2009年に世界初の暗号資産ビットコインが誕生し、2025年の今もブロックチェーンを基盤に作られたさまざまなアルトコインが登場しています。
暗号資産には決済通貨やユーティリティトークンなど特定の役割を持つものがあり、プロジェクトの成長に伴って価格を大きく上昇させる可能性がある銘柄も多いです。
その一方、使い道のないファン向けトークンのような銘柄も人気で、売買投資では短期間で大きな利益を生むこともあります。
今回は現在市場で取引されている暗号資産にはどんな特徴があるのか、役割などで分類した4つのタイプ別に解説しましょう。
決済通貨としての暗号資産とは
暗号資産のなかには、主に商品やサービスの代金・料金を支払うために使われている銘柄があります。
クレジットカードや電子マネー、口座振込など従来の決済システムでは、お金のやり取りをする当事者同士の間に銀行などの仲介業者を必要としていました。
2009年に初めて暗号資産が誕生してからは、P2P(ピアツーピア)の直接取引が可能になります。
ビットコイン(BTC)
世界初の暗号資産であり、近年は「デジタルゴールド」と称されることも多い金銭的価値が認められている銘柄です。
強固なセキュリティから、決済手段として信頼性が高いと評価されています。
暗号資産のやり取りはブロックチェーン技術(分散型のネットワーク)で行われ、中央管理者や仲介業者がない状態でスピーディーかつ透明性の高い決済が可能です。
リップル(XRP)
オープンソース型ブロックチェーン「XRPレジャー」で取引される暗号資産です。
従来の国際送金システムに代わるものとして活用されることが目標でしたが、近年は分散型暗号資産取引所(DEX)での取引やNFT売買などの場面でも用いられるようになりました。
低価格の手数料でスピーディーな送金が可能なため、国際的な金融取引において利便性が高いと期待されています。

プラットフォーム通貨としての暗号資産とは
web3.0サービスを提供するプラットフォームでは、そこで使うための暗号資産を開発しているケースも多いです。
簡単に言えばゲームの中でアイテムを買うためのコインみたいなものですが、ブロックチェーンによって構成されているため暗号資産取引所で購入・売却でき、プラットフォームをまたいで取引することが可能な銘柄もあります。
イーサリアム(ETH)
ビットコインに次ぐ第2位の時価総額を誇る暗号資産です。
分散型金融(DeFi)や分散型自律組織(DAO)の利用、NFTの取引などで使われています。
あらかじめ登録された内容によって自動的に取引を行う「スマートコントラクト」機能を利用する際の手数料(ガス代)支払いに充てられる通貨であり、DAppsの開発にも必要な銘柄です。
イーサリアムネットワークを使用する際の取引手数料は比較的高めで、タイミングによってはトランザクションが混み合うという懸念がありますが、今後のアップグレードで改善される可能性があります。
ソラナ(SOL)
ビットコインやイーサリアムに比べ、より高速で低コストの情報処理が可能であると評価されているソラナネットワークによって構築された暗号資産です。
プラットフォームを使う際の手数料支払いで利用され、ステーキングによって増やすこともできます。
ソラナネットワークにもイーサリアムのようなスマートコントラクト機能があり、DAppsの開発が可能です。
ユーティリティトークンとしての暗号資産とは
NFTゲームやweb3.0系サービスなどで報酬や投票権として使われる暗号資産を「ユーティリティトークン」といいます。
前段でご紹介した暗号資産とも似ていますが、プラットフォーム通貨はネットワークを利用するために”支払う”対価であり、ユーティリティトークンはネットワークを利用したことに対する見返りとして”受け取る”報酬です。
グリーンサトシトークン(GST)
歩いて稼ぐ「Move to Earn」アプリ、「STEPN(ステップン)」で使われているトークンです。
NFTスニーカーを購入し、インストールされたスマホを持って歩くと報酬としてのGSTを獲得できます。
エイプコイン(APE)
有名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」のゲームやメタバースなどのデジタルコンテンツを利用する際のサービス対価として支払ったり、特定のコンテンツにアクセスする権利として機能したりするトークンです。
2024年には独自ブロックチェーン「ApeChain」がローンチされ、DeFiによって利回りが自動的に最適化されるシステムが稼働しています。
APE保有者はDAOのメンバーとして迎え入れられ、プロジェクトの意思決定に関わることも可能です。
ミームコインとしての暗号資産とは
暗号資産のなかには、特定の役割を持たない銘柄も存在します。
ホルダーだけが入れるコミュニティを形成し、プロジェクトの支持者・ファンの証として機能するケースもありますが、「ただ持っているだけ」の人も少なくありません。
著名人のSNSで言及されて価格が数百倍に跳ね上がることもあり、一攫千金を狙って投資する人もいるでしょう。
ミームとはネット上の冗談を指し、一部の界隈で話題になった画像やワード、人物や動物などがモチーフになりやすい傾向があります。
ドージコイン(DOGE)
ビットコインのパロディ版として生まれ、イーロン・マスク氏の影響で価格が急上昇した過去があります。
モチーフとなった柴犬は実在したワンコ、「かぼす」ちゃんだそうです。
シバイヌ(SHIB)
DOGEのパロディとして誕生しましたが、イーサリアムをベースとしているためスマートコントラクト機能が搭載されています。
独自のDEXやNFTマーケットも展開されており、ミームコインにしては実用性が高すぎるともいわれている銘柄です。
暗号資産は無数に存在しており、今この瞬間も新しい銘柄が生まれているかもしれません。
「何が何だか分からない!」と困惑気味の方は、役割や基盤となったブロックチェーン、利用されているプラットフォームなど、さまざまな観点から分類してみてはいかがでしょうか。
タイプ別に分けてみることで、将来性や期待できるポイントが見えやすくなりますよ。
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