暗号資産プロジェクトにも導入できる?「PEST分析」のメリット

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企業は自社のマクロ環境を分析するための施策として、「PEST分析」というマーケティングフレームワークを活用します。
マクロ環境とは企業の経営努力ではコントロールできない、業界全体に影響を与える外部環境のことをいいます。
例えば為替変動や少子高齢化など、自社のビジネスにとってチャンスまたはリスクとなる事象がマクロ環境の主な要素です。
これらを整理することで、長期的な経営戦略づくりの材料となるでしょう。
暗号資産プロジェクトにおいても、業界全体を取り巻く環境や自社の現状を把握する上でPEST分析は大いに役立つはずです。
今回は、さまざまな分野の企業が活用しているPEST分析を暗号資産関連のプロジェクトに導入するメリットについて考えてみました。

PEST分析とは

PEST分析は、「Political(政治)」「Economic(経済)」「Social(社会)」「Technological(技術)」の4つの要因が業界全体にどのような影響を及ぼすかまとめたものです。
それぞれの頭文字を取って、「PEST」と名付けられました。

Political(政治)

労働法・税制・補助金の変更など、政策や法規制が企業活動を制限する可能性があります。
政権交代によってこれまでのルールが大きく変わったり、政治的な動向によって海外企業との取引に支障が出たりする局面もあるでしょう。
多くの企業にとって政府・行政の動向は重要な要素であり、変化があればどのカテゴリーよりも早く対処しなければなりません。

Economic(経済)

雇用や賃金の状況変化、GDP成長率・金利・為替レートなど投資環境を左右する要素は、製品の価格や消費者心理にも大きな影響を与えます。
給料が上がらずモノの値段ばかりが上昇している今、どんなに良い商品を開発しても価格が高いと敬遠されてしまうでしょう。
業界を取り巻く経済の状況を把握することで、消費者の購買力に見合った価格設定が可能になります。

Social(社会)

高齢化・少子化・人口減少・地方過疎化など、社会構造や価値観の変化もさまざまな業界のビジネスに影響しています。
近年「働き方改革」やサステナブルな志向の高まり、多様性への関心によって、売れる商品・選ばれるサービスが変化してきました。
一見無関係に思えるようなトレンドや社会現象、SNSで話題になったキーワードが潜在的ニーズの発見につながる可能性もあるでしょう。

Technological(技術)

業界の技術革新、インフラ発展により、商品・サービスの形態が大きく変わることもあります。
近年注目されているAI技術は、製造プロセスの効率化や自動化だけでなく、消費者が楽しめるコンテンツにも活用されているでしょう。
企業にとって、新たな技術をいかに取り入れるか、既存のシステムとの兼ね合いも重要なポイントとなります。
新しいものをすべて導入すればうまくいくわけではなく、取捨選択も必要です。

PEST分析はいつ使うの?

企業は市場拡大や海外進出を計画する段階における環境調査として、PEST分析を実施します。
新商品・サービスの企画や開発の場面では「なぜその商品・サービスが必要なのか」という前提を整理し、新事業においては戦略の仮説を立てるためにも導入されるでしょう。
業界に影響を及ぼす可能性の高いさまざまな変化を早期に察知し、リスク回避やビジネスチャンスを掴む目的で活用している企業も多いです。
経営者目線では明るい未来が約束されているように見えても、業界全体を取り巻く環境を客観的に分析すれば不安定な要素が見つかるかもしれません。
PEST分析はビジネス戦略を練る担当者から経営者にプレゼンする際にも用いられ、会議の資料として提示されることで戦略の説得力が高まります。

暗号資産プロジェクトにおけるPESTとは

企業の現状把握や戦略づくりに活用されるPEST分析は、暗号資産プロジェクトにも導入されるべきだと思います。
暗号資産業界に関連するさまざまな要素を挙げてみることで、将来性を客観的に評価することができ、早急に対処しなければならないリスクも見えてくるのではないでしょうか。
まずはP・E・S・Tの4つのカテゴリー別に、暗号資産業界へ影響を及ぼす可能性が高い外部環境を整理してみました。

Political(政治)

2025年から、日本でも本格的に暗号資産にかかる税制について改正が議論されるようになりました。
暗号資産取引における所得税が最大55%から一律20%になれば、投資人口の増加や主要銘柄の高騰が期待できるでしょう。
暗号資産を取り扱うプロジェクトにも注目が集まり、独自トークンの価格を上げる要因になるかもしれません。
近年はトランプ大統領の言動によってビットコインの価格に大きな変動が見られる局面も多く、暗号資産業界全体に大きな影響を及ぼしていると考えられています。

Economic(経済)

暗号資産プロジェクトは、独自に発行するトークンのほか、ビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄の価格動向についても注視しておかなければなりません。
自社が順調に進んでいても、ビットコインが大暴落すれば影響は避けられないでしょう。
業界全体が低迷した結果、資金力低下に耐え切れなかった中小プロジェクトが破綻してしまうケースもあります。

Social(社会)

高齢化が進めば、暗号資産投資人口が増加しづらい環境になると考えられるでしょう。
暗号資産投資を始める人はやはり若者が多く、高齢者は「投資より貯金」、「リスク資産より安定資産」という人が多い傾向にあります。
今よりもっと暗号資産取引が簡単になっても、わざわざリスクを冒して老後資金を増やそうと考えるお年寄りは少ないかもしれません。

Technological(技術)

暗号資産に関連する技術の革新・発展により、ユーザーが格段に増加する可能性があります。
前段で高齢者が増えれば新規投資家は減るといいましたが、お年寄りでも簡単に暗号資産を売買できるようになり、普段の買い物で気軽にビットコイン払いが利用できるようになれば、暗号資産ユーザーは増えるでしょう。
つまり、暗号資産を買ったり売ったり使ったりするツールが普及すれば、おのずと暗号資産の需要が高まるわけです。
ビットコイン以外にも便利な銘柄はたくさんありますが、生き残るにはそれぞれの暗号資産・トークンの利用価値や必要性を認めさせる戦略が必要だと思います。

 

自社の計画や応援しているプロジェクトの活動はどうしてもポジティブに捉えてしまいがちで、正確な評価ができない可能性もあります。
暗号資産プロジェクトがPEST分析を活用するメリットは、経営者・ホルダー目線に頼らない客観的な現状把握ができることではないでしょうか。
P・E・S・Tの4つのカテゴリーから影響を及ぼすおそれのある要素を見つけ、マクロ環境から戦略を練れば、変化に強い暗号資産プロジェクトになれるかもしれません。

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