電子決済サービスを利用してのお買い物も一般的になってきましたが、暗号資産決済への対応をスタートさせる決済サービス会社も増えています。
いずれは日本を含めた多くの国で、保有している暗号資産を普段のお買い物に利用できるようになるでしょう。
2020年に暗号資産事業へ参入したPayPal(ペイパル)社は、100銘柄以上の暗号資産に対応する新たな決済サービスを発表しました。
今回は、PayPalの暗号資産決済サービス「Pay with Crypto」について深掘りしていきます。
PayPalとは
電子マネーなどの決済サービス提供を行うPayPal社(PayPal Holdings Inc.)は、「金融サービスの民主化」をテーマとしたアメリカのフィンテック企業です。
ユーザー数は2億人を超え、導入店舗は1,500万以上という世界最大規模の決済サービス「PayPal(ペイパル)」を提供しています。
2007年からは日本向けにもサービスを開始し、20年以上に渡ってさまざまなオンライン決済で利用されてきました。
ユーザーはアカウントにクレジットカードやデビットカード、銀行口座を登録し、PayPalを通じて商品代金などを決済することができます。
PayPalのメリットは?
PayPalでは、売り手と買い手の両方がPayPalアカウントを通じて代金の受け渡しをすることで、セキュリティ性の高い取引が可能になります。
顧客は自身のアカウントに登録された決済方法で代金を送金し、支払先である事業者は自社のアカウントに送られてきた資金を引き出すことで代金が受け取れるという仕組みになっているそうです。
クレジットカード番号や銀行口座などの情報はPayPalによって保護され、支払先に情報を取得される心配はありません。
家族や友人など、個人間の送金でも安心して利用できるシステムとなっています。
家族への仕送りなどでATMや銀行窓口から振り込みを行っている人は、1件ごとに発生する振込手数料がコストに感じることもあるでしょう。
PayPalなら日本円の個人間送金が無料で利用できるので、ぜひ活用してみてください。

新サービス「Pay with Crypto」とは
2025年7月28日、PayPalは新たな決済サービスとして「Pay with Crypto」を発表しました。
これは暗号資産による支払を可能にした次世代の決済サービスで、100以上の銘柄に対応しています。
コスト面でも大きなメリットがあり、2026年7月31日まではクレジットカードの決済処理に比べ最大で90%もの取引手数料を削減できるとか。
いずれは世界6億5,000万人以上の暗号資産ユーザーを取り込みたいと考えているようです。
対応通貨はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、バイナンスコイン(BNB)、テザー(USDT)、リップル(XRP)など主要銘柄を取り揃えており、メタマスク、ファントム、クラーケン、コインベースなど人気取引所の口座やオンラインウォレットにも幅広く対応しています。
独自ステーブルコインも発行済み
PayPalは、2023年8月に米ドル連動型ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」をローンチしました。
1枚あたり1ドル(USD)になるよう設計されており、イーサリアムブロックチェーン上で発行されるERC-20トークンの規格を有しています。
世界中で利用されている主要ウォレットのほか、web3.0系アプリにも対応している暗号資産です。
Pay with CryptoではPYUSDによる決済はもちろん、BTCやETHなど対応通貨との交換や送金もできます。
PYUSDはDeFiサービスの利用やDApps開発でも使用される通貨になる可能性があり、幅広い分野での活用が期待されているでしょう。
発行元がPaxos Trust Companという信託会社になっていますが、ニューヨーク州金融サービス当局に規制されており、PYUSDの発行に際しても厳格な基準の下で管理されています。
裏付け資産として米ドルのほか、短期国債や現金なども担保されている上に、顧客資産はPaxos社の資産と分散管理されているという徹底ぶりです。
定期的にPYUSDの準備金状況も報告されているため、プロジェクトとしても高い透明性と信頼性があると評価できます。
Pay with Cryptoは日本人ユーザーでも利用できる?
残念ながら、現時点で暗号資産による決済サービス「Pay with Crypto」を日本人ユーザーが使用することはできません。
PayPal社は初めにアメリカの事業者向けにサービスを提供すると発表したものの、その他の国の事業者や個人ユーザー向けのサービス提供時期については言及されませんでした。
しかし、アレックス・クリスCEOは「あらゆる規模の企業における国際決済コストと事業統合の障壁を取り除きたい」と述べており、いずれは日本を含めた世界各国でPayPalの暗号資産決済サービスが利用できるようになるのでは…と私は思います。
しかしそれには、アメリカ以外の国でも暗号資産を積極的に導入する法案が承認されなければなりませんね。
日本の場合、なによりもまず、暗号資産に関するルールが今より明確になる必要があるでしょう。
暗号資産投資家にとって、暗号資産に対応したサービスがどんどん増えるのは喜ばしいことです。
需要が高まらなければ価格は上がらず、使えるシーンが少なくては宝の持ち腐れでしかありませんからね。
あとは新たに立ち上げた暗号資産系サービスがスベらないように、綿密な計画を立ててほしいものです。


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