暗号資産関連の事業で黒字を計上する企業が増えており、冬の時代が過ぎ去ったのでは?と言われています。
現物ETFが承認され、半減期の到来が今年の3月だと予想されるなど、ビットコインによる功績が大きいでしょう。
同じく2022年から2023年にかけて低迷していったNFTは、ここからどんな変化を見せていくのでしょうか。
今回はこれまでのNFTの歩みと、2024年にNFT業界が復活する可能性について調べてみました。
NFTはどこで生まれたの?
NFTの始まりは、2014年にアーティストのKevin McCoyと起業家のAnil Dashがタッグを組んだことから始まったと言われています。
これまでのデジタルアートといえば、フィジカルな作品に比べてコピーしやすく、本物であると証明する手段がほとんどありませんでした。
Kevin McCoyとAnil Dashの2人は、アーティストが自分の作品(デジタルアート)に所有権を主張するにはどうしたら良いか考えていたのです。
そこで、デジタルアート作品をブロックチェーンに結びつける方法を発見します。
この時に生まれたのが、世界初のNFTとみて間違いないでしょう。
NFTが注目を浴びたのは2017年から
初めてのNFTが生まれてからしばらくは、ほとんどの人がその存在を知りませんでした。
おさらく、「Kevin McCoyとAnil Dashが何やら面白いことをやってるらしいぜ」くらいにしか認知されていなかったでしょう。
2017年にはあの有名なCryptoPunksが生まれますが、これも当初はあまり注目されていませんでした。
2022年に当時最高額の8,000ETH(約27億円)で取引された、あのピクセルアートにも辛い下積み時代があったんですね。
10,000のパンクなピクセルアートは作成者のMatt Hall、John Watkinsonが自分たちのために1,000個をキープし、残りの9,000個は無料で配布したそうです。
しかし誰からも相手にされず、ほとんどの作品がWebサイトに残されたままだったとか。
事態が急転したのは、Mashable(デジタルメディアのWebサイト)で紹介されてから。
これまで見向きもされなかったCryptoPunksにスポットライトが当たると、記事掲載の24時間以内には無料提供されていた9,000個全てのNFTに受け取り手が現れました。
そして無料で取得した者は、NFTマーケットで二次販売を始めます。
すると2017年末までに17万ドルの売り上げに!
その後も価格は上昇し続け、最も高値を付けた「CryptoPunk 5822」は2017~2022年の間で1万4200倍以上の値上がりになったといいます。
ロイヤリティが生まれてクリエイター層が拡大!
CryptoPunksに続けとNFTコレクションを作成するクリエイターが増えていき、SuperRareという品質の高いNFTを取り扱うマーケットプレイスも誕生しました。
このNFTマーケットは当時まだなかったロイヤリティを設け、他者に販売した後もアーティストに収益が与えられる仕組みを作りました。
このアイディアはさらにNFTの可能性を広げ、デジタルアートにチャンスがあるとクリエイターを期待させます。
アーティストは稼げないという常識が、ロイヤリティの登場によって大きく変化したのです。
売って終わりではなく、購入者が転売してくれることでその後も収益が発生する可能性があります。
これはクリエイターにとって何よりも嬉しいポイントですよね。
お金の問題だけでなく、自分が生み出した子ども(作品)がまた誰かに求められていると思うと、次の作品を作る励みにもなると思います。
2018~2020年はNFTゲーム最盛期に
2017年に世界初のブロックチェーンゲームCryptoKittiesが誕生すると、ゲームで扱う猫のNFTが大人気に。
NFTゲームの登場により、取得したNFTを使って遊べるようになったのです。
そのゲームでさらにNFTをゲットできる仕組みも生まれ、アイディアの広がりによって多様な遊び方ができるようになりました。
2018年から2020年にかけて、CryptoKittiesのようなブロックチェーンゲームを目指したプロジェクトが続々と立ち上がります。
スポーツの分野でもNFTとコラボしたり、NFTスポーツゲームが生まれたりと融合が進みました。
Play to EarnでもNFTのスニーカーが生まれ、NFTを売買するだけでなく、NFTを使ってお金を稼ぐ人が増えていきます。
この手のNFTゲームは現在も人気であり、どんどん新しいものが生まれているでしょう。
2021年はNFTアートの時代
NFTといえばゲームという風潮から、2021年はまたアート作品に戻ってきたのかなと思います。
暗号資産の市場も盛り上がっていたので、高額NFTもよく売れました。
なかには数億円の価格で取引されるものも・・・!
「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」という作品が約75億円に、Twitterの創業者Jack Dorseyが初めてツイートした投稿は約3億円の価格をつけています。
まさにNFT狂時代!!
日本でもNFTクリエイターが増え始め、学生から主婦、さまざまな分野で事業を展開してきたマーケターも参戦しました。
イケハヤ氏がサポートしているCrypto Ninjaも2021年デビュー組です。
2021年当時は名もなきクリエイターでも注目されるチャンスがあり、ただの主婦や一般企業の会社員が有名コレクションに成長させた例もありました。
2021~2020年はNFTクリエイターが多く登場し、なおかつ「売れば結構儲かる」分野になっていたでしょう。
2022~2023年に冬の時代が到来
2022年当初は、まだまだ売上好調だったNFT市場。
はっきり言って、ただの落書きにしか見えないような作品でも、2022年初め頃までは売れていました。
Twitter(現X)で仲良くなったフォロワーさんから買ってもらい、自分もお礼に買ってあげるという義理取引も行われていましたが・・・。
2023年に入ると、その義理ですら通らない時代がやってきます。
超高額海外コレクションのBored Ape Yacht Club(BAYC)も170ETHから31ETHに急落し、NFT市場の熱が冷めていくのを感じさせました。
SNSではNFTからの撤退を宣言するクリエイターが増え始め、いつの間にか消えた人も・・・。
このままNFTは終わると言う人も出てきて、辛く厳しい冬の時代が続くことになります。
2023年後半に転機が!!
NFT市場の冷え込みは、暗号資産の低迷によってさらに加速します。
しかし、2023年下半期にビットコイン現物ETF承認の機運が高まると、暗号資産業界全体に復活の兆しが!
実際に承認されたのは2024年に入ってからになりましたが、ビットコインの半減期に対する期待もあって、暗号資産全体で価格が上がり始めました。
するとNFTにも良い空気が循環し、もう一度NFTに挑戦する企業も出てきます。
専門家は、2024年になるとデジタル資産とフィジカルな資産の関係がより深まるプロジェクトが増えるのではないかと期待しているとか。
NFTに再チャレンジする個人クリエイターも出始め、SNSでも盛り上がりを見せているようです。
2024年はどんな作品が売れる?
SNSをチェックすると、2022年までに人気だったNFTコレクションとはちょっと趣の違う作品が多くリストされているなと感じます。
これまではアイコンにぴったり収まるような大きさで、パッと見て何が書いてあるかはっきり分かるような単純なデザインが人気でした。
まあ、簡単にいうとア○パンマンみたいな、遠くから見ても小さく表示されても目立つようなやつですね。
しかし、現在人気になっているのは、画面に所狭しと描かれた細密なイラストや、AIで作成した写真のようにリアルな人物画も多いです。
これらのNFTは、大きな画面で鑑賞することを前提に作られているのでしょうか。
2024年はSNSのアイコンとして使うNFTより、メタバースなどに飾るような絵画的な作品が売れると思います。
以前はSNS上のコミュニティ力で売ることができたかもしれないけど、今後は高度な技術・画力を持つデジタルアーティストじゃないと難しいかもしれませんね。
2024年はNFTブームが再燃するとみられています。
しかしこれからは、2022年に人気だった作品では勝てないかも!
ニーズに合わせて戦い方を変え、チャンスを掴みましょう。
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