自治体がNFTプロジェクトを立ち上げる事例も少しずつ増えていますね。
今年10月1日から、福島県のJR只見線で「縁結びNFT」を発行することになったそうです。
会津川口駅から只見駅間は2011年7月の新潟・福島豪雨で被害を受け、2022年10月まで不通となっていました。
全線復旧してから2周年の節目ということで、2024年10月1日から各種イベントが企画されています。
今回は、JR只見線の縁結びNFTについて深掘りしてみましょう。
JR只見線の縁結びNFTとは?
Reboots合同会社により、国内最大級NFTマーケットHEXAから発行される「JR只見線 縁結びNFT」。
福島県只見町のほか、日本縁結び学会や「縁結び×デジタル」事業を行っているというMITSUISHI Design合同会社の協力のもと、意匠権を持つJR東日本企画による許諾を得て発行されるNFTです。
デザインは電車の切符を模しており、車両番号と座席番号をモチーフにした連番も振られています。
旅行の記念に切符を取っておく人もいますが、これなら失くすこともなくずっと保管しておけますね。
福島県只見町の全面協力によって、NFT保有者は町内にある店舗で特典を受け取れます。
販売収益の一部は、年間約3億円にもなるJR只見線の維持運営費用に充てられるとか。
この費用は福島県や会津17市町村が負担しており、NFTの購入者はJR只見線への寄付を通して自治体の支援ができるというプロジェクトでもあります。
次で詳しくご紹介しますが、NFT保有者は温泉入浴料が割引になったり、ドリンクが無料になったりと嬉しい特典も。
特典内容は今後追加される予定もあるそうなので、ぜひ注目してみてください。
JR只見線 縁結びNFTの特典をチェック!
2024年10月現在で提供されている特典は次の通りです。
季の郷湯ら里
ナトリウム塩化物硫酸塩温泉の「深沢温泉」が堪能できる温浴施設です。
NFT保有者は日帰り入浴料大人700円が500円に、レストランで食事をするとソフトドリンク1杯が無料になります。
森林の分校ふざわ
廃校になった小学校を再利用した、山村の暮らし体験施設です。
沢を散策したり、森をトレッキングしたりするアクティビティのほか、農業体験や雪かき体験もできます。
教室として使われていた部屋に宿泊もでき、都会の子ども達にも人気です。
NFT保有者は宿泊料が5%割引か、無料体験のいずれかを選べます。
只見インフォメーションセンター
福島県只見町の観光案内所です。
おみやげ、軽食も販売しており、登山や自然散策のガイドも行っています。
周辺の観光スポットについても教えてくれるので、只見町へ旅行に行く際はまず初めにここを訪ねるのがおすすめです。
NFT保有者は、2000円以上商品を購入するとコーヒーかソフトドリンク1杯が無料になります。
今回ご紹介した特典は、2024年12月末まで受け取れます。
特典内容は随時更新されるので、公式サイトにてご確認ください。
なぜ縁結び?

そもそも、どうして福島県只見町の電車で縁結び?
実は只見駅近くにある「三石神社(みついしじんじゃ)」が、縁結びの神様として知られているのです。
三石神社は大きな奇岩がご神体として祀られ、「三の岩」に開いた無数の穴にこよりを通し、親指と小指で結べば願いが叶うといわれています。
2015~2020年には、会津若松と小出を結ぶ「只見縁結び号」が運行されました。
これは会津の「アイ(愛)」と小出の「コイ(恋)」をかけているそうで、なんとも可愛らしいですね(^^)
只見町には古くからお月様を神格化した「二十三夜信仰」があり、神秘的な雰囲気に満ちたパワースポットも多いです。
只見町はロマンチックな場所であり、三石神社に祀られている伊邪那美命(いざなぎみこと)が縁結びの神様であることから、恋愛成就を願う人をターゲットにしたNFTを企画したというわけですね。
JR只見線 縁結びNFTはいくら?
JR只見線 縁結びNFTは1枚3000円です。
オークション販売ではなく、先着順に購入者が決まる仕組みとなっています。
「【車両番号】座席番号」のように番号が振られており、切符のイラストにはQRコードも掲載されていました。
これを読み取ると、縁結びのおみくじが表示されるとか。
HEXAを見てみると、1分にも及ぶ映像が付与されていることが分かりました。
ただの切符NFTじゃなくて、JR只見線のPRも兼ねた動画NFTだったんですね!
動画の初めには東の空から昇る下弦の月、三石神社の縁結びお守りにも使われている伝承産品の手毬が浮かび上がります。
なかなか手が込んでいる映像なので、ぜひ見てみてください。
「【1】1-A」から「【2】16-D」まで128枚のNFTが発行されており、すでに売り切れているものもあります。
同じ座席の切符は2つとしてないので、早い者勝ちですよ~!
ちなみに切符NFTを購入しても実際の電車には乗れませんので、勘違いしないように。
詳しくはこちらの販売ページからどうぞ↓
NFT×クラウドファンディングのメリットは?
JR只見線 縁結びNFTプロジェクトは、NFTの販売によってクラウドファンディングをしているようなものですね。
クラウドファンディングにはさまざまな種類がありますが、JR只見線のように商品を買ってもらい、その代金を運営資金に充てるというのは「購入型」に分類されます。
ただ「困っています、お金をください」とお願いするより、魅力的な特典をアピールして資金援助を募る賢いやり方だと思います。
最近はクラウドファンディングにブロックチェーンの仕組みを取り入れ、資金提供者にトークンを発行する例も見られるようになりました。
トークンの価格は変動するため、売って利益を得ることも可能です。
プロジェクトに応援して終わりではなく、特典が受け取れたり、投資につながったりすれば支援者も嬉しいですよね。
JR只見線の場合はNFTを発行することで、より支援した証が分かりやすくなっていると思います。
トークンの形ではなく、動画やイラストを含めたNFTにしたのがミソです。
保有者は映像を見返しながら福島や只見町に想いを馳せることができ、お守りを開封する楽しみもあります。
それを特典が受け取れるスポットで提示すれば、会員証やコミュニティの認証バッジを持っているような気分になれるでしょう。
「トークン×クラウドファンディング」も面白いプロジェクトですが、「NFT×クラウドファンディング」にしかできないこともあるのではないかと思います。
現実的な特典の有無がプロジェクトの成功を分ける
特典のあるNFTはいくらでも見つかりますが、そのすべてが購入者検討者のニーズをとらえているわけではありません。
なかには「そんなの要らない(笑)」という特典もあり、多くの人に刺さらなければ購入者は集まらないでしょう。
私だったら、現実世界で使える特典が欲しいなと思います。
例えばNFTを提示するとコーヒーが無料になるとか、お店の限定ノベルティがゲットできるとか。
よくあるNFTプロジェクトに、保有者にはスポーツ選手の顔写真付きデジタルカードをプレゼント!ってやつがありますよね。
これ…ホントに必要ですか…?(^_^;)
そもそもNFTがデジタルカードみたいなもんで、さらにデジタルカード付与されても…って思ってしまいます。
デジタルな資産はもう持ってるんだから、それを使って現実でも楽しんでねっていう方が、喜ぶ人も多いのでは?
これから特典を考えるプロジェクトさんは、その辺よく検討してみてください。
福島県只見町には行ったことがないけど、縁結びには興味あり( *´艸`)
彼氏と一緒に、JR只見線 縁結びNFTをゲットして遊びに行ってみようかな♪
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