暗号資産業界が大きく発展した2025年。
アメリカでビットコイン現物ETFが承認されたのを皮切りに、暗号資産の需要が高まりました。
Real World Asset(RWA)のトークン化など、従来の取引システムにブロックチェーンが組み込まれるケースも増加しています。
プロジェクトが設立された当初は現実資産をトークン化することに意味を見出せない人がいた一方、いち早くRWAの価値に気付き、新たな資産運用で大きな利益を得た人も少なくありません。
現在ブームになっている暗号資産やNFTプロジェクトに投資しても、すでに出遅れている可能性があるでしょう。
未来のトレンドを予測し、そこから生まれる利益を先取りすることが大切なのです。
今回は、暗号資産業界の有識者が2026年の注目トレンドになると予測した「DAT2.0」というテーマについて勉強していこうと思います。
DATとは
まず「DAT」とは、「デジタル資産トレジャリー」のことをいいます。
「デジタル資産」とはここではブロックチェーンに紐づけされた暗号資産やトークンを指し、「トレジャリー」とは企業の資金を守り・増やし・活用する戦略的な財務管理業務を指す言葉です。
つまりDATは暗号資産を企業の資金とし、保有したり運用したり取引における決済通貨とすることをいいます。
このような事業を行う会社は「DAT企業」などと表現され、2020年にビットコインを買い始めたストラテジー社がその起源であるといわれています。
DAT企業が増えた経緯
2025年までにDAT企業が急速に増加したのは、ストラテジー社の成功がきっかけになったと考えられています。
1989年にソフトウェア企業として創業されたストラテジー社(当時はマイクロストラテジー)は、2000年に株価を時価総額の99%まで急落させて米証券取引委員会(SEC)の調査を受けることになりました。
ここで倒産するケースも多いですが、ストラテジー社のCEOマイケル・セイラー氏は2020年からビットコインを買い始め、ビットコインDATにて同社に対する投資価値を押し上げていきます。
現在も創業当初からの事業であるソフトウェア提供は細々と続けていますが、その実態はほとんどビットコインを保有する「箱」であるといえるでしょう。
ビットコインホルダーとなったストラテジー社の株価は、ビットコイン価格に連動することになる…と当時は誰もが予想したと思います。
しかしストラテジー社の株式はプレミアム価格で取引され、ビットコイン投資と株価上昇の両立という新たな成功例を見せつけたのです。
ここに目を付けたプロモーターにより、DATという戦略モデルは脚光を浴びることになりました。

DATで企業が潤う理由
DATのメリットは、通常の企業努力では叶えられない資産形成力の強化が期待できることです。
企業がDATを導入すると、まるでお金を印刷しているかのように資金が増え続けるといいます。
コツコツと商品を売り、事業を拡大するために資金を投入し、地道に経営を継続する従来のやり方では、企業が得られる利益には限界があるでしょう。
いっぽう企業資金の一部を暗号資産の購入に充てれば、価格上昇とともに勝手にいくらでも資産額が増えていくというわけです。
特にビットコインの価格は青天井であり、ビットコインを保有するだけで強大な資金力を得ることも不可能ではありません。
投資家から見ても、DATというweb3.0時代の新たな戦略を積極的に取り入れる企業には将来性を期待したくなりますよね。
机上の空論では誰も賛同しなかったかもしれませんが、ストラテジー社がDATを成功させたことで追随する企業が次々と現れたのです。
DAT2.0とは
暗号資産を保有したりステーキングなどで増やしたりするだけの企業戦略を「DAT1.0」とし、保有する暗号資産をおおいに活用してブロックチェーン事業の立ち上げや運営に役立てる一歩進んだ戦略は「DAT2.0」と呼ばれはじめています。
2026年に注目されるであろうキーワードとして、ソラナジャパンの代表である大木悠氏はDAT2.0を挙げました。
2025年4月以降はイーサリアムやソラナを起用するDAT企業も増えましたが、暗号資産市場の低迷とともに株価も急落させてしまいます。
暗号資産を買い集めるだけでDAT企業を名乗っている会社も多くなり、DATという戦略そのものが疑問視される時代に突入しました。
今後は暗号資産の購入やステーキングなどの資産運用に加え、ブロックチェーンを活用した自前のプロダクトを展開できるかがDAT企業の生死を分ける条件となるでしょう。
例えば購入したイーサリアムをステーキングでこつこつ増やすだけでなく、DAppsを開発して企業の利益につながるアプリをリリースするとか、NFTプロジェクトを立ち上げて企業としての価値も同時に上げていかないと、生き残れないような時代になるということです。
日本にもDAT1.0、DAT2.0に分類される企業がたくさんあります。
Xではよく「我が社もついにビットコイン買いました!」というお知らせ文書が公開されていますが、なかにはブームに乗っているだけの会社もあるような…
購入した暗号資産をどう使うのか、私たち投資家は冷静にチェックする必要がありそうです。


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