2021年頃から、デジタルで描いたイラストをNFT化してOpenSeaなどのマーケットで売ることで収益を得る「NFTクリエイター」、アート的な価値が高いと判断したNFTを収集する「NFTコレクター」、人気のあるNFTを売買して利益を得る「NFTトレーダー」が増えていきました。
これまでのNFTはブロックチェーンに紐づけされたデジタルアートでしかなく、アーティストが自身の作品を通じて利益を得るための商品、または収集家のコレクション、または投資家が将来的な値上がりを期待する投機商品として認識されていたのです。
しかしこれからは、NFTが新たな価値を持つようになるかもしれません。
今回は2025年以降の、NFTの役割について考えてみましょう。
2021～2022年頃のNFTは何だったのか
NFTが誕生した当初からいわれてきた「役割」とは、価値あるデジタル資産を遠い未来に残す技術のことです。
ブロックチェーンという未来永劫続く取引台帳にその存在を記録し、たとえデバイスが破損してもデジタル資産のデータは守られるというのがNFTの主な機能でした。
さらに取引がブロックチェーンを介して行われるため、盗難や取引記録の改ざんを防げると考えられています。
また、すべてのNFTには個別アドレスが割り振られ、この世に2つとして同じものは生成されません。
コピーしたデータで瓜二つのNFTを生成したとしても、オリジナルと模造品を区別することができるのです。
デジタルアートの存在が永遠に保管され、盗難や改ざんが困難、そして真贋証明ができるというのがNFTの主なメリットですね。
しかしなかには、このメリットを生かしきれていないデジタルアートも多く見られます。
2021～2022年頃のマーケットを振り返ると、
「誰でも描けるようなイラストを未来永劫残すべきなのか」
「短期的な投機商品として売買したいだけではないか」
と、存在意義に疑問を感じるようなNFTもたくさんありました。
日本の大手NFTプロジェクトからも、「価値あるアート」とは言い難い大衆的デザインの作品が大量にリリースされています。
NFTの機能は「アートの保存」ではない？
デジタルアートの性質が強かった2021～2022年頃のNFTと比較すると、ここ数年で新たに発行されたNFTは別の機能を持っているような気がします。
かつてはクリエイターが絵を売ってお金を稼ぐための道具、投資家が売買益を得るための商品でしたが、第一次ブームが去ってからはアートとは異なる新たなタイプのNFTも見られるようになりました。
特に2023年以降からは、政府や自治体、企業によるNFTプロジェクトが徐々に増えていきます。
例えば特定の地域に訪れた観光客や施設の利用客に限定NFTを配布し、会員証やポイントカードのような機能を持たせる企画が全国各地で始まりました。
他にも、老舗のメーカーが自社製品のラベルに真贋証明としてのQRコードを添付し、それを読み込むことでブロックチェーン番号を調べられるという「現物商品とNFTの融合」を成功させている例もあります。
もはやNFTはアートの保存のためではなく、積極的に使用してさらなる価値を創造するツールに進化しているのです。
NFTが転売されると生成したクリエイターにロイヤリティが入りますが、そんな細々とした稼ぎ方をするためにNFTの技術を使うのはもったいない！
価値あるアートとアーティストを守るなら、ブロックチェーンに頼る以外にも他の方法があるかもしれませんよね。
NFTはクリエイターや投資家だけでなく、もっと多くの人が特別な体験、大きな利益を得られる技術であるべきです。
テレビの特集でNFTの仕組みを聞いて「ブロックチェーンに永遠に刻まれるからって何なの？」と言っていたタレントもいましたが、これからはNFTにしかできないことがどんどん見つけ出されていくのではないでしょうか。
NFTの本質は「体験の共有」
暗号資産とNFTは、いずれも別の資産と交換できる「トークン」の性質を持っています。
両者の違いは唯一性があるかないかで、暗号資産は同じ銘柄なら同じ価値、同じ通貨として扱われます。
一方NFTは一つひとつにブロックチェーン番号が割り振られるため、たとえ見た目が一緒でも同じものは存在しないというのが原則です。
これまでは暗号資産もNFTも投機商品として考えられており、例えばNFTを売却して別のNFTを購入するという投資手法もよく見られました。
暗号資産のスワップのような感覚で、取引を繰り返してコツコツ売買益を積み上げるトレーダーも多かったのです。
また、「このNFTを購入すると、人気プロジェクトの新NFTの優先購入権を取得できる」というケースもありました。
こういうことを企画するから、NFTの本来の価値と乖離してしまうわけですが…
2021～2022年頃のNFTは、「価値を交換するためのコイン」として扱われた場面もあったでしょう。
しかし自治体の取り組みなどで見られるようになった新たなタイプのNFTは、「特別な体験を共有するトークン」としての性質が強くなりました。
保有していることで利益が発生し、保有し続けることでさらに特別な価値が生まれるのが、これからのNFTです。
ただの売買取引で日銭を稼ぐのは暗号資産に任せて、私は現実世界をもっと楽しむためにどんどんNFTを活用するべきだと思います。
NFTの本来の価値をよく知っているのは、LOLLIPOP（ロリポップ）！
彼らが開発したNFT生成アプリ「TimeCapsule（タイムカプセル）は、大切な思い出を保管するプラットフォームです。
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