銀行システムとブロックチェーンの違い②【ブロックチェーンのメリットと注意点】

ブロックチェーン 仮想通貨

前回の記事では、銀行による従来の金融システムの仕組みや問題点についてお話ししました。
法定通貨の送金や売買投資において、これまでは仲介業者である銀行に手数料を支払った上で金融システムを利用させてもらうという仕組みになっていました。
一方ブロックチェーンは、銀行などの仲介業者や管理者を必要とせず、ユーザー同士の直接取引が可能になった新しいシステムです。
今回は、ブロックチェーンがどのようにして従来の金融システムの問題点を解決し、ユーザーにどんなメリットがあるのか解説しましょう。

ブロックチェーンとは

仮想通貨やNFTを管理するブロックチェーンは、「分散型台帳」とも呼ばれます。
取引内容はすべて暗号化され、ユーザーによる正当性のチェックをした上で記録されていく分散型の金融システムです。
正しい取引であると承認された取引は「ブロック」に格納され、前後の取引とチェーンで繋ぐようにして保管されます。
一つひとつが独立した個別の取引ではなく、すべてが一連の取引の一部として記録されるため、どれか一つを変更・削除することはできません。

なぜブロックチェーンは中央管理者が不要なの?

ブロックチェーンによる仮想通貨の送金や売買において、仲介業者がいなくても取引ができるのは、ネットワークに参加するユーザーの元ですべての情報が共有されているからです。
仮想通貨やNFTの取引履歴は暗号化した上で公開され、秘匿性を確保しながら透明性の高い取引となっています。
また、ブロックチェーンごとに取引内容を承認する方法が決まっており、このルールがあらかじめプログラミングされているため自動で処理を行うことが可能です。
銀行のような仲介業者が個別に対応する必要はなく、ブロックチェーンに搭載されたシステムによってユーザー同士の直接取引が行われています。

ブロックチェーンが解決する銀行のデータ集中リスクとは

従来の金融システムでは金融機関ごとに膨大なデータが集約されており、銀行の中央サーバーがダウンすればシステムが停止する可能性があります。
サイバー攻撃によって多額の顧客資金が流出し、ハッキングされた銀行の規模によっては世界の経済をストップさせてしまうおそれもあるでしょう。
一方ブロックチェーンでは、複数のユーザーにデータが分散するため特定のサーバーがダウンしてもシステムを維持することができます。
ネットワークの参加者が保有するコンピューターを「ノード」といいますが、複数のユーザーで監視し、取引のたびに正当性をチェックできることもブロックチェーンのメリットです。

ブロックチェーンは中央集権的な金融システムを改善する

従来の金融システムでは必ず銀行などの金融機関が介入し、ユーザーの預貯金や送金取引を管理していました。
オンライン口座開設やATMでの入出金、振込においても、金融機関のデータベースに取引履歴が記録されます。
顧客は自分の預貯金に関する内容であっても銀行の許可なく閲覧することができず、取引履歴の内容証明を求める際は手数料を支払わなければなりません。
以前、通帳を記帳して気になる取引があったので銀行に問い合わせてみたのですが電話では教えてくれず、本人確認書類を持参の上で来店するように言われてしまいました。
その一方で、窓口担当者はオフィスの端末で私の預貯金口座に関する情報を簡単に調べることができます。
本人には教えてくれないのに、他人はいつでも把握できるなんてそんなのおかしいじゃないかと言いたくなりますが…
従来の金融システムではそれが当たり前であり、銀行員であれば改ざんや横領ができてしまうわけです。
ブロックチェーンではどうなっているかというと、誰でも取引履歴を閲覧することができます。
ただし公開されているのはウォレットアドレスと取引内容のみで、どこの誰が保有するウォレットなのかは分かりません。
ユーザーの個人情報は守られており、ノードは純粋に取引の正当性だけをチェックすることができるのです。
取引内容の一部を改ざんするには連続した前後の取引も編集してつじつまを合わせる必要があり、結局は最古の取引から最新まですべてを書き換えなければなりません。
たった一つを改ざんするのだって容易ではなく、ブロックチェーンを丸ごと編集するのは事実上不可能だと考えられています。

ブロックチェーンを活用する最大のメリットとリスクについて

従来の金融システムに比べてブロックチェーンが秀でている点は、取引の透明性と安全性、改ざんが事実上不可能であること、そしてユーザーが資金を自己管理できることです。
仲介者に頼らずに自由な取引ができ、第三者に個人情報を提出する必要もありません。
また、手数料はブロックチェーンの利用料金として必要な「ガス代」のみで良いため、取引コストが抑えられる可能性が高いです。
ただし原則として資金の盗難や紛失の補償はなく、ハッキングや送金ミスによって失われた資金を取り戻すことは不可能だと思っていた方が良いでしょう。
金融機関を利用した場合は入出金の取り消しや振込の組み戻しができますが、ブロックチェーンではそのような仕組みがありません。
ブロックチェーンは完全なる自己責任の上で行う取引・資産運用の仕組みであり、従来の金融システムにおけるコストは安全保障上の必要経費と考えることもできるでしょう。

 

仮想通貨やNFTを別のウォレットに移動する際、アドレスの入力間違いやブロックチェーンの選択ミスによって資産を失う「セルフゴックス」を経験する人も少なくありません。
操作の取り消しは不可能であり、多額の資金を投じて手に入れた仮想通貨、高価なNFTもブロックチェーンの闇に消えることになるでしょう。
これを防ぐには「気を付ける」以外の方法はなく、慎重に慎重をかさねた取引をするしかないのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました