LOLLIPOP(ロリポップ)の公式サイトを見ていたら、スワップ機能がちょっと変わっていました。
今まではBNBやBUSDなど、バイナンス系コインでしかLOLLIPOP(ロリポップ)のトークン「LPOP」と交換できなかったのですが・・・。
BUSDがスワップで使える通貨の選択肢から消え、代わりに「USDT」が追加されていました。
ん?USDTってなんだっけ・・・?
ということで今回は、USDTという仮想通貨について勉強していきましょう。
「USDT」ってどんな通貨?
仮想通貨「USDT」は、Tether社から発行されたイーサリアム系コインです。
「テザー」と呼ばれることもあります。
これは、現実のお金であるアメリカドルとペッグされている「ステーブルコイン」です。
次で仕組みを説明しますが、ステーブルコインではない仮想通貨に比べるとUSDTは価格が安定しやすいという性質があります。
そのため、安全に投資できる仮想通貨としても知られているでしょう。
また、異なるブロックチェーン間でも取引可能なため、多くのプラットフォームで使用されています。
「ステーブルコイン」の仕組み
ステーブルコインとは、法定通貨とペッグさせることによって取引価格の安定を図っている仮想通貨のことをいいます。
「ペッグ」とは他の通貨と連動させるという意味で、USDTのように法定通貨に紐づけされたコインもあれば、他の仮想通貨と連動しているコイン、金など商品の価格と連動させるコインもあります。
どうして連動させることができるかというと、仮想通貨の発行時に法定通貨・他の仮想通貨・金などの商品価値を担保に入れているからです。
つまりUSDTの場合、発行量に応じた額のアメリカドルを運営資産に預け入れて価格を安定させているわけですね。
ステーブルの価値は担保の資産の価値によって保証されることから、「担保の資産に裏付けされたコイン」とも呼ばれています。
USDTがスイス都市の法定通貨に!
エルサルバドルという国は、2021年に仮想通貨であるビットコインを法定通貨に定めました。
国民に対し、BTCで決済するのが一般的になるように政策を組んだんですね。
しかし、この政策は今のところ成功しているとは言えません。
いくらかのBTCが入ったウォレットも配布しましたが、国民の多くは仮想通貨より法定通貨のアメリカドルを使いたがっていたみたい。
中南米最貧国と呼ばれるエルサルバドルの、現状を覆す大胆な経済政策になると期待されていたのですが・・・。
ちょっと時代が早すぎたのかもしれません。
やっぱり現実世界では難しいのかな・・・と思われましたが、スイスの都市ルガーノが次に続くことに。
USDTとBTC、スイスフランに連動している「LVGA」というステーブルコインの3銘柄を法定通貨(事実上の)にすると決定しました。
ルガーノ市はUSDTを発行するTether社と協力関係を結び、ヨーロッパにおけるブロックチェーン技術の主要拠点となることを目指しています。
エルサルバドルのように「BTCあげるから、決済に使っておくれよ」と言うだけではなかなか普及しないかもしれません。
でも、仮想通貨を発行する企業と手を組み、ブロックチェーンの根本から新しいプロジェクトを考えるルガーノ市なら上手くいきそうな気がしてきました!
いきなり国の法定通貨にせず、一部の地域から実験的に始めたのも賢いやり方だったのかなと思います。
「Kusamaネットワーク」って?
USDTは、2022年4月に「Kusamaネットワーク」のシステムに加わることを発表しています。
このネットワークが何かと言うと、異なるブロックチェーン同士をつなぐような仮想通貨ネットワークのことです。
同じようなものに「Polkadot」というネットワークがありますが、これはイーサリアムなど情報が集まり過ぎて処理が遅くなる「スケーラビリティ問題」を解決すると期待されています。
KusamaネットワークもこのPolkadotに続く画期的なエコシステムになるといわれており、界隈では「ここにUSDTが入ってきたか!」という感じらしいです。
複数のNFTマーケットを一括管理できる”NFT帝国”がローンチ予定のLOLLIPOPも、異なる性質のものをつなぐ役割が期待されています。
LOLLIPOP(ロリポップ)がUSDTを選択肢に加えた理由は、ここにあるのかもしれません。
ドルが担保に入ってなかった!?
アメリカドルを担保に発行することで、「法定通貨と同じ価格になるから安心♪」と信頼されていたUSDTでしたが・・・。
実は2021年にアメリカの商品先物取引委員会により「法定通貨に裏付けされてないですよ!!」と指摘されてしまいました。
故意か過失か分かりませんが、USDT発行数に比べて担保に入っているアメリカドルが不足していたみたいです。
結局テザー社は自分達の非を認め、4100万ドルの罰金を支払いました。
現在は問題なく運営していますが、今後も担保額についてチェックする必要があるかもしれません。
ただ、多くのユーザーに見張られて当局からも監視されていますし、それほど心配しなくても良いのかな?と思います。
結局はアメリカドルが一番強い!
USDTの強みは、何よりもアメリカドルに裏付けされているということです。
仮想通貨も成長していますが、世界的に見ても依然アメリカドルが主要な通貨になっています。
いきなり「新しい仮想通貨ができました♪」と言っても、なかなか広まらないのが現実です。
でも「アメリカドルが担保に入ってるから、同じようなものだよ」という仮想通貨が登場したらどうでしょうか。
「アメリカドルと同じ価格で使えるなら使ってみようかな」と思いますよね。
また、「アメリカドルが欲しいけどここでは手に入らない・・・」という国もあります。
アマゾンの奥地やアフリカの大草原では、銀行口座すら持てない人もいるのです。
USDTならウォレット、つまりパソコンさえあれば入手できます。
アメリカドルの代わりとしても、USDTは大きな役割を果たしているでしょう。
ところでどうしてLOLLIPOP(ロリポップ)はUSDTに変えたの?
LOLLIPOP(ロリポップ)の公式サイトに戻りまして・・・。
スワップ機能と流動性プール機能の画面を見てみると、選択できる通貨にUSDTが新登場しているのが分かります。
以前はここに「BUSD」がありました。
どうして急に消えちゃったのでしょうか。
調べてみると、ニューヨークの金融当局がBUSDの発行停止を命じたことが理由みたいです。
そもそもBUSDは、バイナンスと「Paxos」というブロックチェーン開発企業が共同で発行しているステーブルコインのこと。
アメリカドルとアメリカの国債が担保に入っており、アメリカドルとペッグさせた仮想通貨です。
便利で価格も安定しているので、それなりに人気のコインでしたが・・・。
「イーサリアムブロックチェーンで発行する認可は出したけど、他のブロックチェーンでは許可していないはずだよ?」と当局に指摘されてしまいました。
そのほか、リスク管理や顧客に対する対応についてもちょっと問題があるらしくて(^_^;)
当局は、Paxos社にBUSDの新規発行を停止させることになります。
だからLOLLIPOPでもBUSDが使えなくなったのね!
でも今回の指摘はPaxos社に対してなので、他のバイナンス系コインは無事です。
BNBとWBNBに関しては引き続き使用できるので、ご安心を♪
注目すべきはLOLLIPOP(ロリポップ)の対応
基本的に、web3.0は自己責任の世界。
各種プラットフォームも、ユーザーに対していちいちお知らせ文書を配ったりしません。
新規発行を停止したからといって、BUSDを使ったスワップやステーキングは利用可能です。
うっかりBUSDを使って資産運用しちゃっても、それはユーザーの自己責任になります。
でもLOLLIPOP(ロリポップ)はユーザーファースト♪
当局の命令をタイムリーに把握して、しっかりBUSDを削除しといてくれました!
今後もLOLLIPOP(ロリポップ)で使える仮想通貨が増えるらしいし、柔軟に対応してくれるのはありがたいですね。
BUSDがなくなっちゃったのか~とショックを受けることなかれ!
むしろ、ステーブルコインとして一番人気のUSDTが使えるようになって喜ぶべきです。
これからはLOLLIPOP(ロリポップ)がもっと使いやすく、もっと安心できるプラットフォームになるのではないかと思います。
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