ビットコインの次は、イーサリアムで現物ETFが承認されると期待されています。
現物ETFが承認されてから、ビットコインの価格は思っていたより上がらなかったな~という人も多いようですが・・・。
イーサリアムは他にもアップグレードが予定されているため、今後数年で価格が大きく伸びるのではと予想されています。
今回は次期イーサリアムのアップグレード、「デンクン」について勉強していきましょう。
ブロックチェーンをアップグレードするってどういうこと?
まずは、イーサリアムをアップグレードするってどういうことなのか整理していきましょう。
イーサリアムに限らず、ブロックチェーンは少しずつ改良が加えられています。
その目的はブロックチェーンの問題点を解決すること。
例えばイーサリアムなら、ネットワークが混雑してトランザクションが遅延する「スケーラビリティ問題」が悩みの種です。
もともとイーサリアムは、1秒間に最大で15のトランザクションを処理できるといわれていました。
この高速処理こそがイーサリアムの売りだったのです。
ところがNFTブームやイーサリアム系のアプリケーションが人気になったことにより、ネットワークを利用するコンピュータが増えすぎてしまいました。
いくら高速処理が可能なイーサリアムであっても、キャパオーバーとなったわけですね。
処理が遅延するだけでなく、ガス代が高騰して「これじゃNFT取引なんてできないよ・・・」と考えるユーザーが多くなってしまいました。
OpenSeaでは、ガス代が高くなりすぎてNFTを買い控えたり、ガス代がNFTの値段以上にかかってしまったりと、不都合が生じることになります。
また、イーサリアムのトランザクションを承認するためのルールがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)だった頃、マイニングに必要なエネルギーが膨大すぎてエコ的な面でNGだと考えられるように。
このようなイーサリアムブロックチェーンの問題点を解決するため、トランザクションの処理方法などいくつかのシステムが変更されることになりました。
他のブロックチェーンでもシステムの改良が進められており、アップグレード(アップデートとも呼ばれる)として随時発表されています。
イーサリアムが経験してきたアップグレードは?
開発以降、イーサリアムブロックチェーンはいくつかのアップグレードを経験しました。
一番初めに行われたのが「The Merge」と呼ばれるアップグレードで、トランザクションの承認方法(コンセンサスアルゴリズム)が変更されています。
これまでマイニングによって取引承認されていたのをPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行し、イーサリアムの保有者の中から承認者を選ぶという方法に変更しました。
承認者はステーキングをしている者の中からランダムに選出され、報酬としてイーサリアムを受け取ることができます。
マイニングに比べてエネルギー消費量が少ないので、エコ的にも合格!というわけですね。
また、「The Surge」というアップグレードではシャーディング(トランザクションの承認者をグループ分けする)の実装により、処理速度が向上しました。
その他にも細かいアップグレードが行われていますが、高度な技術の話になるので割愛します。
生まれたばかりのイーサリアムと比べ、現在の姿はよりスマートになっていると考えられるでしょう。
しかし依然、処理遅延やガス代の高騰が起こるタイミングがあるので、完全体とは言えません。
世界中のユーザーを納得させるには、今後も引き続きアップグレードが必要になると思います。
「デンクン」で何が変わるの?
次にイーサリアムに予定されている「デンクン」アップグレードは、大規模な改変になると考えられています。
コンセンサスアルゴリズムのアップグレードは「Deneb(デネブ)」、実行機能のアップグレードは「Cancun(カンクン)」と名付けられ、その2つを合わせて「デンクン」という名称になりました。
何が変わるのかというと、まずはデータを一時的に保存するスペースを増やす「proto-danksharding(プロト・ダンクシャーディング)」が行われます。
これで処理遅延がより解消され、レイヤー2のロールアップにかかる手数料も削減できると期待されています。
デンクンが始まるのはいつ?
ブロックチェーンのアップグレードを行うのは開発者たちですが、その時期は直前まではっきりしないことも多いです。
デンクンは当初2023年中には実装されると言われていましたが、動きがないまま最後の月を迎えてしまいました。
2023年11月にはイーサリアムのカンファレンスが行われ、デンクンどころじゃなかったのかも・・・。
そもそもブロックチェーンのアップグレードには入念なテストが必要で、その結果次第では大幅に予定が遅れる可能性もあります。
これはしばらくアップグレードはないかも・・・と言われ始めた矢先、ようやくテストネット適用予定日が2024年1月17日に決まりました。
新年からスタートしたテストは、2月7日まで続きます。
この結果により、メインネットに実装される時期についても今後決まっていくでしょう。
今のところ上手くいっているかどうかは情報が入ってきていないので、私たち一般ユーザーは見守るしかなさそうです。
アップグレード前にしておくべきことは?
ブロックチェーンのアップグレードでは、変更前のイーサリアムとは別の新しい暗号資産が誕生することもあります。
これを「ハードフォーク」といい、元々の暗号資産とは互換性がなくなります。
ビットコインの場合、ビットコインキャッシュやビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンドなどの通貨が生まれました。
イーサリアムでもイーサリアムクラシックという通貨が誕生しており、デンクンでもハードフォークが行われる可能性があります。
あれこれ情報を探してみましたが、イーサリアムからまた新たな通貨が生まれるかどうかは分かりませんでした。
もし、ハードフォークによって新旧の通貨が分かれたとしても、旧イーサリアムが使えなくなるわけではありません。
旧通貨の保有数に応じて、新通貨がエアドロップされることもあります。
ただし、ハードフォークによって旧通貨の価格に影響が出る可能性が高いです。
アップグレードの直前や直後は、取引所がサービスを一時停止することもあるので注意してくださいね。
また、ハードフォークで生まれた新通貨をエアドロップで入手した場合、取得価額がどうなるのかも頭に入れておきましょう。
新通貨が上場されておらず、市場価格がついていなければ取得価額も0円と考えられます。
そのため、課税の対象にはなりません。
一方、新通貨が上場された後でエアドロップされた場合、または売却したり決済に使ったりした場合は一旦時価での取得が発生するため、課税対象になります。
ブロックチェーンのアップグレードが行われるという情報をキャッチしたら、ハードフォークがあるのか、新通貨がエアドロップされた場合所得はどうなるのかについて調べておいてくださいね。
1月下旬現在、まだデンクン実装についての具体的な日時や新通貨エアドロップなどの詳細な情報は入ってきていません。
今のうちにやっておくべきことはあまりないですが、これまでのアップグレードをいくつか調べておくと心構えができるかも。
アップグレード直前・直後は相場が急変する可能性もあるので、そのタイミングで大きな取引はしない方が良いでしょう。
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