web3.0とは、個人のデータをユーザー自身で管理できる「分散型インターネット」のことをいいます。
仲介業者を通さない当事者同士の直接取引、中央管理者のいないプラットフォームやプロジェクトの運営など、国や政府、金融機関、特定の巨大企業に依存しないシステムの構築も可能です。
これはブロックチェーン技術によって実現された仕組みであり、純粋にユーザーだけでさまざまなシステムを活用することができるようになりました。
例えばブロックチェーンに搭載されている「契約を自動的に動作させる」プログラムは、仮想通貨取引やDeFiにも使われています。
今回は、ブロックチェーン技術のなかでも特に注目されている「スマートコントラクト」について解説しましょう。
スマートコントラクトとは
ブロックチェーンには、事前に取り決めされた契約内容を自動的に実行させる機能が搭載されている場合があります。
この機能を「スマートコントラクト」といい、近年ではブロックチェーン上で実行される契約そのものを指す言葉としても使われるようになりました。
例えば仮想通貨の取引において、スマートコントラクトに「1BTC=1,000万円になった時に1万円分だけ購入する」とプログラムしておくと、この条件が満たされたタイミングで自動的にBTCの購入が完了します。
注文や日本円出金などの手続きを踏むことなく、あらかじめ登録されていた契約内容に沿って実行するのがスマートコントラクトの機能です。
DeFiやNFTマーケットプレイスなどのプラットフォームにも応用されており、完全にユーザーだけで使える分散型仮想通貨取引所(DEX)や分散型自律組織(DAO)、分散型アプリ(DApps)にも根幹的システムとして搭載されています。
スマートコントラクトの内容は変更できない
スマートコントラクトの契約内容は当事者間の合意を持って決定され、以降は基本的に変更できません。
これはスマートコントラクトがブロックチェーン上で稼働するシステムであることが理由であり、第三者はもちろん、契約内容をプログラムした本人も変更できない仕組みになっています。
ブロックチェーンに記録される取引内容はハッシュ値によって一つ前のブロックと紐づけされているため、どれか一つを変更する場合はつながっている前後の内容も書き換えなければなりません。
もし前後を書き換えたら、それらにつながっている前後の内容も書き換える必要があり、結果的にブロックチェーンに記録されているすべての内容を変更しなければならなくなるのです。
ブロックチェーン上では常時さまざまな契約が実行されており、契約内容のたった一つを変更するだけでも膨大な時間がかかります。
変更が絶対にできない仕組みにはなっていませんが、現実的にはほとんど不可能だといえるでしょう。

スマートコントラクトの透明性
ブロックチェーンに記録される取引内容は、ネットワーク上で誰でも確認できます。
例えばイーサリアム(ETH)は、Etherscan(イーサスキャン)というサイトにアクセスして生成されたブロックと記録されている取引内容(トランザクション)を見ることが可能です。
ここにはウォレットアドレスが表示され、そのユーザーがどのプラットフォームを利用したかも把握できます。
スマートコントラクトはブロックチェーン上で稼働するシステムであり、実行内容はユーザー全員で常に検証され、正当性が確認されているのです。
ただし、このウォレットをどこの誰が持っているという個人情報までは開示されないため、官公庁やGAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)にデータを集約されるよりはるかに安全でしょう。
スマートコントラクトは透明性と安全性を両立させた、ブロックチェーンにおける優れた機能の一つです。
スマートコントラクトとDAO
仮想通貨プロジェクトは、中央集権的な運営から分散型の運営への切り替えを目指すケースもあります。
そもそも仮想通貨は、ユーザー同士の直接取引とデータの分散管理が可能であることがメリットです。
これをもたらしているのもブロックチェーン技術によるものですが、実際は特定のプロジェクトが独自トークンとして仮想通貨を発行し、供給量や取引内容を制限することもあります。
このような仮想通貨では発行主体が大きな力を持ち、ユーザーの自由で透明性の高い取引を阻害してしまうおそれがあるでしょう。
仮想通貨やNFTの発行や新たな事業の遂行、プロジェクトの方針などをあらかじめスマートコントラクトに登録させれば、変更できない自動プログラムによる「完全分散型」の組織運営が可能になります。
この方法を採用したプロジェクトは特定のリーダーを置く必要がなくなり、ユーザー一人ひとりがチームの利益のためだけに活動することができるでしょう。
スマートコントラクトは仮想通貨・NFTの業界を超え、不動産や保険、金融へと活躍の幅を広げています。
近い将来、私たちは役所や銀行、勤務先の管理職などにさまざまな届け出をする必要がなくなるかもしれません。
その人のすべてが分かる可能性のある数字を記載してあちこちに提出しないといけないマイナンバーより、スマートコントラクトの方が絶対に安全ですよね(^_^;)


コメント