日本では、暗号資産取引で生じた利益に最大で55%もの税金がかかります。
一方ドバイでは非課税になり、儲けはすべて自分のもの。
国が違えば受け取れる金額が大きく変わってしまうなんて、なんだか不公平ですよね。
日本の暗号資産税制が改正される動きもみられていますが、非課税になるには長い年月を要するでしょう。
改正法の成立を待つより、海外へ移り住んだ方が早いと考える人も多いといいます。
今回は暗号資産に係る税金対策として、海外移住がどの程度有効なのか調べてみました。
日本の税金ルールは国内居住者のみに適用される
日本の法律は、日本に住む人々の暮らしを規制するものです。
税法についても日本居住者を対象にしており、日本で生活している人が暗号資産を取引して利益を受け取れば、所得を雑所得として計上し総合課税のルールが適用されます。
その最大税率は55%で、例えば1億円稼いでも税金を差し引くと手元に残るのはたったの4,500万円。
ドバイでは暗号資産の利益が非課税(個人投資家の場合)となっているため、稼いだ分すべてを受け取れます。
日本で生まれ育った人がドバイへ移住した場合はどうなるかというと、原則居住地でのルールに従うことになるので非課税になります。
2017年頃にはビットコインで多額の利益を得て、「億り人」と呼ばれるようになった人たちが多く誕生しました。
日本で利確すると半分以上税金で持っていかれるので、ドバイなどの暗号資産税金フリー(あるいは低税率)な国に移住して税金対策する人も多かったといいます。
長期旅行くらいではダメ?非居住者の定義
日本の高い税率から逃れるには、日本から出るしかありません。
しかし完全にドバイ人になりたいわけではなく、ビットコインを利確したら日本に戻りたいという投資家もいるでしょう。
税務上の「非居住者」になるには、どの程度海外に滞在すれば良いのでしょうか。
多くの国では、年間183日以上国外にいれば非居住者として認めるルールを採用しています。
しかし日本では「生活の本拠地」がどこかという概念で判断し、明確な日数による基準は設けられていません。
例えば2025年の1年間のうち183日以上をドバイで過ごしても、次の年からはずっと日本で暮らすなら「やっぱりあなたは日本居住者じゃないか!日本で税金を納めてください!」と言われてしまう可能性があるというわけですね。
日本に自宅を残したまま、留学やワーキングホリデーで海外滞在しただけで日本の学校・職場に在籍したままであれば、「非居住者にあたらない」と判断されるおそれがあるでしょう。

日本の非居住者になるには?
日本のルールにおいて、「非居住者ではない」と言われてしまう要件にはどんなものがあるのでしょうか。
滞在日数
年間183日ルールはありませんが、海外滞在日数が多ければ非居住者と認められる可能性が高まることは確かです。
例えば海外支店への勤務を命じられて出国した場合、1年未満で帰国するなら居住者のまま、1年以上海外支店に勤務するなら非居住者扱いになることが多いといいます。
ただし株式や暗号資産で稼いでいる人が、海外から日本にいる家族に仕送りしている場合は非居住者とは認められません。
仕事と収入の発生国
どの国で仕事しているか、どの国で収入を得ているかによって居住国を判断しています。
自身が海外に住んでいても、日本の企業から仕事を請け負っており、日本の企業から報酬が振り込まれていれば日本居住者とみなされる可能性が高いです。
資産の保有場所
日本の金融機関にお金を預け、日本国内に不動産や自動車を保有していれば非居住者にはあたらないと判断されやすいです。
自宅など生活の本拠地
海外でホテル暮らしをしている場合、単なる旅行や一時滞在と判断される可能性が高いです。
非居住者と認められるには、海外物件の賃貸借契約書、水道光熱費明細書、納税証明書などで海外で生活を営んでいることを証明する必要があります。
海外移住で税金対策するのは難しい!
居住者・非居住者の判断をするのは国税庁や税務署です。
これまで日本に住んでいた人が急に海外移住を検討し「非居住者として認定されたいんですけど…」と申し出れば、疑問に思うはず。
暗号資産を保有していることが分かった場合、税金逃れだと疑うかもしれません。
移住用の滞在ビザを取得するのにも厳しい条件があり、最低数千万円の現地不動産を購入しなければならないケースもあります。
ドバイ移住で暗号資産の利益を総取りすることは不可能ではありませんが、それなりの専門知識がないと難しいでしょう。
もし上手くいって非居住者として認められたとしても、海外での暮らしが合わず「帰りたい…(´;ω;`)」と思うかも。
やはり日本の税制が変わるのを待った方が安全で、お金もかからないんじゃないかな。
税金が0になっても、ドバイの高級物件を購入して資産を使い切ってしまったら元も子もありませんからね(^_^;)
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