やっぱり暗号資産が心配?前SEC委員長が警告

暗号資産 仮想通貨

現在のSECはトランプ政権の推し進める政策を支持し、暗号資産企業を歓迎する姿勢を取っています。
一方、前SEC委員長のゲイリー・ゲンスラー氏は今も暗号資産を警戒しており、規制強化による投資家保護の必要性を訴え続けているようです。
2025年12月3日にブルームバーグからのインタビューに答えた際も、暗号資産のリスクや危険性について見解を示しています。
今回はゲンスラー氏の経歴と、彼が主張する暗号資産についての懸念について解説しましょう。

ゲイリー・ゲンスラーの経歴について

ゲイリー・ゲンスラー氏は、MITスローン経営大学院でグローバル経済の教授を務めていた頃にバイデン大統領からの指名を受け、2021年SEC委員長に就任しました。
彼の金融マン人生は、世界最大の投資銀行ゴールドマンサックスから始まります。
メディア企業に対するコンサルティング業務を担当し、30歳の時には社内最年少で経営パートナーの一員になりました。
M&Aトップバンカーの立場も経験し、金融のスペシャリストとして成長します。
東京支社にも出向しており、トレーディング、ファイナンス部門にて債券と通貨の取引を指揮しました。
1997年にはクリントン政権下で財務次官に就任し、1999年までその職務を全うします。
2001年から2009年にはストレイヤー・エデュケーション社の取締役を務めるなど、金融界で華々しい活躍をした人物です。
さらに2009年から2014年には、オバマ政権下で商品先物取引委員会(CFTC)の委員長を務めていました。
ここまで来ると、彼にリーダーの素質があることは間違いなさそうですね。
現在はMITスローン経営大学院の教授に復帰し、AIやフィンテックに関する教育と研究を続けています。

ゲイリー・ゲンスラー氏は暗号資産反対派なのか

トランプ大統領の意に添わなかったのか、米証券取引委員会(SEC)のトップだったゲイリー・ゲンスラー氏は新政権誕生とともに退任させられてしまいます。
SEC委員長だった当時は暗号資産に対して厳しい規制が必要だと主張し、「ほとんどの暗号資産は有価証券である」との見解を示していました。
彼は暗号資産をより大きな金融システムにつながる効果的な技術と認めながらも、適切な規制が敷かれないままで無法地帯となっている「ワイルド・ウエスト(開拓時代の西部地方)」であると指摘します。
さらにSECの管轄下に多くのプロジェクトを置こうとしたことから、暗号資産業界からの反発も招く結果となりました。
もともとゲンスラー氏はMITでブロックチェーン技術やデジタル通貨に関する研究を続けてきた専門家であり、「Blockchain and Money」と名付けられたコースでは暗号資産の有用性について学生に教える講師でもあります。
暗号資産を新しいものとして拒絶しているのではなく、あらゆるリスクを回避するための規制が必要だと説いているわけですね。
「ゲンスラーは暗号資産反対派だから」と敵視する投資家もいますが、彼が規制強化を訴えるのはその投資家を守るためでもあるのです。

ゲイリー・ゲンスラー氏が改めて暗号資産に警鐘を鳴らす

2025年12月3日ブルームバーグテレビのインタビューコーナーに出演したゲイリー・ゲンスラー氏は、前SEC委員長として、MITで暗号資産について教える教授として、改めて暗号資産のリスクを指摘しました。
暗号資産を「極めて投機的で変動が激しい資産」とし、ビットコイン以外のトークンに対する警戒感を示しています。
ビットコインはコモディティ(商品)に近く、米ドルに裏付けされたステーブルコインは法定通貨と同等であると評価しますが、それ以外のトークンについては「何が価値を裏付けているのか投資家が自問する必要がある」と語りました。
ゲンスラー氏はSEC就任以来、リップルやコインベース、ジェミニなどの大手暗号資産企業に対して厳格な規制に基づく執行措置を講じてきた鬼委員長です。
ビットコイン以外のトークンのほとんどが証券法に適用され、その多くが違反行為を行っていると主張してきました。
暗号資産政策を推し進めたいトランプ大統領にSECを辞任させられたものの、彼の発言は今も大きな影響力を持っています。

現SEC委員長はどうする?

ゲンスラー氏に代わって新たなSEC委員長に就任したのは、暗号資産推進派のポール・アトキンス氏です。
彼は、トランプ大統領から指名される可能性が高い候補者として早々に名前が挙げられています。
就任当時はゲンスラー前委員長の敷いた厳しい規制や措置を再検討すると表明し、新SECでは柔軟な対応に転じることが期待されました。
しかし一部では、「投資家保護のために必要な規制まで解除しかねない」との懸念も広がります。
トランプ大統領や彼の支持者である暗号資産企業だけでなく、”平均的な国民”のためにも働いてほしいとの声が上がりました。
さて実際にアトキンス氏が委員長となってどうなったかというと、2025年11月の報告ではSECによる上場企業および子会社に対する執行件数が前年度から30%減少していたことが分かったそうです。
アトキンス委員長は就任当初から前SEC体制の規制強化を批判し、トランプ大統領の期待に応える新たな施策の枠組みづくりに取り組んでいます。
その一方でSECの本来の使命である「投資家保護のための活動に回帰する」と強調しており、規制の柔軟化と安全な市場の形成を両立させたいと考えているようです。

ゲンスラー氏が退任した後のSECは、やはり暗号資産穏健派の意見が強く反映されているようです。
一方でゲンスラー氏の影響力は今も続いており、暗号資産投資家のなかにも彼の主張を支持する人は少なくありません。
アトキンス現委員長には、トランプ大統領だけでなく前任者のアドバイスも素直に受け止めてほしいものですね。
長らく金融業界で働き、暗号資産にも詳しいゲンスラー氏から学べることはたくさんあると思います。

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