NFT市場は2021~2022年頃から急速に投資・クリエイター人口を増やし、暗号資産とともに新たな時代を創る新技術だともてはやされました。
しかし2023年後半になるとNFTの勢いは失速し、有名コレクションも売れ行きが怪しくなっていきます。
新規参入クリエイターがほとんど稼げないような状況も続き、NFTから離脱する人も多くなりました。
しかし2024年は暗号資産に再びブームが到来し、その影響を受けてNFTにも光が当たるといわれています。
今回は、NFTを利用したビジネスにはどんなものが考えられるのか調べてみましょう。
NFTって?
NFTとは「Non-Fungible Token」、つまり代替不可能なトークンのこと。
これはもう今の時代、頭に叩き込んでおくべき基礎中の基礎ですね。
簡単に言えば、唯一無二の存在であることを証明されたデジタル資産です。
ただのデジタルデータはいくらでもコピーが可能で、オリジナルとコピーを区別するのは難しいでしょう。
いっぽうNFTはそれぞれに固有アドレスが割り振られるため、全く一緒の見た目をしたデジタルデータでもオリジナルとコピーを識別することができます。
たとえコピーをNFT化したとしても、オリジナルのNFTとコピーNFTではブロックチェーンアドレスが異なるのです。
デジタルデータをNFT化することを「Mint(ミント)」といい、日本語にする場合はNFTの「発行」とも呼ばれます。
こちらも良く出てくるワードなので、よく覚えておいてくださいね。
NFTにできるものは、画像や動画、音楽、メタバース内の土地などさまざまなものがあります。
基本的にデジタルデータであれば何でもNFT化が可能ですが、NFTをMintするために使うプラットフォームによって対応している規格が異なります。
例えばOpenSeaは仕様変更によって音楽データのNFT化ができなくなったようです。
NFTクリエイターになりたいと考えている方は、どんな種類のNFTが作れるか各プラットフォームでご確認ください。
NFTビジネスって?
NFTを利用した営業活動を「NFTビジネス」と言うこともあります。
例えばNFTを発行してマーケットプレイスで販売したり、購入したNFTを転売したりするのもNFTビジネスに当たる行為です。
そのほか、NFTコレクションを運営してフィジカルな関連グッズを販売する、NFTゲームのアプリを配信して利用料金を集めるという事業者もいますね。
個人でもNFT売買や投資で稼ぐことができ、NFTビジネスに乗り出す企業も増えています。
単純にNFTを売って利益を得るというものから、NFTの技術を応用してさまざまなプラットフォームを開発するという大規模なプロジェクトまであらゆるビジネスが考えられます。
個人クリエイターとしてNFTを売るならNFTプラットフォームやNFTマーケットプレイスを利用するだけで簡単に始められるでしょう。
しかし、NFTゲームのアプリを立ち上げてAppStoreで売りたい、NFTのアイテムを取引するマーケットを展開したいという場合はそれなりの技術とハイスペックなコンピュータが必要になるかもしれません。
ただモノを構築するだけでなく、多くの人の心を掴むマーケティングや広く魅力を伝えるための周知活動に努める必要もあります。
NFTビジネスで儲けたい!活用事例をチェック
すでに始まっているNFTビジネスには、次のようなものがあります。
アートをNFTとして販売する
アーティストやクリエイターが自身の作品をNFT化し、デジタルコンテンツとして販売する方法です。
フィジカルな作品でも有名になっているアーティストであれば、NFTとして売るのが初めてでも簡単に売れてしまうかもしれません。
NFTの購入特典として原画をプレゼントする作家もいて、購入者はデジタルな作品と物理的な作品の両方をゲットできます。
NFTとして受け取った作品はデジタルデータと本物であるという証明の2つの意味を持ち、メタバースに飾ったり、SNSのPFP(プロフィール写真)に設定したりすることも可能です。
PFPに設定している画像がどこかのサイトから引っ張ってきたコピー画像ではなく、NFTとして取得したデータだと分かるような表示方法(Xはプレミアム版で設定できる)も選択できます。
有名なコレクションがPFPに設定されていると、プロフィールへのアクセスが増えるというデータもあるそうです。
PFPに設定する目的でNFTを探している人は、より知名度のあるNFTを求めるでしょう。
純粋にデザインが気に入って購入を決める場合もありますが、より売り上げを伸ばしたいなら誰もが知る人気クリエイターになる必要があります。
価値あるNFTアートと認められれば、高額で取引されることも…!
初めはとにかくたくさんの人に買ってもらうため、リーズナブルな価格で売る場合もあるでしょう。
作品が売れるようになってから価格を上げることもでき、二次流通によるロイヤリティが受け取れる可能性もあるので焦る必要はありません。
イベントチケットのNFT販売
ライブの入場券など、イベントの参加権利はこれまで紙のチケットで販売されていました。
最近は専用アプリやファンクラブサイトのマイページなどにQRコードを表示し、これを当日会場で提示してもらって入場管理を行うという方法もありますが…
紙からQRコードになったからといって、参加権を不正に取得したり、本来参加権のない者にQRコードをコピーして渡したり、偽造・転売のリスクが軽減されるわけではありません。
イベントチケットをNFT化すれば、簡単に購入・転売履歴を追跡することが可能になります。
転売不可の設定をしておけば、転売ヤーも撲滅できるでしょう。
イベントチケットをNFTとして売るプロダクション、イベント運営会社も増えています。
あらゆるジャンルのチケットを取り扱う企業がNFT技術を導入することによって、安全・安心なイベント運営が可能になるはずです。
NFTプロジェクトを運営する
すでに物理的アートを展開している作家が新たにNFTを売るのではなく、初めから「NFTアーティスト」としてデビューする人も2021~2022年頃に多く見られました。
OpenSeaでは「コレクション」を立ち上げ、そのコレクションのなかに一つひとつの作品を配置するという方法でNFTが発行されます。
クリエイターによって1つのコレクションを運営する人もいれば、複数のコレクションを使い分けている人もいます。
コレクションごとに活動の目的やコンセプトを分け、それぞれ「プロジェクト」として立ち上げる場合も少なくありません。
例えばCrypto NinjaというNFTプロジェクトは、他にCrypto Ninja Partners(CNP)やCNP Jobs(CNPJ)というサブコレクションも設立しました。
それぞれが独立したプロジェクトとして運営されており、独自の商品開発やマーケティング展開が進められています。
初めは小さなプロジェクトでも、作品が売れるようになっていけば大きく成長させることが可能です。
クリエイター1人では難しい場合、プロデューサーやマーケター、マネージャー、エンジニアなどのチームを組むのも良い方法かもしれません。
たくさんの技術者と協力し合えば、アニメ化やグッズ販売、イベントの企画など、できることが広がるでしょう。
そのほか、NFTゲームの開発や運営といったビジネスを展開している企業もあります。
個人でNFTゲームを立ち上げるのはなかなか難しいですが、メタバースゲームならプラットフォーム上で簡単にミニゲームを作れるみたいですね。
まずはNFTを1つ発行してみて、本当に売れるのか試してみたいと思います。
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