アルゼンチン大統領が暗号資産詐欺!?ミームコインの未来を揺るがすリブラ(LIBRA)事件とは

アルゼンチン 仮想通貨

トランプ大統領の言動を受け、日本でも暗号資産に関するニュースが取り上げられることが多くなりました。
何かが話題になると必ずと言って良いほど出てくるのが、それを利用する詐欺師たちです。
「絶対に値上がりする暗号資産がある」
「今から投資しておけばFIREできる」
などと謳い、詐欺プロジェクトに資金を集めようとする輩もいます。
なんとアルゼンチンでは、大統領までもが詐欺容疑で告訴されるという事態に…!
今回は「リブラ(LIBRA)」に関する詐欺事件と、ミームコインに関する規制についてお話ししましょう。

大統領が詐欺!?アルゼンチンで何が起こっている?

2月17日、前政権で中央銀行総裁を務めた人物と複数の弁護士によって、アルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ氏が詐欺容疑で告訴されました。
大統領が国民に対して「リブラ(LIBRA)」というミームコインの購入を扇動し、運営チームの詐欺行為を手伝ったというのです。
ミレイ大統領は自身のXにて「中小企業の支援、経済成長の促進が期待できるプロジェクト」と宣伝、これをきっかけにLIBRAは国際的な注目を集めるまでになりました。
時価総額は一時45億ドルもの金額に達し、アルゼンチン国民は歓喜に沸いたのですが…
その数時間後には運営チームが1億700万ドル相当を売却、価格を急落させる事態となります。
つまり、大統領の発言によって大儲けした運営チームが、集めた資金を持ち逃げしたというわけですね。
ミレイ大統領は詐欺の片棒を担いだも同然だと、アルゼンチン国民は大激怒!
いっぽう当の本人は、「プロジェクトの詳細は知らなかった」とし、「後で宣伝もやめたじゃないか」と苦しい言い訳をしています。
もちろんこれで国民が納得するはずもなく、ますます批判を強めることになりました。
ミレイ大統領は一連の批判に対して「政治的な攻撃だ」と発言し、さらに国民の反発を招いています。

大統領の妹を買収!?LIBRA創設者が証言

LIBRAプロジェクトを立ち上げたKelsier Ventures社のヘイデン・デイビス氏は、「ミレイ大統領の影響力を買収してやった」と知人に自慢していたと報道されます。
2024年12月中旬に送られたというメッセージでは、
「大統領をコントロールしている」
「妹に金を送っているから、こちらの望む通りのことをするはずだ」
などと主張していたそうです。
この情報をCoinDeskが取り上げると、デイビス氏は広報担当者を通じて「完全なる虚偽の情報だ」と反論します。
ミレイ大統領の妹カリーナ氏は現在アルゼンチン政府において大統領府事務総長を務めており、事実上ミレイ大統領に最も近い側近であり、何よりも可愛い身内でもあるわけです。
妹が賄賂を受け取っていたことが本当なら、デイビス氏に強要されてミレイ大統領がLIBRA詐欺に加担してしまったのでは?と疑われても仕方ありません。
カリーナ氏の主張については見つかりませんでしたが、当局の捜査によっていずれ真実が明らかになるでしょう。
ミレイ大統領がLIBRAに関するポストを削除した時にはすでに価格が暴落していたというので、かなり怪しいですが…(^_^;)

ミレイ大統領が関与したのはラグプル?インサイダー?

LIBRA事件について調べていくと、「ラグプルだ」「インサイダー取引が行われた」などと表現されていました。
ラグプルとは、暗号資産を販売して投資家から資金を集めておきながら、プロジェクトを閉鎖して資金を持ち逃げするという出口詐欺のこと。
暗号資産業界において、特にミームコインを発行するプロジェクトのなかにはラグプルが疑われる事案もあります。
資金調達後に何の活動もしないまま、ホルダーに何の説明もなく突然プロジェクトで所有しているトークンを大量売却し、自分達だけ利確してしまうというわけです。
ホルダーの手元に残ったトークンは価格がダダ下がりし、ほとんど無価値に…
組織的なラグプルの場合、SNSのインフルエンサーに報酬を支払って宣伝してもらい、誇大広告を手伝わせるという手口も横行しています。
一方インサイダー取引とは事実が公表される前に、自分の利益のため、損失回避のために株式等を売買する行為のことです。
暗号資産においては、例えば「このプロジェクトをそろそろ畳もうと思っている」という情報を運営者から聞き、トークンの価値がなくなってしまう前に利確した…という事案がインサイダー取引にあたる可能性があります。
ミレイ大統領が行った行為は、ラグプルとインサイダー、どちらになるでしょうか。
そもそもプロジェクトが資金を集めるだけ集めて逃げようと思っていたことを知っていたとするなら、ラグプルだといえます。
SNSで宣伝していたという事実も加味するなら、やはり詐欺行為に加担したと疑われても仕方ないでしょう。
ミレイ大統領自身がLIBRAを保有し、プロジェクトが売却する前に利確したという情報も見つからなかったので、インサイダー取引ではなさそうだな…というのが私の見解です。
こちらの件に関しても、いずれ捜査で容疑が確定すると思います。

リブラ(Libra)とは

ミームコイン「リブラ(LIBRA)」について調べてみても、ミレイ大統領が発信した「中小企業の支援、経済成長の促進が期待できるプロジェクト」という情報以外、詳しいことは分かりませんでした。
実は同じ読みで表記が異なる「リブラ(Libra)」という名前で誕生した暗号資産もありますが、アルゼンチンで物議を醸しているトークンとは全く無関係の銘柄です。
こちらは当時のFacebook(現Meta)が発行すると発表したステーブルコインで、銀行口座を持たない人々も日常的に使える銘柄になることを目指して開発されました。
しかし、対応ウォレットとして開発されたNoviが2020年9月にサービスを終了させ、Libraという名前も暗号資産業界から姿を消します。
それから1年数か月後、Libraはグローバル金融インフラの構築を目指すDiem協会に引き継がれ、「ディエム(Diem)」として新たなスタートを切ることに。
Libraだったころは複数の通貨を「バスケット」として、それに裏付けられたステーブルコインであると名乗っていたのですが、金融当局の許可が下りませんでした。
Diemとしてやっていくため、単一の通貨に連動させた暗号資産を複数発行するという方針に転換したといいます。
話が逸れましたが、現在アルゼンチンで話題となっているLIBRAと旧Libra(現Diem)とは異なる通貨なので、混同しないように気を付けてくださいね!

ミームコインには厳しい規制が必要

LIBRA事件をきっかけに、ミームコイン市場において不正を防ぐための明確な規制を設けるべきだと提言する専門家が急増しています。
アメリカをはじめ、多くの国では暗号資産の規制を緩やかにするべきだという風潮が見られますが、やはりある程度の引き締めは必要でしょう。
特にミームコインの場合、エコシステムだけで自律的な規制のもと運用させるのは難しく、一般投資家が公正なプロジェクトを見分けるのは難しいと考えられます。
ある暗号資産アナリストは、ミームコインのラグプルはSECによる監視体制の甘さが招いていると指摘。
「誰かが規制しなければ、LIBRAのような事件が何度も繰り返されるだろう」と予言しました。

 

従来の金融システムに比べ、まだまだ法整備や監視体制が十分でない暗号資産。
そのなかでも、さらに無法地帯と言って良いのがミームコインです。
私たちが怪しいプロジェクトに手を出さないよう気を付けるだけでは、悲劇は防げません。
規制緩和よりも先に、詐欺師を判別する技術を求める人も多いでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました