トランプ政権になってから、アメリカでは暗号資産関連企業が銀行業免許を取得しようとする例が増えています。
日本でも暗号資産交換業者が従来の銀行を設立し、暗号資産取引所と併設する形でサービスを提供している例があります。
今回は、日本における銀行業の許可制度はどうなっているのか調べるとともに、銀行サービスを提供する暗号資産取引所のリスクについて考えてみました。
Ripple社が銀行設立!?国際送金だけじゃない金融サービス企業へ
大手取引所のKrakenは「特別目的預金金融機関」として銀行を設立しており、同社はワイオミング州で初めて認可された暗号資産業者による銀行となりました。
2025年7月にはXRPを発行するRipple社と暗号資産の保管業務を行うBitGo社が銀行業の許可を申請したと報道され、米通貨監督庁(OCC)も2社の申請を受理したことを認めています。
Ripple社は米証券取引委員会(SEC)から違法な営業をしていると指摘されたこともありましたが、長かった法廷闘争も今年ようやく終結しました。
今は国際送金に特化したブロックチェーンを開発するフィンテック企業のイメージが強いですが、銀行業許可を取得すればさらに幅広い金融サービスの提供が可能になるでしょう。
日本ではどうなっている?銀行業の登録を受けた暗号資産交換業者も
日本でもRipple社のように暗号資産から株・FXなどの金融商品へと取り扱い対象を広げる企業がいくつかあり、例えばGMOコイン株式会社は暗号資産交換業者と第一種金融商品取引業者の2つの登録を受けています。
両方の登録があれば法定通貨(株式などの有価証券も)と暗号資産のいずれも取り扱うことができますが、現時点で銀行など従来の金融機関が暗号資産交換業者に登録されている例はありません。
つまり、暗号資産交換業者が銀行業の認可を受けることはあっても、銀行が暗号資産交換業の認可を受けることは今までになかったというわけです。

どうして銀行は暗号資産交換業の許可を申請しないの?
従来の金融機関がブロックチェーンで管理される暗号資産を受け入れれば、自らの存在意義を否定することになるかもしれません。
暗号資産の交換や管理、決済などのシステムはブロックチェーンによって行われ、これまで常識だった金融機関による仲介がすべて不要になります。
紙の伝票や帳簿、中央集権型のデータベース、人間の窓口担当者も必要なくなり、そうなれば銀行も要らないということになるわけです。
暗号資産交換業者が銀行業の認可を受けようとするのは、まだこの世界に広く普及している既存の金融商品も取り扱いたいから。
しかし銀行でどちらも取り扱えるようになると、暗号資産関連サービスを利用するユーザーばかりが増えて従来の金融サービスが立ち行かなくなるような気がします。
未来を見据えるなら、銀行が暗号資産交換業の認可を取得するより、いっそ暗号資産を専門に扱う業者として再出発した方が採算が取れるでしょう。
まあ、私が深読みしすぎていて、本当のところは銀行としてのプライドによる抵抗なのかもしれないけど(笑)
銀行業に登録されても暗号資産取引所のリスクは変わらない
暗号資産やトークンは資金決済法が適用され、金融庁から暗号資産交換業者の登録を受けた者が取引所などのサービスを提供することができます。
いっぽう株などの有価証券や投資信託といった金融商品は金融商品取引法が適用され、取り扱うには金融商品取引業者の登録が必要です。
暗号資産交換業者と金融商品取引業者は取り扱いが可能な対象物が異なり、それぞれ別の法律によって規制されています。
どちらにも登録されれば暗号資産も金融商品も取り扱いが可能になりますが、安全な取引や信頼できるサービスを提供するには、高度なシステム構築が必要です。
単純に暗号資産も株式も売買できるというわけではなく、それぞれに適用される法律を遵守して健全な市場形成に貢献しなければならないのです。
運営の仕方によっては金融庁によるペナルティの対象となり、どちらの登録も取り消される可能性があります。
母体である企業が銀行業にも登録されたからって、暗号資産投資において安全性に全く問題のない取引所であるとはいえないのです。
私たちユーザー側も、「株式もFXもできるようになって便利!」と喜ぶだけでなく、サーバー攻撃に対するセキュリティや資金管理体制についてしっかり調べる必要があるでしょう。
どんな分野でも、幅広く手を広げすぎると失敗するものですからね…
取引量の多い暗号資産交換業者は?
最後に、すでに銀行業を取得しているところも含めた、ビットコイン取引量の多い暗号資産取引所を開設している交換業者についてご紹介しておきましょう。
これから株式やFXも取り扱えるようになる取引所があるかも…?
1位:bitFlyer(ビットフライヤー)
2位:GMOコイン
3位:Coincheck(コインチェック)
4位:bitbank(ビットバンク)
5位:OKJ
暗号資産のみを取り扱う業者、株式やFXも取り扱う業者のどちらにもハッキングによる資金流出や倒産のリスクがあり、「両方に登録されている方が安心」というわけではありません。
銀行が暗号資産の不安要素を懸念して、あえて手を出さないようにしている可能性もあります。
暗号資産投資にしても、既存の金融サービスにしても、どこを利用するかはユーザー側が慎重に選ぶ必要があるでしょう。


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