株式を取得することで企業に支援し、提供した資金を事業発展に役立ててもらおうというのが投資の基本的な考え方です。
一方、応援の気持ちだけでなく配当金や株主優待を目的に投資する人も少なくありません。
例えば某大手レジャーサービス関連会社は、人気テーマパークのパスポートを長期保有株主向けに配布することで多くの投資家を集めています。
最近では株主優待として暗号資産を配布する企業も増えており、暗号資産投資家をはじめ、最先端技術に興味のある人に注目されているようです。
今回は、株主優待に暗号資産を導入している企業をご紹介しましょう。
株主優待で暗号資産を配布する企業はこちら!
内容が変更される可能性はありますが、2025年7月時点で株主優待に暗号資産を導入しているのは次の2社です。
株式会社セレス
インターネットメディアの企画開発などを手掛けるサービス会社で、ポイントサイト「モッピー」を運営しています。
暗号資産関連事業にも注力しており、ブロックチェーンを活用したフィナンシャルサービスなどさまざまなweb3.0サービスを展開している企業です。
年末時点で100株以上を保有している株主に対し、1万円相当の暗号資産を配布します。
毎年12月末を基準日とし、翌年3月頃の定時株主総会決議を経た後、対象者に通知書と暗号資産を受け取るためのシリアルコードを送付するそうです。
配布される銘柄はイーサリアム(ETH)とジパングコイン(ZPG)の2種類で、5,000円相当ずつ配布します。
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社
投資信託の募集や運用、投資コンサルティングなどを行う金融サービス会社です。
証券・銀行・保険・ローンなどのサービス企業として大手のSBIグループに属し、主に資産運用事業を展開しています。
暗号資産株主優待の対象者は100株以上の保有者で、保有数と保有期間によって2,500~12,000円相当のリップル(XRP)が配布されます。
株主総会の招集通知書とともに受け取りのための案内とクーポンが送付され、6月20日から申し込み受付中です。

暗号資産株主優待を受け取るには?
株主優待を受け取ることができる条件は、企業によって異なります。
暗号資産といえばビットコインやイーサリアムですが、どの銘柄を株主優待にするかはそれぞれの企業が決めることです。
全然人気のない草コインを配布する企業が登場する可能性もあるので、投資先を選ぶ際はしっかり下調べをしましょう。
また、今回ご紹介した2社は暗号資産を受け取る口座を指定しているため、それぞれの取引所で口座開設する必要があります。
株式会社セレスならCoinTrade(コイントレード)、SBIグローバルアセットマネジメント株式会社ならSBI VCトレードの口座を開設してください。
ただし、株主優待を受けられる条件に該当しており口座も保有していれば勝手に暗号資産が送金されるのではなく、受け取りのための手続きが必須です。
申込日によって振込日が決定されるので、各企業のホームページや株主向け通知書などを確認のうえ、スケジュールを把握しておきましょう。
例えばSBIグローバルアセットマネジメントの場合、6月20日までに株主優待受け取りの申し込みを済ませると、7月11日に暗号資産が振り込まれます。
暗号資産株主優待はいつ受け取るべき?
株式会社セレスとSBIグローバルアセットマネジメント株式会社は、株主優待の受け取りについて「1株主1回限り」と定めています。
また、「暗号資産を受け取る権利」の現金化や譲渡、転売は禁止されており、配布対象の銘柄が気に入らないからといって別の暗号資産に換えてもらうわけにもいきません。
(口座に取得後、取引所で交換・売却は可能)
1回しか暗号資産を受け取ることができないとすれば、いつ申請するかが重要になりますよね。
投資経験者の方はご存知の通り、暗号資産には価格変動リスクがあります。
日本円などの法定通貨と違い、たった数日で大暴落する可能性もあるのです。
受け取りの申し込み後、実際に振り込まれるのは早くても翌月になります。
手続きに不備があればさらに遅れることもあり、タイミングがズレたら損するかも…
一度きりのチャンスなので、「まあいつでもいいか」というわけにはいきませんよね。
ただ、株式会社セレスに関しては暗号資産のレートがどうあれ、「1万円相当」に設定されているので、受け取れるETHやZPGの数は違っても日本円の価値としてはいつ申請しても同じです。
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社の公式ホームページも確認しましたが、XRPと日本円とどちらが基準になるのかよく分からなかったので、気になる方は問い合わせてみてください。
今後暗号資産株主優待を導入する企業が増えていくとしたら、法定通貨と暗号資産とどちらの価格を基準として配布額が決まっているのかも考慮して投資先を選定する必要がありますね。
暗号資産の株主優待なんて面白そうではありますが、それだけでこの2社に投資するのは安直な考えだと思います。
株主優待に暗号資産を導入している企業に投資する際は、投資額に見合った価値の暗号資産が受け取れるのか、株主優待で受け取れる暗号資産がポートフォリオに追加するだけの価値がある銘柄なのかをよく吟味する必要がありそうですね。
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