最近は、イーサリアムの「ガス代」が高くてNFT取引がしづらくなっているようです。
せっかくタダでNFTが手に入る「フリーミント」があっても、タイミングによっては数千円のガス代がかかってしまうことがあります。
現実世界で例えると、モニターに当選して新商品のペットボトル飲料をもらうのに数千円の送料を負担しないといけない・・・というイメージですね。
ガス代ってどうして支払う必要があるのでしょうか。
今回は、暗号資産のやり取りやNFT取引で発生するガス代について調べてみました。
「ガス代」って?
暗号資産のやり取りが行われる時、手数料が発生します。
これは「ガス代」と呼ばれ、ブロックチェーンごとに決まっている通貨で支払います。
例えば、イーサリアムネットワークチェーンを使っていればETH、Polygonネットワークチェーンを使っていればMATICが必要です。
ガス代の額は変動し、取引が混み合っていると高騰します。
また、支払う暗号資産の価値自体が上がると、結果として多くの金額を支払っていることになるでしょう。
どういうことかと言うと、例えば「0.01ETH=2,000円」だったのが、次の週には2,500円に値上がりしていたら・・・。
ガス代の値段自体が変わらなくても、日本円として考えると以前より高い金額になっていると分かりますよね。
ガス代を確認する際は、ガス代そのものの価格と支払う暗号資産の現在価格の両方を調べる必要があります。
ガス代が必要な理由は?
ブロックチェーンには、「パブリックチェーン」と「プライベートチェーン」の2つがあります。
パブリックチェーンは、運営者がいないネットワークチェーンです。
暗号資産やNFTの取引内容は、ネットワークを使うユーザー自らが検証する仕組みになっています。
検証作業をしてくれたネットワーク参加者には、報酬が与えられます。
この報酬がどこから来ているのかと言うと、私たちネットワーク使用者が支払っているガス代です。
取引が多くなるほど、多くの人から検証作業をしてもらう必要があります。
そのため、ガス代が高くなってしまうのです。
一方プライベートチェーンでは、管理者が存在しています。
ガス代や「取引手数料」として暗号資産を支払う必要があるもの、「管理者が負担するから手数料はいらないよ」というものもあります。
プライベートチェーンの方がお得?
DEXのLOLLIPOP(ロリポップ)は、BSC(バイナンススマートチェーン)によって構築されています。
これはプライベートチェーンです。
ガス代は、「BNB」というコインで支払います。
ETHのガス代よりも安いので、イーサリアムネットワークよりもお得に取引できるでしょう。
パブリックチェーンの場合は、開かれた市場になるため取引の量が多くなります。
プライベートチェーンであればパブリックチェーンよりも取引が限られるので、ガス代も低めにできる・・・という仕組みです。
ただし、全てのプライベートチェーンでお得というわけでなく、管理者によって独自の手数料が設けられている場合もあるので確認しておいてくださいね。
いつ支払うの?
ガス代が発生するタイミングは、使用するプラットフォームによって異なります。
例えばNFTマーケットの「OpenSea」では、トークン・WETHの承認(初回のみ)やNFT購入、NFT出品のキャンセル、出品NFTに対するオファーの受け入れ、NFTのトランスファーなどにガス代がかかります。
イーサリアムネットワークを使っているので、支払い通貨はETHです。
LOLLIPOP(ロリポップ)のDEXでは、トークン「LPOP」の購入や送金、ステーキングなどにガス代がかかります。
こちらはBSCなので、支払い通貨はBNBですね。
ガス代は何で決まっているの?
ブロックチェーンによってガス代の仕組みは違いますが、一番よく支払って一番高いかもしれないイーサリアムネットワークの場合を見てみましょう。
イーサリアムネットワークのガス代は、次の式で決定します。
【ガス代=(基本料金+優先手数料)×ガス限定額】
基本料金は変動し、取引が混み合うと高くなって空いていると安くなります。
優先手数料とは、優先的に処理を行ってもらうために支払うチップのような役割です。
メタマスクでは、オプションで処理速度を早くしたり遅くしたりすることができます。
早くすれば手数料が多くかかり、遅くしても良ければ手数料を抑えられるでしょう。
ガス限定額は、ガス代の上限を表すものです。
そのタイミングで発生してしている取引の量によって変わりますが、ユーザーで額を調節できる場合もあります。
ただし、低く設置しすぎると処理の優先度が下がってしまうため、なかなかトランザクションが通らなくなるかもしれません。
初心者はあまりいじらない方が良いでしょう。
基本料金は「Gas Price」、優先手数料は「Priority Fee」、ガス限定額は「Gas Limit」として、メタマスクの確認・承認画面に出てきます。
ガス代が表示されるタイミングがあったら、確認してみましょう。
ガス代はどこで調べるの?
ガス代は常に変動するため、個人的なサイトなどに出てくる「ガス代は今○○円くらいですね」という情報は参考になりません。
必ず自分の目で、その時のリアルなガス代の価格を調べておきましょう。
次のようなサイトで確認できます。
・Etherscan
イーサリアムネットワークで行われた取引は、ここで閲覧できます。
ガス代も、15秒に一回更新されるリアルタイムな目安金額が分かりますよ。
・ETH GAS STATION
こちらはガス代が高騰しているか、割安になっているか分かりやすくなっています。
ガスメーターのような画像があり、値が100に近いほど高騰しているでしょう。
「gwei」で出てくるからよく分からない・・・(´;ω;`)
ガス代を上記のサイトで確認すると、処理速度によって金額の目安が表示されます。
でも、日本円でもドルでもなくて「gwei」で出てくるから困っちゃう(泣)
これはガス代を意味する単位ですが、実際に支払う金額を計算するにはここにガス限定額をかけなければなりません。
ガス限定額はメタマスクなど、それぞれのウォレットで処理速度に応じた数値が自動で設定されます。(手動で変更も可)
また、ETHは変動するため、「1gweiは一体いくらなのよ!!」ということをその都度計算する必要があります。
ガス代を日本円で知りたい場合、使う材料はこちらです。
・現在のガス代「(例)Average(平均的なスピード)・・・50gwei」
・ガス限定額(例)210,000
・gwaiのETH価格「1gwei=0.000000001ETH」
・ETHの日本円価格(例)「1ETH=230,000円」
あとはそれぞれをかければOK!
50×210,000×0.000000001ETH×230,000=2,415円
この条件の時、ガス代は大体この金額になります。
そのフリーミント、本当にお得?
フリーミントでもらったNFTが高値になる可能性があり、それを売ればガス代なんてすぐに取り戻せる・・・と考えることもできます。
しかし、どう転ぶか分からないのがNFT投資です。
ガス代が高騰している時にフリーミントして、NFTが思ったより高値をつけなかったということも考えられます。
「NFT自体はタダだし、ガス代だけで良いなんてお得♪」と浮かれる前に、ガス代が高くなっていないか調べておいた方が良いでしょう。
普段からガス代の相場を見ていると、
「今日は高いな・・・」
「この間よりも安くなってる!」
と気付けます。
また、フリーミントで手に入れたNFTがちゃんと意味のあるものなのかも考えておくべきですね。
「プロジェクトを渡り歩いて、無料のNFTをもらえるだけもらってやる!」という人は、ファウンダーからもガス代からも嫌われてしまうかもしれませんよ(>_<)
調べる前は、「今ガス代は○○円だよ!」ってすぐ出てくるもんだと思っていました。
でも実際は、その都度面倒な計算をしないといけないみたい…
ガス代は計算方法を覚えるよりも、「高めか安めか」という感覚を掴めるようになることを目標にしましょう。
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