仮想通貨歓迎派の国を中心に、世界ではあらゆる金融資産をブロックチェーンに結びつけようとする動きが広がっています。
アメリカでは株式をトークン化し、これを提供するブローカーや取引プラットフォームが急増しているようです。
この傾向は世界の経済を良い方向へ進ませることになるのか、それとも…
今回は株式のトークン化とはどういう意味なのか、世界取引所連合が主張するトークン化株式を発行する仮想通貨企業への懸念について調べてみようと思います。
世界取引所連合がトークン化株式の懸念を表明
2025年11月21日、世界取引所連合は米証券取引委員会(SEC)に対してトークン化株式を提供する仮想通貨企業への懸念を示す書簡を送付したといいます。
この書簡の具体的な内容は、仮想通貨取引プラットフォームが証券取引所と同じような役割を持つのはいかがなものかと指摘するものだったそうです。
つまり、株式を取り扱うことができるのは証券取引法を遵守する証券会社や銀行であるべきで、仮想通貨取引所が簡単に参入して良いものではない…という意味になるでしょうか。
この情報だけだと世界取引所連合が何を懸念しているのか、どうするべきだと主張しているのかよく分かりませんね。
まずは「トークン化された株式」とは何か、そして証券取引所と仮想通貨取引所に適用されているルールについて知る必要がありそうです。
トークン化された株式とは
「トークン化された株式」とは、すでに発行されている株式をトークン化したものなのか、それともトークンの形で発行された株式のことをいっているのか…
どちらでも同じかな?と一瞬思いましたが、「結局それは証券なのか仮想通貨なのか」という点で考えれば両者はまったく違う性質のものになるような気がします。
詳しく調べてみると、「従来の株式をブロックチェーン上で発行するトークンに変換させたもの」と出てきました。
そのトークンは原資産である株式の所有権を示し、スマートコントラクトによって発行・管理されるといいます。
そしてトークンと現物の株式は1:1になるよう価値が連動する仕組みになっており、規制当局によって認められた保管機関(銀行や証券会社など)が裏付け資産を担保しているそうです。
通常の株式と同じように値上がりによる利益や配当を受けられる一方、株主総会における議決権など「株主の権利」は付与されないとか。
対応するブロックチェーンはイーサリアムが主流で、他にもアービトラムやソラナを使った事例もあります。

証券会社と仮想通貨取引所に適用される規制について
日本では株式や債券を取り扱う証券取引所は「証券取引法」に、仮想通貨取引所は「資金決済法」に基づいて規制されています。
国によって規制機関の決め方が違いますが、アメリカでは扱われる資産の種類によって仮想通貨取引所を規制する機関が異なるようです。
例えば取引される仮想通貨が「証券」とみなされる場合、SECによる規制を受けます。
もし「コモディティ(商品)」とみなされれば、米商品先物取引委員会(CFTC)が規制します。
そのほか州によって独自の規制があるため、日本よりも複雑な規制体系となるでしょう。
しかし基本的に株式は証券取引所が取り扱う証券であり、仮想通貨ファーストな風潮の強いアメリカでも仮想通貨取引所が取り扱うことができないルールになっています。
ところが「トークン化された株式」を当然のように仮想通貨取引所が取り扱っており、これはおかしいのではないかと世界取引所連合は指摘しているわけですね。
仮想通貨企業への免除とは?
世界取引所連合は米証券取引委員会(SEC)に対し、トークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置を見直すべきと主張しています。
「仮想通貨企業への包括的な免除措置」とは、そもそもどんなものなのでしょうか。
実はこれ、まだ正式に成立しているものではなく、検討段階の制度なんだとか。
SEC議長のポール・アトキンス氏は今年中までに導入する計画であるとし、トランプ政権の下では承認される可能性が高いでしょう。
例えば「イノベーション免除」と呼ばれている制度案は、仮想通貨取引業者などのweb3.0企業が既存の規制について適用を除外されるというものです。
具体的な免除条件についてはまだ考案中ですが、SECは年内成立、来年までの施行を目指しています。
世界取引所連合の主張を整理しよう
世界取引所連合が指摘する懸念とは、仮想通貨企業がトークン化株式を「株式そのものをトークンに置き換えたもの」、または「株式と同等のもの」として販売していることだといいます。
世界取引所連合は、実際に販売されているトークン化株式が「株式と同等のものとは言い難い」と主張しているのです。
そしてこのような商品を販売する仮想通貨を規制免除の対象にするのではなく、適切な規制を設けてほしいとSECに求めています。
具体的な例として
「紙ベースで取引履歴を記録させること」
「ブロックチェーン外の管理場所で資産を保管させること」
などが挙げられました。
さらに、従来の規制を回避しようと画策する企業への免除は不適切だと強調しているようです。
投資家保護や市場の健全性を取るか、web3.0業界の発展を取るか…
SECは難しい立場に置かれているようです。
世界取引所連合やSEC、主要な仮想通貨取引所の今後の動向に注目していきましょう。


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