2023年メタバースはどこまで成長した?これまでの事例を振り返ってみよう

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メタバースが話題になり始めてから1,2年が経ちましたが、最近はどんな感じなのかな・・・?
買い物とかライブがメタバースで楽しめるようになるとか、自分の部屋をメタバース内に持つことが当たり前になるとか言われていましたが、結局どうなったのでしょうか。
私がメタバースという言葉を知ったばかりの頃は、まだまだ専用プラットフォームが少ない状態でした。
メタバースで営業活動や会議を行う企業もわずかで、一部のネット民が集まる場というイメージが強かったと思います。
今回は、2023年になってメタバースはどんな進化を遂げたのか調べていきましょう。

メタバース事業は伸びた?それとも・・・

2020年時点でのメタバース市場規模は、約68兆円でした。
2024年には約111兆円にまで成長するといわれ、世界でも多くの企業が参入し始めています。
国内では2021年時点で約744億円、2026年には約1兆円規模にもなると予想されているとか。
この試算通りにいけば、2023年の現在はかなり大きく伸びていることになりますが・・・。
調べてみると、2023年11月現在はまだ年度の途中なので、「見込み」として公表されています。
コミュニケーションウェアラブル矢野経済研究所のメタバース国内市場の動向調査によると、前年度比207%の成長率を見せ、2023年は2851億円まで成長すると見込まれているそうです。
2020年、2021年に予想されていた通り、2023年現在もメタバースは成長期の真っただ中にいると言えます。
このままどんどん加速度的に進んでいけば、2026年の約1兆円は射程圏内でしょう。
さらに2027年には2兆円を超える市場規模になるとの見立てもあり、まだまだメタバースには希望が持てる状況です。

メタバースがいまいち盛り上がらないワケ

市場調査では驚異的な数字を叩き出しているけど、私たち一般人が「メタバース盛り上がっているよね!」と実感するにはいまひとつ足りないのではないとかというのが正直なところかも。
実際、私はメタバースのライブに行ったことがないし、メタバースで買い物をしたこともありません。
一応メタバースプラットフォームやアバターも持っているけど、空間内をぐるっと一周しただけで終わりました(笑)
そこに行ってみたいブースがあるとか、何か目的があるわけでなければ、わざわざメタバースに行こうと思わないからです。
友人に聞いてみても、メタバースが何か知っているけどプラットフォームをインストールしたり、ライブに参加したりするのは「めんどくさい」とのこと。
現在のメタバースには、誰もが訪れたくなるほど魅力的な場所がそれほど多くはないのかなと思います。
今後もメタバースが成長し続けるためには、テレビやネットニュースに取り上げられたり、バラエティ番組のコーナーに利用されたりするような有名プラットフォームが登場するべきではないでしょうか。
時々NHKで紹介されているメタバースの取り組みもあるけど、なんだか難しそうだしね(^_^;)
もっと地上波のデータ放送みたいな、リモコン一つでクイズに応募できるようなシステムがあれば良いのにと思います。
現在のメタバースはパソコンやスマホを使えばただのゲームっぽいし、VR・AR機器を使うにはお金がかかり過ぎるようなプラットフォームしかありません。
メタバースのメリットや可能性に対し、デバイスの方が力不足って感じかな。
SF映画に出てくるようなリアルで自由な仮想空間は、実現するまでにまだまだ時間がかかるでしょう。

国内のメタバース事例は?

2023年度までに、国内でもメタバース事業に乗り出した企業がたくさんありました。
例えばこんな事例が話題になりましたね。

・日産自動車がメタバースで新車発表

メーカーによる新車お披露目会は、大きなイベント会場で催されるイメージがあると思います。
日産自動車は2022年5月、VR技術を導入したSNSプラットフォーム「VR Chat」内のメタバースで新型軽電気自動車「日産サクラ」発表イベントを開催し、自社のユーザーを驚かせました。
日産副社長はアバターの姿で参加し、ボイスレターでのプレゼンテーションも行われています。
メタバース内に設置されたドライブコースを使って、バーチャルな新車に試乗できるコーナーもありました。
現実世界の新車発表会では、遠い会場まで足を運んだり、試乗するために書類の手続きをしたりする必要があります。
気軽にフラッと行けるという点では、メタバースの利用がどれほど便利か分かりますよね。
一方、メタバース新車発表会・試乗会を企画した担当者に言わせれば、販売スタッフがアバターを操作したり、仮想空間でプロモーション活動をしたりするのはかなり難しかったとか。
メタバースイベントの反省を活かしてもっと効率の良い運営方法を考えるのか、それともやはり現実世界でイベントを行った方が良いと判断するのかは企業によって違うと思います。
しかし、試験的にメタバース利用をすることによって、企業活動にも多くの選択肢が生まれるようになるでしょう。

・国土交通省がメタバースバスツアーを開催

2021年12月~2022年1月、国土交通省が手掛けるまちづくりプロジェクト「Project Plateau」で、試験的にメタバースのバスツアーが開催されました。
現実世界と仮想世界の融合「XR技術」を活用し、今までになかった観光体験型アトラクションを構築したのです。
横浜みなとみらい地区を3D化し、現実世界を反映させる没入感の高いメタバース空間を実現しました。
約380人の参加者がバスツアーを楽しみ、XR観光への関心、集客力の高さを示した結果となりました。
これまでの一般的な3Dモデルに比べ、細かい粒度でメタバース空間を構築したことも成功の理由の一つであると考えられています。
取り組みの成果をもとに改善を重ねていけば、実際の観光事業にまで成長する可能性があるでしょう。
高齢だったり、体が不自由だったりして旅行に行けない人もいますよね。
お金や時間に余裕がなく、遠出したくても我慢している人も多いと思います。
メタバース内の旅行なら、自宅のデバイスで気軽に参加することが可能です。
リアルさを追求していけば、当たり前にある旅行の選択肢としてメタバースが挙げられる日が来るかもしれません。

・奥村組がメタバース建築シミュレーションを開発

建築物を設計・施工する上で、モックアップと呼ばれる原寸大の模型を作ることが基本となっています。
しかし、ビルや住宅などの大型の建物の場合は、ミニチュアで製作するのが一般的です。
いずれにしても修正を繰り返せば膨大な工数が発生し、原寸大で製作されたモックアップを廃棄すれば大量の産業廃棄物が生まれてしまいます。
建築物の模型を作るだけで多大な人件費がかかり、環境破壊につながるという問題点があったのです。
このモックアップをメタバースで構築できれば、材料を用意する必要がなく、工数や作業員を削減することができますよね。
建築業者の奥村組では、技術研究所にある実験棟をメタバース化しました。
ミニチュアでは難しかった精度の高い設計・施工を実現し、よりリアルでエコな建築シミュレーションができるようになったのです。
奥村組は、この取り組みによりSDGsの推進も可能になるとしています。
他の建築会社でもメタバースによるモックアップが当たり前になれば、廃棄される建築資材をぐっと減らすことができるでしょう。

 

少し前までは、アバターで交流できるSNSとか、どっぷりネットの世界にハマるためのツールくらいにしか思ってなかったかも。
メタバースはバーチャルな世界を楽しむだけでなく、現実世界の問題点を浮き彫りにし、解決策を与えてくれる可能性があります。
2023年以降は、もっと現実的な使い道が増えていくかもしれませんね。

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