リップル(XRP)ってどんな暗号資産?Ripple Labs社裁判の歴史とは

リップル(XRP) 仮想通貨

1月16日には8年ぶりとなる3ドル超えを達成し、非常に強い相場が続いているリップル(XRP)。
XRPを運営するRipple Labs社は米証券取引委員会(SEC)に提訴されているものの、通貨自体は好景気となっているようです。
今回はXRPがどんな暗号資産なのか、Ripple Labs社のこれまでの歴史についても調べてみました。

リップル(XRP)とは

2013年に発行されたリップル(XRP)の発行上限は1,000億枚、そのすべてがローンチと同時に発行されています。
一企業が発行する、中央集権的な性質を持つ暗号資産です。
通貨としての使い道はリップルネットを使用する際のガス代、そして異なる通貨の橋渡しをする「ブリッジ通貨」でもあります。
例えば日本円を米ドルに交換して、さらに海外送金する場合、日本円を一旦XRPに換えてから米ドルに換金、その上で送金すると時間とコストを大幅に節約できるとか。
わざわざXRPを挟む「手間」は増えますが、直接円とドルを交換するよりも早く・安く送金できるといいます。
そもそもリップルネット自体が、海外送金をよりスピーディーにかつ低コストにするために生まれたブロックチェーンであり、従来の国際送金システム「SWIFT」に取り替わることを目的としているのです。

XRP供給の仕組みについて

発行済みの過半数を超える630億枚をRipple Labs社自ら保有しており、発行団体が価値をコントロールする可能性があるとの懸念されていました。
この問題点を解消するべく、2017年には自社保有の約90%を第三者によってロックアップしてもらい、自由売買できないシステムを採用。
ロックアップされたXRPは、毎月10億枚ずつ市場に放出されています。

Ripple Labs社のあゆみ

ここからは、Ripple Labs社とはどんな歴史のある企業なのか見ていきましょう。

2012年9月リップル社誕生

ステラ(XLM)の創設者でもあるジェド・マカレブ氏は、企業経営者クリス・ラーセン氏とともにフィンテック企業OpenCoin Inc.を設立します。
これが現在のRipple Labs社であり、2013・2015年の社名変更を経て現在の姿になりました。

2013年1月XRP発行

Ripple Labs社は国際送金を目的としたブロックチェーンネットワーク「リップルネット」を立ち上げます。
基軸通貨としてリップル(XRP)を発行、上限の1000億枚がリリースされました。

2016年5月SBIホールディングスと共同会社を設立

Ripple Labs社は、日本とも深い関係にある企業です。
日本の大手金融グループ、SBIホールディングスと共同でSBI Ripple Asia株式会社を設立しました。
これは、アジア圏のユーザーを対象に暗号資産やブロックチェーンによる決済サービスを提供するためで、現在タイやカンボジアなどでもリップルネットを活用した国際送金が行われています。

2020年12月Bank of Americaがリップルネットに加入

リップルネットの提携金融機関に、アメリカでNo.2の規模を誇る銀行Bank of Americaが加入しました。
リップルネットは2022年までに55か国の法定通貨に対応、現在300社以上の金融機関・企業が参加しています。

Ripple Labs社とSEC 裁判の歴史

XRPを発行・管理するRipple Labs社は、これまでに何度もSECから提訴されています。
XRPの歴史はまさにSECとの闘いの連続であり、現在も裁判は終結していません。

2020年12月SECがRipple Labs社を提訴

証券取引委員会(SEC)は、Ripple Labs社の発行する通貨が有価証券に値すると主張しました。
XRPを販売するのは違法だとし、Ripple Labs社ならびに創業者らを提訴しています。
これに対してRipple Labs社は「XRPの販売は投資契約であると証明できない」と真っ向から反発。
ここから長く続くSECとの論争が始まったのです。

2023年7月SEC 対 Ripple Labs社に一部判決が下される

SECによる提訴から2年が経過、ついに、アメリカ地方裁判所が一つの答えを提示することに!
「XRP”自身は”、有価証券ではない」と判決を下したのです。
裁判長が言いたかったのは、暗号資産XRP単体については有価証券性が認められないということ。
ただし、XRPを取引する行為やスキーム(多くの投資家から資金を集めて投資し、収益を分配する仕組み)については、もっと議論する必要があると述べました。
単純にXRPを販売する分には良いけど、Ripple Labs社が売買取引の場を提供したり、投資信託的な事業を行ったりするのは登録が必要かもしれない…というわけですね。

2023年10月SECの控訴を棄却

裁判で初めて一部の訴えに関して勝敗が決まり、事実上の敗北となったSEC。
しかし、彼らは諦めが悪かったようです(^_^;)
控訴する姿勢を見せ、裁判がさらに長期化するのではないかと懸念されていました。
ところが判決が下ってから3か月後にはSECの控訴が却下され、連邦地裁判事にも「控訴に値する法的要件が不十分だ」と指摘されてしまいます。
これにてRipple Labs社の勝利で決着…と思われましたが、やっぱりここでは終われなかったのです。

2024年1月SECがRipple Labs社に特定文書の提出を求める

SEC側の弁護士は、連邦裁判所にRipple Labs社の違法性を問う動議を提出しました。
さらにRipple Labs社に対しても、XRPの販売や売買取引の受付に関する情報を提出するよう求めています。
裁判では、XRP自体には有価証券性が認められなかったけど、「取引についてはまだ疑問が残る」と言われたようなものです。
SECはここを突きたいわけですね。

2024年4月Ripple Labs社がSECに異議を唱える

2024年3月、SECはRipple Labs社に約20億ドルもの罰金を科すと主張。
これには言われっぱなしだったRipple Labs社も黙っていられませんでした。
この罰金は過大だと意義を申し立て、裁判で負けたはずのSECがまるで勝利したかのような振舞いだと激怒します。
実はこの頃、そろそろ和解するのでは?と思われていたそうなのですが、全くもってそんな気はなかったみたいですね(^_^;)

2024年8月Ripple Labs社に罰金支払いの命令

SECとの裁判は約4年も続きましたが、ついに1億2500万ドルの罰金が課されることとなりました。
SECが求めていたのは20億ドルだったので、ここから大幅に減額された形ではありましたが、スゴイ額ですよね(◎_◎;)
しかし、Ripple Labs社CEOはこの決定に満足していたそうで、裁判所が94%もの減額を決定したことは勝利したも同然だと主張します。
今後の運営やXRPの取り扱いについても積極性を見せ、さらなる成長を確信していました。
一方SECはまだ諦めていない様子で、再び控訴する可能性があると示唆しています。

2024年10月SECがまたもや控訴

ちょっとしつこいSEC(笑)、またXRPに関する裁判を起こします。
Ripple Labs社との裁判における連邦地裁の判決についても、「数十年培われた最高裁の判例に反し、証券取引法に抵触する」と激しく反発しました。
Ripple Labs社が罰金を支払ってもなお、有価証券販売であると認めない限り許せないというわけですね。

2025年1月Ripple Labs社へ控訴提出

トランプ氏再選でSEC委員長の交代が明らかになり、これでRipple Labs社への当たりも弱くなるか…とみられていました。
そもそも暗号資産否定派による物言いであり、歓迎派が委員長に就任すればSECはもう何も言わないだろうと。
ところが、ゲンスラー委員長解任直前のタイミングでまたもRipple Labs社へ控訴を提出する事態となります。

 

どうにかしてRipple Labs社の違法性を認めさせたいSECですが、政権交代とともに撤回される可能性も高いです。
裁判したとしてもXRPが有価証券でないという判決を覆すのは難しく、取引に関する問題点についても明確な証拠が見つけられていないのでしょう。
まだまだXRPの上昇は続きそうですが、今後の判決を見守りたいと思います。

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