最近のNFTマーケットを見てみると、AIによって自動生成されたイラストが多く出品されています。
XやInstagramなどのSNSにもAIっぽい画像がたくさん投稿されており、毎日のように見ていると「これはAIが作ったな」と分かるようになってきました。
今回はAI×NFTでどんなことができるか、AI生成の注意点についても考えてみましょう。
AIで人間が想像する世界を創り出せる?
生成AIを使ってデジタルアートを描く場合、人間は「こんな絵を描いて」と指示を出すだけで良いのです。
私も試しに無料のアプリを使って「瓶の中に小さなアルパカが入っている」と指示してみました。
すると、テーブルの上に置かれた瓶の後ろに普通サイズのアルパカが立っている画像が表示されました。
AIは瓶の中に入るほど小さなアルパカの情報を持っていないので、とりあえず後ろに立たせてみたんでしょうね(笑)
今度は、「体長5センチのアルパカが瓶の中に入っている」と指示すると、なぜか女の子が現れてアルパカの横に立ち、手には瓶を持っていました。
アルパカは相変わらず大きいままだし、指示していない女の子はどっから出てきたの(^_^;)
生成AIアプリの性能によっても成功率は異なりますが、思い通りのイラストを描くには、AIが正しい結果を出せるような指示を出さなければなりません。
絵を描く能力やセンスがなくても繊細でリアルなアートを作れる一方、人間がイメージしたものを生成させるにはAIに関する知識と技術が必要なのです。
AI画像でNFTを作成するのはアリ?
AIでデジタルアートを生成することはできるけど、それをNFTにして売るのはルール上問題はないのでしょうか。
結論から言うと、AI生成画像をNFTとして売買することは可能です。
すでにOpenSeaなどのマーケットではAIアートのNFTが多数出品されており、取引も活発に行われています。
2022年頃までは人間が作成したイラストが圧倒的に多かったのですが、2024年現在はAIイラストを出品しているクリエイターも当たり前に見られるようになりました。
ただし、時価総額上位のコレクションを見てみると、AIイラストはなかなかランキングに食い込んでいない様子…
SNSではたくさんいいねをもらっているものの、「誰でも作れるAIイラストをわざわざ購入するか?」という声がまだまだ多いようですね。
AI画像をNFTにして売るのはダメではないけど、芸術性が高くて独自性があり、同じような画像は他にはないと証明しなければ「売れる」というところまでいけないのかもしれません。
AI生成NFTの著作権はどうなる?
AIに指示を出してイラストを生成させる場合、AIはインプットされている情報から材料を集めて結果を導き出します。
そのAIがどんな情報を持っているかによって違いますが、簡単に言うとパソコンで検索して出てくるような画像のデータは全て材料になると考えられるでしょう。
例えばリンゴを描いてくれと指示した場合、誰かが3Dで作成したリンゴの画像やリンゴ農家やスーパーのホームページに掲載されているリンゴの写真、SNSにアップされたリンゴのイラスト、有名画家の描いたリンゴなど、ありとあらゆるリンゴの情報を参考にします。
どんなリンゴを描くかは人間の指示次第で、「ポップなイラスト風」、「リアルな皮の表面」、「ジューシーな断面」などの指示を加えればそれに沿った画像を導き出すのです。
こうした指示はその人独自の考え方によるものだから、AIが生成した画像は指示を出した人の著作物になると思う人も多いでしょう。
しかし、材料となったデータはこの世にある全ての「リンゴ」です。
参考になったリンゴの画像を作ったのはAIに指示を出した人ではなく、もはや誰が作った画像だったか特定するのも難しいですよね。
こうなると、AIが生成した画像に著作権を主張するのは現実的ではありません。
そのため、一般的にはAIが生成した作品には著作権が生じないとされる場合が多いようです。
ただし、AIが生成した画像同士を組み合わせてもう一つのアートを作ったり、色や形を人間側が変化させたりして製作過程に人間の創意工夫が加わったと認められる場合は、その部分のみ著作権が生じる可能性もあります。
AIイラストはその旨を明記するべき
そのイラストがAIで生成されたものか、それとも人間の創意工夫をAIが具現化したものなのか、その線引きは曖昧です。
誰が見ても「あのアーティストのリンゴだ」と分かるような画像だったら、AIアートを生成した人ではなく、もとになったリンゴを描いたアーティストに著作権があるとも考えられるでしょう。
そのため、AIで生成したイラストをNFT化して売る場合は、慎重に著作権のリスクについて考えなければなりません。
現時点では法的な問題はなく、マーケットプレイスでも売買できますが、それがAIによって生成された画像だと明確にするのがマナーだとされています。
例えばNFTの詳細ページに「AIアート」という文字を入れるとか、作品名に「AI」を含めるとか、どんな表記にするかはクリエイターの自由です。
明らかにAI生成だと分かる場合も、念のため明記しておくべきだと思います。
AIアートか人間の創作物が不明瞭な場合、「AIによる生成」だと表記しないと購入者をだましていると誤解されるおそれもあるでしょう。
「AIだったら買わない」という人も少なくないため、どっちか分からない状態の方が売りやすいかもしれませんが…
クリエイターとして信頼されるには、誠実さが大切です。
AIアートのコレクターもいるし、AIはますます注目が集まる最先端の分野なので、AI生成だと明確にすることは新たなファンを増やすきっかけにもなるでしょう。
AIアートはNFT市場で不人気?
NFTとして販売されているアートコレクションのほとんどが、ジェネラティブなイラストです。
これはAIとは違い、さまざまなパーツをプログラム化して組み合わせ、何万通りものキャラクターを自動生成していくというアートですね。
AIのようにインプットされた情報を参考にして全く新しいイラストを描くのとは違い、あらかじめ用意されたイラストを組み合わせるだけの製作方法です。
OpenSeaの時価総額上位にはジェネラティブNFTがたくさんランクインしていますが、明らかにAIアートだと分かるようなコレクションは見つかりませんでした。
もしかしたらAIによって生成されたものがあるのかもしれないけど、ランキングを見る限り、AIっぽいイラストはまだ市場に受け入れられていないようです。
ボクセルアートやピクセルアート、単純な線画など、PFPに使用されるようなアイコニックなコレクションもまだまだ多くランクインしています。
AIアートがNFTマーケットで人気になるには、もう少し時間がかかりそうですね。
やはり「(絵心がなくても)誰でも生成できる」という点が、なかなか売れない原因になっているのだと思います。
AIアートを生成するツールは?
AIアートは、専用のツール「AIアートジェネレーター」を使用すると生成できます。
無料のアプリもあるので、試しに使ってみるのもアリ!
初心者におすすめなのが、「ゲーム風」「3D」「美少女アニメ風」などカテゴリ別のスタイルから選ぶだけのアプリです。
細かい指示はテキストを入力してAIに説明してあげれば良いだけなので、プログラミング技術がなくても生成できます。
動きをつけられるアプリもあるので、ぜひ探してみてくださいね♪
最近のAIアートは、どれも似たような画像が生成されているな~と感じます。
整いすぎている顔面、スタイル良すぎな美女、イケオジすぎる中年男性の写真はAIによって生成された画像かもしれません。
アートとして楽しむのは良いけど、マッチングアプリで見かけたら要注意ですよ(笑)
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