだと思います。
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