暗号資産界隈では「○○トークン」という言葉が飛び交っていますが、それぞれの仕組みや使い道によって、さまざまな種類があることをご存知ですか?
トークンと一口に言っても、ガバナンストークンや独自トークン、ユーティリティトークンなど、数多くのタイプがあります。
デジタル資産として注目されているNFTも、トークンの一種です。
トークンの種類を理解すれば、さらに暗号資産について深く知ることができるでしょう。
今回は、トークンとは何か、トークンの種類には何があるのかを解説していきます。
トークンとは?
まず、トークンという言葉自体は暗号資産が生まれる前からありました。
「しるし」や「象徴」、「代用貨幣」などの意味があり、簡単に言えば何かの価値を示すものです。
お金もその一つで、例えばキャンディを買う場合、支払ったお金はキャンディの価値を示し、キャンディは支払った金額の分だけ価値があると判断できます。
トークンの考え方は紀元前8000年にはすでに存在していたとされ、世界最古のトークンは小さな粘土の塊だったとか。
農業が行われるようになると、保管している農作物の数と同じトークンを用意して倉庫内の在庫を把握したといわれています。
農作物を収穫するたびにトークンが「発行」され、消費するたびに「焼却(バーン)」するという感じでしょうか。
古代人が資産の数や価値を把握するために発明したトークンが、長い時を経て今の金融や暗号資産の考え方へとつながっていたのです。
トークン=暗号資産ではない
現実世界でも、トークンはさまざまな場面に登場します。
例えば、カジノで賭けるチップ、お店で配布されるクーポンや引換券もトークンの一種です。
また、近年セキュリティ管理のために使用されているワンタイムパスワードもデータにアクセスする権限を証明するためのトークンと考えられています。
プログラミングにおいても、コードの最小単位を「トークン」といいます。
具体的には演算子や定数などを表していますが、この業界ではトークンと呼ばれているのです。
むしろ暗号資産のことをトークンと表現するようになったのは歴史が浅く、多くの文章では全く違うものを意味する言葉になっているでしょう。
目にした「トークン」が何のことを言っているのか、文脈から解釈する必要があります。
暗号資産とトークンの違い
じゃあブロックチェーンや暗号資産関連の話をしている時に登場するトークンは全て暗号資産なのかというと、それも違います。
暗号資産は独自のブロックチェーンによって構築されていますが、トークンは既存のブロックチェーンを借りる形で発行されています。
つまり、暗号資産は基礎となるブロックチェーンのオリジナルコイン、トークンはすでに暗号資産を発行しているブロックチェーンを利用して作られたコピーコインという感じです。
例えばイーサリアム(ETH)という暗号資産は、イーサリアムブロックチェーンで作られました。
このイーサリアムブロックチェーンを使って、また新たにトークンを構築することができるのです。
イーサリアムブロックチェーンで作られたトークンは、「ERC-20」という規格になります。
例えばテザー(USDT)、USDコイン(USDC)、ポリゴン(Polygon)もイーサリアムブロックチェーンを利用して作られたトークンです。
オリジナルのETHは「暗号資産」、USDTやUSDC、Polygonはいずれも「トークン」と表現します。
カレンシータイプとアセットタイプ
暗号資産やトークンには「カレンシータイプ」と「アセットタイプ」があります。
カレンシータイプは発行枚数の上限が決められており、マイニングによって発行される暗号資産のことです。
ビットコイン(BTC)が代表的な銘柄で、カレンシータイプ=暗号資産とも考えられてきました。
ただしETHは現在マイニングではなくステーキングの仕組みを採用しており、発行上限が定められていません。
しかしイーサリアムブロックチェーンのオリジナルコインであることは変わらず、カレンシータイプではないけど暗号資産という特殊な例です。
アセットタイプは発行者が存在しており、発行者によって供給量を制限されています。
プロジェクトの資金集めとして利用される株式的な性質があり、こちらは「トークン」と表現されることが多いです。
例えばLOLLIPOP(ロリポップ)の独自トークン「ロリポップ(LPOP)」もその一つであり、プロジェクトの運営資金を募るために発行されています。
ロリポップ(LPOP)はバイナンスコイン(BNB)を構築したBNBチェーンを基に発行されており、この特徴からも「トークン」と呼ぶのが正しいでしょう。
ネイティブトークン=暗号資産
トークン=暗号資産ではないですが、「ネイティブトークン」という言葉は暗号資産と同じ意味を持ちます。
…ちょっとややこしいですよね(´;ω;`)
ネイティブトークンとは、ブロックチェーン独自のトークンのことです。
イーサリアムブロックチェーンなら、イーサリアム(ETH)がネイティブトークンとなります。
ネイティブの対義語を調べてみたら「非ネイティブ」とか「ノンネイティブ」と出てきましたが、既存のブロックチェーンから作られたトークンを「非ネイティブトークン」「ノンネイティブトークン」とはあまり言わないみたいです。
どう表現するのが一番分かりやすいか、まだ私にも分かりません(^_^;)
NFTとは
NFTとは、ノンファンジブルトークン(代替不可能なトークン)のことです。
つまりトークンの一種というわけですが、ここでちょっと冒頭の「トークン」の意味を思い出してみましょう。
暗号資産界隈に関わらず、トークンとは何かの価値を示すものでした。
キャンディ1つに対し、支払った100円がトークンです。
この100円は、A君が持っていても、Bさんが持っていても同じ価値を持っています。
お店の人はお金さえ払ってもらえば、A君だろうがBさんだろうが、誰にでもキャンディを売り渡すでしょう。
でも、もしお店の人が「A君がおじいちゃんからお小遣いでもらった、昭和50年の100円玉じゃないとダメだ」と言ったら?
Bさんは100円を持っていてもキャンディを買うことはできないし、A君が持っている他の100円玉でもキャンディは買えません。
この場合、お店の人が指定した100円玉は、替えの利かないお金=ノンファンジブルトークンであると考えられるのです。
100円玉硬貨を偽造するのはかなり難しいですが、デジタルデータは簡単にコピーできてしまいます。
しかし、デジタルデータにブロックチェーンによって「世界でたった一つのものである」という証明をつければ、本物と偽物が区別することが可能です。
一般的に、NFTとは唯一無二であるとの証明をつけた「デジタル資産」を意味しています。
「代替え不可能な」という定義から言えば100円玉硬貨でも良いのですが、現実のモノとブロックチェーンにつなげるわけにはいかないので(笑)
よく聞くトークンの種類を一挙解説!
トークンには、次のような名前もよく聞かれます。
簡単に意味を解説しておきますね♪
ペイメントトークン
決済に使うことができるトークン
ステーブルコイン
法定通貨や暗号資産と価格が連動するよう設計されたトークン
ユーティリティトークン/ファントークン
会員権を証明し、限定コミュニティへの参加など実用性のあるトークン
ガバナンストークン
コミュニティやDAOなどの運営に参加する投票券として使用されるトークン
トークンの呼び方はまだまだたくさんあります。
全て覚えるのは大変なので、表現方法の一つとして聞き流す(読み流す?)のが一番です。
よく出てくるものは一度しっかり意味を調べておくと、情報収集の際に役立ちますよ♪
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