仮想通貨のデータは隠せる?「プライバシーコイン」とは

ハッキング 仮想通貨

仮想通貨は、取引のデータがユーザー同士で確認できるようになっています。
ブロックチェーンによって刻まれた取引データは、常に不正がないかチェックされているから安心・・・というのが今までの常識でした。
しかし、実はそこに落とし穴があったみたいです。
取引データだけでなくウォレットのアドレスも筒抜けなので、そこを詐欺やハッキングに利用する悪人もいます。
データやアドレスが丸見えなのは、仮想通貨だから仕方がないことなのかな・・・?
今回は仮想通貨のプライバシーについて考えてみましょう。

仮想通貨取引は何が危険?

仮想通貨投資をしている人のなかには、詐欺やハッキングの被害に遭っている人も少なくなりません。
「公式サイトだと思ってシードフレーズを入力してしまった」
「不明なURLにアクセスしてしまった」
など、多くの仮想通貨トラブルが報告されています。
「いつの間にかメタマスクからETHを抜き取られていた」と、原因すら思い当たらない人もいるでしょう。
仮想通貨は取引データが世界中に公開されます。
仮想通貨を買った人、売った人、エアドロップ企画でもらった人も調べることが可能です。
取引と関係ない他のユーザーにウォレットのアドレスを見られるなんて、なんだか気持ち悪いですよね(^_^;)
銀行であれば、ウェブ上に口座番号が貼りだされているようなものです。
誰に送金したとか、誰から受け取ったとか、そんなことまで知られてしまいます。
ウォレットのアドレスが分かれば、どんなNFTを持っているかも分かるため盗難の被害に遭う可能性も高まるでしょう。
ウイルスが仕込まれたNFTが勝手に送り付けられ、「なんだろう?」と思ってクリックしたらNFTが抜き取られたという事案も発生しています。
仮想通貨は常に危険と隣り合わせの投資なのです。

「プライバシーコイン」ってなに?

仮想通貨のデータが公開されているのは、ブロックチェーンの意義から見ても当たり前のことでした。
しかしそれでは不都合が起こる場合や、ハッキングのリスクを抑えたい場合もありますよね。
例えば匿名で仮想通貨を寄付したくても、アドレスを見れば誰が送ったか一目瞭然になってしまいます。
また、「あのウォレットに大金が入っているぞ」と知られるだけでターゲットになってしまいます。
そこで考えられたのが「プライバシーコイン」。
これは仮想通貨の取引データを追跡不可能にし、ウォレットを匿名化したものです。
このコインを使って取引すれば、ハッキングから目を付けられる確率も減るでしょう。

どうして追跡できないの?どんな仕組み?

プライバシーコインの取引履歴が追跡できないのは、ブロックチェーンの始まりと終わりを隠しているからです。
他にもウォレットのアドレスや残高を隠す方法や、複数の取引を一つのトランザクションにまとめて分別できなくする方法もあります。
特徴的なものを見てみましょう。

・ステルスアドレス

取引のたびに、アドレスを新しくする方法です。
通常だと仮想通貨の入出金用アドレスは一つだけ。
AさんとBさんの間で複数回取引が行われても、アドレスは一つずつです。
しかしステルスアドレスを使った場合は、入出金の都度アドレスが生成されます。
例えばAさんとBさんの間で2回送金があると、
①Aさんから出金
②Bさんへ入金
③Bさんから出金
④Aさんへ入金
の4つのアドレスが生まれることになりますね。
このアドレスを調べても、その一回ぽっきりのデータしか出てこないのでその後の追跡は不可能です。

・コインミキサー

複数の送金人からコインを集め、一つのトランザクションにまとめる方法です。
送られてきたコインのデータは一旦一つの場所に格納され、新しいアドレスを使用して受取人へ送金されます。
送金人と受取人の間にコインミキサーが入ることで、誰に送ったか、誰から送られたか分からなくなるでしょう。

・リングシグネチャー

メタマスクの署名は、取引データに自分の名前を刻むようなものです。
外部の人間でも取引データをさかのぼれば、誰が取引したか分かってしまいますよね。
複数の人が同じ場所に署名するリングシグネチャーを使うと、取引者を特定するのが難しくなります。
署名する人が多くなるほど、誰が取引したか分かりづらくなるでしょう。

仮想通貨

マネロンに利用されるかも・・・

資産を守りたい人にとっては効果的にも見えるプライバシーコインですが、一方でマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されるのではないかと懸念している人もいます。
プライバシーコインは、取引履歴の追跡ができません。
そのため、たとえ仮想通貨取引所から盗み出されても当局は手も足も出ないでしょう。
どこへ送られたか、最終的に誰が手に入れたのか知ることは不可能です。
犯罪行為によって得られたお金をプライバシーコインに換えてしまえば、いくら使っても足がつくことはありません。
自分の資産やウォレットのプライバシーを守りたい人だけではなく、犯罪者も目を付けている技術かもしれません。

どんなプライバシーコインがある?

仮想通貨のセキュリティが心配で、プライバシーコインで投資する人もいます。
例えば、次のような仮想通貨があります。

・Monero(XMR)

ステルスアドレスとリングシグネチャーを使ったコインです。
送信者と受信者、取引の合計額を隠せます。

・DASH

ユーザー自らが取引データの公開・非公開を選択することができます。
国によってはデータを隠すことを容認していない取引もあるため、このコインを使えば規制を守りつつ投資できるでしょう。

・ZCash(ZEC)

ユーザーによって取引を隠すことができる「ゼロ・ナレッジ・プロトコル」が実装されています。
送信者と受信者、取引金額を非公開にできるコインです。

・Beam

今一番人気のあるプライバシーコインです。
匿名性の高いブロックチェーンを使っているため、アドレスを見ることができません。
取引内容は完全に隠され、オフラインでも取引が可能です。

プライバシーコインは規制に注意

マネロンとしても使えてしまうプライバシーコインは、当局からの監視が厳しくなっています。
最近はプライバシーコインに対する規制も増えており、一部の取引所では上場廃止にするところも・・・。
一時は日本も、プライバシーコインの所持が禁止されていました。
現在でも国内の取引所でプライバシーコインの取り扱いはなく、なかなか手を出す人もいないと思います。
私が調べた限り、プライバシーコインを使って良いとも悪いとも出てきませんでした。
海外取引所で購入することはできても、マネロンに使われたと疑われる可能性も0ではないのかな・・・。
もしプライバシーコインで投資しようと思っているなら、政府や金融庁の規制があることも頭に入れておいてください。

LOLLIPOP(ロリポップ)がプライバシーコインについて言及

LOLLIPOP(ロリポップ)の公式Twitterでも、プライバシーコインについての投稿がありました。
ただし良いとも悪いとも言っておらず、仮想通貨の基礎知識として書いてみただけのようです。
別の投稿では、ブロックチェーンに保存するデータ量を削減するシステム「ZK-Rollup」について言及していました。
「取引データに何でもかんでも記録するより、隠すものがあっても良いんじゃない・・・?」という考えがLOLLIPOP(ロリポップ)にもあるのかな?
この投稿に貼られた画像にはいつものペロペロキャンディーが描かれていたので、もしかしたらLOLLIPOP(ロリポップ)は今後ZK-Rollup化するのかもしれません。

 

ブロックチェーンで開かれたデータになるのは、良いことばかりではなかったんですね。
匿名性を取るか、透明性を取るか。
そんな議論があるなんて初めて知りました(^_^;)

コメント

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