NFTの第二次ブームに乗れるか!?クリエイターが考えておくべき次なるトレンドとは

NFT

2021~2022年にブームとなったNFTですが、2023年以降は低迷期が続いています。
超高額NFTコレクションのBored Ape Yacht Club(BAYC)ですら、2024年4月にピーク時の10%まで下落し、2021年8月以来最低価格をマークしてしまいました。
アーティストやクリエイターにとってのNFTは、効率良く稼げて自身の知名度を上げることもできるビジネスモデルの一つです。
しかし、これからはただのアート作品で戦っていくのが難しい時代になるでしょう。
今回はクリエイターの目線から見た、次なる時代で期待できそうなNFTジャンルについて調べていきたいと思います。

NFTの基本知識をおさらいしよう!

NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーンによって唯一無二の存在であると証明されているデジタル資産のことです。
暗号資産は一枚あたりの価値が同じで、例えばAさんが持っているビットコインもB君が持っているビットコインも同じトークンと考えることができます。
NFTの場合は一つひとつが全く別のものとして存在しており、この世に同じものが存在するということはあり得ないというのが原則です。
たとえコピーして全く同じ見た目のNFTをもう一つ作成したとしても、オリジナルとコピーは別々のブロックチェーン番号が振られ、個別のものとして存在します。
これは作者の著作権を守ることにもつながり、作成したNFTを第三者に売ったり譲ったりしても、そのNFTの著作権は作者自身に残ります。
NFT取得者が作者の意図に反するようなデザインに改変して自分のコレクションとして発行したり、NFTのデザインを使って勝手にグッズ化したりすることはできません。
いっぽうNFTとしての所有権は取得者に移り、それをどう扱うかは基本的に取得者の自由です。
多くのNFTは転売が可能となっており、発行者が「転売不可」の設定をしない限りは自由に売買される対象となります。
ただし、転売される度に最初の発行者にロイヤリティが入る仕組みになっているNFTプラットフォームもあるので、「売ってしまったら終わり」というわけではありません。
むしろ二次流通、三次流通とつながっていくことで収入が増え、コレクションの知名度が広がっていくというメリットもあるでしょう。
NFTクリエイターにとって、自身の作品が多くの人によって売買され続けていくのが理想の形といえるかもしれません。

「ただのNFT」が売れていた時代

NFT市場が盛り上がっていた頃は、無名のクリエイターや素人同然のイラストレーターでも一発当てるこチャンスがありました。
トレンドに乗って人気コレクションの仲間入りをした作品も数多く、大きくスベらなければ大体売れるという「NFT狂」時代だったと思います。
一定の収入を得たクリエイターのなかには、「売れるメソッド」をブログやSNS、オンラインサロンなどで公開して、さらに稼ぐ強者も。
当時はアート性よりもキャラクター性が高いものが人気で、コレクターは購入したNFTを自身のSNSアイコンにしたがりました。
メタバースに飾って楽しむこともできましたが、私が知る限り、SNSアイコンにして自慢するか、NFTコミュニティやDAOで自分の地位を示すために使っていた例が多かったと思います。
そのため、「アイコンに設定した時に見映えが良いデザインが良く売れる」という現象が起きていました。
また、BAYCやCryptoPunkなどの世界的に有名なコレクションを模倣したようなデザインのNFTも大量に発行されています。
どう考えても便乗商法でしかありませんが、こうした作品も投資の面で見れば有益ということなのか、結構売れていました。
2022年まではとりあえず売ってみたら1つくらいは買ってもらえるかも、ある程度トレンドを抑えれば人気が出るかも、SNSでの宣伝活動やエアドロ企画を頑張れば大金を稼ぐことができるかも!という時代だったのです。
しかし、NFT業界から一歩離れてみれば、
「このアートがNFTでなければならない理由は?」
「本物であると主張するために、いちいちブロックチェーンの話をするの?(笑)」
などと冷めた目を持つ人もたくさんいました。
NFTの第一次ブームがあっけなく終わってしまったのは、当時のNFTにアートとしての価値が足りなかったからではないでしょうか。
いっそ投機商品として振り切ってしまえば良かったのかもしれませんが、リーズナブルなNFTが多すぎたことも原因の一つだと思います。
「格安で売ってとりあえず数千円稼げれば良い」というお試し気分、弱気なクリエイターも多かったですよね。
また、「買います企画」などと称して、クリエイター同士で仁義的な売り買い、つまり「あの人が買ってくれたから、私も買ってあげよう」的な仲良しごっこが繰り広げられていたのも、今となっては悪習だったのかなと思います。
NFTの本来の存在意義を生かし切れていない作品が増え、真価に見合わない取引が行われたことが、デジタル資産としてのNFTの価値を下げたと考えられるでしょう。

2023年以降はアート性を重視!進化したNFT

2022年後半から、人気コレクションも徐々に売れなくなります。
業界内だけとはいえ、ある程度の知名度を持つクリエイターも廃業するケースが増え始めました。
その理由として
「本業が忙しくなったから」
「他にやりたいことが見つかったから」
などと話す人もいましたが、おそらくほとんどのクリエイターはNFTの可能性を見限ったのかな、と思って私は見ていました。
生き残った人気クリエイターのなかには、誰でも売れるOpenSeaから認証クリエイターだけが出品できる日本のマーケットに移る人も…
日本ではまだNFTがそれほど浸透していなかったので、2021年当時のブームを知らない新規参入者をターゲットにしようという魂胆があったのかもしれません。
ともかく、何らかの形でクリエイターを続ける決意をした者たちは、第二次ブームの到来に向けて動き出します。
以前と大きく違うのは、出品されるNFTの趣向が変わったこと。
かつてはポップでキャッチ―なアイコン風デザインが多かったのですが、2023年に入ると繊細なデザインの絵画風イラストが増えていきます。
日本のアニメを彷彿とさせる美少女キャラクターや、生成AIを使った微細でリアルな風景画など、2021~2022年当時と比べてNFTのアート性が高まりました。
単純なイラストをリアルな3Dメタバースに飾ると、どうしてもちぐはぐというか、メタバースの無駄遣いだなという気がしていたのですが(^_^;)
最近人気のアーティスティックなNFTは、これぞメタバースにふさわしい!といった美しいデザインのものが多いです。
市場が冷え込んでいるので、どんどん売れているというわけでもないのですが、希望が見えてきたかなと思える程度の小さなブームは時々起こっています。
この短期トレンドがもっと長く続けば、NFTの第二次ブームにつながっていくでしょう。

可能性は無限大!?今話題の「NFT×○○」

NFTとして存在しているのは、アートとしての作品だけではありません。
メタバース上で繰り広げられるNFTゲームや、現実世界で行う運動と組みわせてお金を稼ぐMove-to-earn、音楽データをNFT化する例もあります。
最近はNFTとファッションの融合に注目が集まっており、有名ハイブランドがあらゆるプロジェクトを立ち上げています。
例えばバーバリーは、NFTゲーム「Blankos Block Party(ブランコスブロックパーティー)」の運営会社と提携し、同ゲーム内で使えるキャラクターやアクセサリーをNFTとして発売しました。
日本のデザイナーが手掛けるアンリアレイジも、細田守監督作品「竜とそばかすの姫」とコラボしたデジタルルックNFTを発行しています。
NFTに何かを組み合わせれば、その可能性は無限に広がっていくでしょう。
もはやただのデジタルアートでは不十分で、次なるトレンドを形成するにはあらゆる分野とのコラボが必要だと考えられています。

 

NFTはまだ終わってない!
2024年にブームを巻き起こすには、クリエイターが価値あるNFTを発行しなければなりません。
これからは、画期的なアイディアだけでなく、「NFTであることの意味」を見出すことが求められる時代になるでしょう。

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