再び先進国に戻れるか!?日本の暗号資産規制の歴史と2025年改正法案

ビットコイン 仮想通貨

10年以上前、世界の暗号資産市場をけん引する先駆者であった日本でしたが、現在は多くの国に追い越されてしまいました。
暗号資産にかけられた高い税率は、日本国民をクリプト界からどんどん遠ざけているでしょう。
規制見直しで日本の暗号資産市場がどう変わるのか、多くの投資家がハラハラしながら見守っているわけですが…
今回は日本における暗号資産規制の歴史を調べるとともに、今後の関連法改正で私たちの暗号資産ライフがどう変化するのかを予想してみました。

アメリカでは規制緩和、日本では…?

トランプ大統領が暗号資産に関する規制を緩めるべきだとの姿勢を示し、アメリカではビットコイン大国を実現するための政策が着々と進められています。
この流れに乗って、日本でも暗号資産規制が緩和され、高すぎる税率が低くなったり、もっと取引しやすい市場が形成されたりするのではないかと期待されていました。
2月10日には、金融庁が6月の制度改正案公表に向けて、暗号資産規制の見直しを検討しているとの報道も。
この見直しによって、「もちろん規制緩和の方へ動くだろう」と予想する投資家も多かったと思います。
当時の情報では、金融庁が立ち上げた勉強会が
「暗号資産は投資対象である」
「有価証券に準ずる金融証券として認める必要がある」
という意見で一致したとのことでした。
ここからスムーズにいけば、日本でも暗号資産ETFが承認される可能性が高まります。
さらに、信頼性のある投資対象として市場で取引されることで、今よりは規制を緩やかにしても問題ないだろうと思っていたのですが…
勉強会を経て、金融庁は投資家保護のため、より強い規制が必要だとの結論に至ったようです。
アメリカと足並みを揃えると思いきや、真逆の方向へ進もうとしている日本。
果たして、これから私たちの暗号資産市場はどうなっていくのでしょうか。

日本の暗号資産規制はどうなっている?

ここで改めて、現在日本ではどのような規制を暗号資産に対して敷いているのか整理しておきましょう。

日本の暗号資産ルールは2017年から

金融庁は2017年に資産決済法を改正し、暗号資産を取り締まりの対象に含むことを規定しました。
顧客からの預かり資金と自己資金を区別して管理する「分別管理」を鉄則とするなど、暗号資産取引所に対しても厳しい規制をかけます。
それまで、暗号資産には法的な根拠がないとされ、取引に関するルールも定められていない状態でした。
取引業者が破綻したり、犯罪組織に盗み取られたりしても、投資家を保護する仕組みがなかったのです。
さらに、暗号資産の売買をする際には消費税がかけられていました。
改正法が施行されると、ビットコインなどの暗号資産は支払い手段の一つとして法的に明記され、会計処理上の「資産」として扱われるようになります。
また、消費税は撤廃され、取引自体に関しては非課税に。
(売買で利益が発生した場合は所得に対して税金が発生)
このような暗号資産に関する明確なルールは、当時他の国ではまだ存在していませんでした。
つまり日本は、世界に先駆けて暗号資産を合法的な決済手段として認めた国だといえます。
アメリカよりも先に、世界中の投資家からビットコイン大国と呼ばれていたわけです。

2020年さらに厳しい規制が敷かれる

2017年の資産決済法改正後、詐欺ICO事件が頻発したことをきっかけに、より厳格な規制ルールが盛り込まれます。
2020年施行の改正資金決済法では、資産の保全性と投機的性質を持つICOを「Security Token Offering(STO)」として区別し、金融商品取引法で規制しました。
これまでは「仮想通貨」という呼び名が一般的でしたが、国際的な基準に合わせ、正式な名称を「暗号資産」と定めます。
暗号資産交換業者に対してはコールドウォレットでの資産管理を義務付け、顧客からの預かり資産のうち95%はコールドウォレットに保管するよう求めました。
また、暗号資産の関する店頭デリバティブ取引やその媒介・取次・代理を行う場合は第1種金融商品取引業者の登録が必要になりました。

2023年にも資金決済法が改正

日本の暗号資産ルールはずっと変わっていないと揶揄されることもありますが、実は一昨年にも規制内容が一部改正されています。
2023年改正資金決済法では電子決済について触れ、これまでグレーゾーンであったステーブルコインについても規制が盛り込まれました。
日本で法定通貨を裏付け資産とするステーブルコインが発行できるようになったのは、実は結構最近のことなのですね。
法定通貨が担保されていれば「デジタルマネー型」であり、電子決済手段として認められます。
いっぽう暗号資産が担保になっている場合は、電子決済ではなく「暗号資産」とみなす通貨になります。
デジタルマネー型ステーブルコインを発行できるのは銀行や資金移動業者、信託銀行のみです。
仲介者においては登録制を導入し、投資家から集めた資金がテロ資金に使われたり、マネロン(資金洗浄)されたりしないよう規制しました。

現在の規制内容では、特にボラティリティの大きい暗号資産市場においても投資家が安全に取引できる環境を提供しているといえます。
ただし、金融庁を納得させるための運営要件を揃えたり、高いセキュリティ性をキープしたりするには多額の費用がかかるでしょう。
私たちが暗号資産を取引する際に徴収される手数料には、このコストが反映されているのかもしれません。

日本で暗号資産取引所を開設するのは難しい!?

日本が作った暗号資産ルールでは、取引所に対して厳しい規制をかけています。
資金決済法において、暗号資産交換業を営むには内閣総理大臣の登録を受けることが義務付けられており、そう簡単に許可を得られるものではありません。
登録に必要な要件を挙げると、
・国内に営業所がある
・国内において代表者がいる
・内閣府令で定める基準を満たす財産的基礎がある
・法令順守のための体制が整備されている
…などが設けられています。
安全に使えるシステムが構築でき、セキュリティもばっちりで、さらにある程度の資金力もある業者でなければ、日本国内で暗号資産取引所を開設することができないというわけです。
現在、日本で暗号資産交換業を営んでいるのは、すでに他の金融サービスを提供してきた大手企業が多いと思います。
証券会社やIT企業が暗号資産取引所も開設した、という感じですね。
一から暗号資産交換業として立ち上がったところもありますが、個人が取引所を開設するのはかなり難しいでしょう。

2025年、日本の暗号資産規制はどう変わる?

現在金融庁が作成中の規制改正案としては、暗号資産を有価証券にほど近い「金融商品」として位置づけること、暗号資産交換業者への情報開示規制を強化することなどが検討されているといいます。
実は株式や債券などの有価証券に比べ、暗号資産の場合はそれほど情報開示に関するルールが厳しくないとか。
公開するべき情報の範囲を拡大すれば、投資家は取引所の経営状態についてより詳細なデータを得ることができます。
これは不適切なサービスによって損失を被るリスクを抑えるだけでなく、取引所に対する信頼性を高める効果も期待できるでしょう。
つまり、新たに設けられた厳しいルールを合格した取引所だけが、日本国内で営業することができるというわけです。
そう考えれば、確かにそっちの方がいいかも…
ただ規制を緩めたのでは、悪質な業者が増える懸念もあります。
投資家に優しく、取引業者に厳しいルールを設けることで、安全かつ活発な暗号資産市場が形成されていくのではないでしょうか。

 

トランプ大統領はまず過激なことを言ってから、少しずつ対応を緩めるという手法で商談を進めたいタイプだそう。
日本の場合もはじめに厳しい規制を敷いたうえで安心できる土壌を作り、段階的に取引しやすい環境へと整えていくつもりなのかもしれません。

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