ブーム再燃?オワコン?2024年のメタバースが盛り上がるために必要なこと

考える メタバース

LOLLIPOP(ロリポップ)のX公式アカウントでは、さまざまなメタバースプロジェクトを紹介しています。
投稿を見ていると魅力的なメタバースプラットフォームがたくさん登場しているんだなと感じますが、実は2023年までに全体の91.9%のメタバース事業が失敗に終わっているそうです。
この数字は取り組みの成果が判明している企業のみを対象に算出したものであり、実際はもっと多くのメタバースプロジェクトが破綻しているのかもしれません。
今回は、メタバースは本当にオワコンになってしまったのか、2024年以降はどうなるのか調べてみましょう。

これから盛り上がる!と言われていたけど…

私も、2024年はメタバースプロジェクトが続々誕生して再ブームを巻き起こす!と思っていました。
これは確かに多くの専門家が予想していることであり、さまざまなメディアで「メタバースに期待大!」と紹介されています。
しかし、これまでの結果だけを見ると、メタバース事業で上手くいった例はそれほど多くないようです。
メタバースに失敗したと答えた企業の多くは、仮想現実を利用したビジネスをやろうとしたものの社内会議の段階で断念したといいます。
メタバースという言葉に魅了され、大きな可能性を感じ、「自社でも何か新しいことを始めてみよう!」…と思ったところで終わってしまったという具合でしょうか。
そもそもITに全く詳しくない企業が見切り発車でスタートしてしまった例もあり、専門的な知識や技術が不足していたのも原因の一つと考えられます。
また、メタバースに対する需要があまり高まらなかったとも言えるでしょう。
メタバースゲームじゃなくても面白いコンテンツはいくらでもあるし、VR機器は高いし、今の世の中にどうしても必要でないと判断された結果かもしれません。

2023年メタバース失速の原因は?

メタバースのブームが冷えてしまったのは、各企業の失敗だけが原因ではありません。
2023年はChatGPTをはじめとする生成AIが話題になりましたよね。
文章を作成したり、写真とそっくりのリアルなデジタルイラストを生成したり、世界を変える大発明が私たちを驚かせました。
早速ChatGPTに自分の仕事を手伝ってもらおうとする人も増え、SNSにはAIメーカーを使ったイラストがあふれています。
社会的に「メタバースより生成AIの方が使える!」という雰囲気が高まり、世間からメタバースが忘れ去られたというのもブームが下火になった原因の一つでしょう。
有名ブログの記事やネットニュースの画像にもAIが生成したグラフィックが使われ、なかには本物かどうか判別するのが難しいような写真風デザインも…
生成AIで作った方が現実のものを撮影した写真を用意するより早いし、希望のデザインが手に入ります。
それではメタバースはどんな世界になっているかというと、現実世界と見間違えるようなリアルさはありませんよね。
数十年前からそれほどクオリティが変わらないアバター、素人でもちょっと勉強すれば作れてしまえそうな3Dグラフィックなど、意外と目新しいものはないと気付きます。
FacebookがMeta(メタ)と改名して多くの人が期待したけど、彼らが作ったメタバースはとてもじゃないけど納得できるものではありませんでした。
マイクロソフト社は仮想ワークスペースのプラットフォームを閉鎖し、ディズニーもメタバース部門を消滅させています。
その他の企業でもメタバース事業に関する人材の大規模なリストラが相次ぎ、数万人のクリエイター、エンジニアが職を失う結果となりました。
投資においてもメタバース業界に対する視線は冷ややかで、VR技術の開発も停滞しています。
もっと盛り上がるには、メタバースが生成AIの技術を活用してよりリアルな世界を描けるようになるか、メタバースにしかできないことを見つける必要があるでしょう。

2024年以降のメタバースはどうなる?

現在、メタバースを楽しむにはヘッドセットなど、専用の機器を導入する必要があります。
技術が進めばメガネやサングラス、小型のイヤホンのように軽量で目立たないデバイスも開発されるようになると思いますが、現時点では重くてゴテゴテした形状のものがほとんどです。
また、長時間の利用でVR酔いを訴える人も少なくないようで…
数分間のメタバース散策で参ってしまうなら、面白いと感じる前にやめてしまうでしょう。
これからのメタバースが盛り上がるには、まずVR機器を軽量化し、疲労感の少ない画期的なデバイスを開発する必要があります。
VR機器導入のコスト削減も、急務となりそうですね。
新しいモノ好きの一部のお金持ちしか買わないようなデバイスなら、私たちには関係ないと考える人も多くなると思います。
メタバースにはECサイトやSNSなどのWebサービスを拡張する技術だといわれているので、そのあたりの技術との共同開発も成功のカギとなるでしょう。
現時点でメタバースの将来性を判断することはできず、すでにオワコンになったとも、まだチャンスがあるとも言い切れません。
ただ、すべての企業がメタバースを諦めたわけではなく、これからメタバース事業に乗り出すスタートアップ企業もあります。
投資するかどうかは慎重に判断する必要がありますが、私はメタバースの未来に期待することは無駄ではないと思っています。

メタバースが社会にもたらす意味とは

生成AIは、これからの社会であらゆるモノの役割を奪う存在になるといわれています。
さまざまな仕事を人間に代わってAIが行うようになり、既存のシステムや設備がAIによって最適化されるでしょう。
もはや現実世界に存在させる意味がないと判断されるモノも多くなって、多くのことがデジタルな世界で事足りるようになるかもしれません。
この世界をすべて仮想のモノに作り変えてしまう力が、生成AIにはあります。
でも、たった一つだけ、AIには作り出せないモノがあるのです。
それは人と人との関わりで生まれる、感情や文化だと私は思います。
例えば仲の良い友達と過ごす時間、助け合い励まし合う温かい人の輪など、人間にはコミュニティが必要です。
生成AIがどれだけリアルな美少女の画像を作れても、その子は現実には存在していません。
AIは人と話したり、人の問いかけや行動にリアクションしたりできるかもしれませんが、そこに本物の人間同士のつながりは生まれないでしょう。
しかしメタバースの場合は、仮想空間に私たち人間のためのコミュニティを構築できます。
遠く離れた場所にいて直接会って話せない友人とも、メタバースで一緒に過ごすことができるのです。
それぞれのデバイスを通じ、まるで同じ空間にいるかのような感覚で交流できる…それがメタバース最大のメリットでしょう。
たとえ使用するアバターが生成AIによって作られたものであっても、人間が操作している以上、私たち生身の人間と同じ感情を持っているのです。
本物の人間が利用する仮想空間だからこそ、新たに生まれる文化もあるのではないでしょうか。
例えば同じアニメを愛するファン同士が面白いイベントを企画したり、オフ会を開催したりすることもできます。
生成AIでドストライクな美少女を作って一人でニヤニヤするのも良いけど、やっぱりオタク同士、好きなモノについて語りたい!という人も多いはず。
メタバースは、人間だからこそ面白いと思えるようなコンテンツを作り出すことができる技術なのです。

これからのメタバースは、とにかくVR機器を軽くして、装着していても恥ずかしくないものにするべき!!
メタバースゲームはそりゃ面白いんだろうけど、あのデカいVRゴーグルをお迎えする勇気が持てません(笑)

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